書記が数学やるだけ#817 ルベーグ積分の性質
いよいよルベーグ積分を定義していく。
問題
説明
はじめに,リーマン積分とルベーグ積分のイメージを示しておく。
ルベーグ積分は単関数により構成される。
ルベーグ積分は,まず非負関数から構成して,さらに正成分と負成分を合わせることで一般の場合に拡張できる。
ルベーグ積分の性質について,今回は線形性と単調性などを扱い,収束定理は次回扱う。
解答
まず非負可測単関数の積分がwell-definedであることを示す。
単調性・線形性・積分範囲の加法性をまとめて示しておく。
積分の極限について,μ(E)が無限大か否かで場合分けが必要。
ここまでの知識で,一般の非負可測関数の線形性が示せる。
測度空間において,ある性質 P を満たさない点の集合の測度が 0 である場合,ほとんど至るところで(英: almost everywhere,略して a.e)P を満たす,という。例として,積分0の非負可測関数はほとんど至るところで0であることを示す。
一般のルベーグ積分の線形性を示すために,可積分関数の分解を示しておく。
これによりルベーグ積分の線形性が示せた。
最後に具体例を一つ,ディリクレ関数のような関数でリーマン積分不可能である。有理数のルベーグ測度は可算集合であるため0で,測度0を除いた区間でルベーグ積分は値をもつ。
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