薬剤師国家試験を精読する#23(薬理・病態薬物治療;分子標的薬,乳がん,慢性骨髄性白血病)

画像1 100回問70を例に,分子標的薬の薬理は必須レベル。とはいえ量が多く覚えるのは大変,単に暗記するのでなく以下で示すような実践問題と結びつけることを心がける。
画像2 乳がんについて,遺伝子検査の結果から薬剤を選ぶ問題が頻出。まずは104回問254-255。HER2陰性(0,1は陰性,2,3は陽性)の判定が難しい。閉経前だからアロマターゼ阻害薬は×。フルベストラントは単剤では用いないので×(これも難),結果としてタモキシフェンが適応となる。
画像3 106回問312は簡単。問313ではタモキシフェンが適切であることを始め,妊婦に禁忌の詳細,代替薬など幅広い知識が問われた。
画像4 タモキシフェンの相互作用について103回問220-221で問われた。最初の問題は常識の範囲内。次が難しく,CYP2D6阻害剤は何か知っておく必要がある。
画像5 106回問238-239ではPARP阻害薬であるオラパリブが出題。これはBRCA陽性(他が陰性)の場合に適応となる。
画像6 次に慢性骨髄性白血病について。105回問59はそのままの問い。101回問222-223でイマチニブの代替薬が問われた,これは純粋な知識勝負。
画像7 107回問218-219ではALK阻害剤であるクリゾチニブを投与していたが肝障害を起こした場合の代替薬が問われている。
画像8 同じ回107回問296-297では,ALK-,ROS1+のためクリゾチニブ○だがアレクチニブ×となる。またPD-L1の値よりペムプロリマブも適応となる。これは難問だろう。
画像9 ニボルマブについては連続で出題されているが,内容に妙なクセがある。104回問259こそ薬理の問題(イピリブマブによる相乗作用)であるが,問258では副作用について問われている。
画像10 105回304-305はニボルマブかと思わせて,実際には1型糖尿病とケトアシドーシスの問題である。また,106回問264-265では,実際は潰瘍性大腸炎の問題となっている。このように,ニボルマブについてはなぜか副作用が出題される傾向にある。

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