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DMUコモンカードPauper評価

昨日、2022年9月9日発売の新セット団結のドミナリア(DMU)の全カードが公開されました。
例によってPauper目線で注目カードを評価してみます。
なお《汚染された帯水層》などのタップインデュアルランドはカルドハイムで氷雪版が既に登場していて、氷雪を使用しているのであれば氷雪版を、使用していないの発掘されたマナ労働機であれば基本こちらを使えばといった程度なので省略。

(追記:2022/8/28)
《アーボーグの奪還》を入れ忘れていたので追加。
紹介するカードが21枚だと切りが悪いので《発掘されたマナ労働機》を削除。

団結のドミナリアのメカニズム

後援

バンドのリメイクだと言われていますが、有効なのは相手がタフネスの高い壁を展開しているときくらいで見た目は微妙。
リミテッド的には《樹皮織りの破壊者》のような重くてタフなクリーチャーが序盤に展開した3/1の支援を受けたりすると強いのでしょうが、パウパーで高マナ域のクリーチャーは使いづらい。

先読

神河:輝ける世界(NEO)でコモンの英雄譚が登場したので期待しましたが、残念ながら今回収録の英雄譚はアンコモン以上。
今後のセットに期待。

版図

既存のカードにも《部族の炎》や《マトカの暴動者》などの優秀なカードのあるメカニズムですが、今のところ版図に寄せきる構築にそこまでのメリットがなかったというのが私見。
今回の収録内容次第では有力なアーキタイプになりそうです。

キッカー

《噴出の稲妻》のような純粋にキッカーにより性能が向上するカードを期待していましたが、今回収録されたキッカーは全てキッカーコストに元の呪文とは違う色のマナを要求する実質的な多色カードになっています。
リミテッド目線では最悪単色の呪文としてカウントできるなど良いデザインだとと感心しますが、構築目線だと《強引な妨害》と《荒廃稲妻》のように最初から多色の呪文を使ったほうが効率的な場合もあるため効果的に機能するケースはやや少なそう。

注目カード

《アルガイヴの密集軍》

召集持ちの《議事会の乗馬兵》に似ていますが、クリーチャーのタップが不要な分より攻撃的な運用ができます。
《金切るときの声》などと併用すれば1マナで唱えることも簡単なので、飛行1/1と軸をズラした追加戦力として有望そう。
とはいえ、そういったデッキの筆頭であるボロスは単体で太いクリーチャーよりアドバンテージが取れたり《ギルドパクトの守護者》のような《バジリスク門》を乗せやすいクリーチャーのほうが好まれそうです。

《ベナリアの潜伏工作員》

キッカーを払うと《肉袋の匪賊》になります。
《肉袋の匪賊》は相手の盤面が開いているときに単にクロックとして展開することができませんでしたが、こちらは2/3/1として出せる点を地味にメリットとして見ています。
白黒のサクリファイス系のデッキは《カルテルの貴種》のコモン落ちなどで注目されていますし、《宿命の旅人》など死亡誘発持ちのクリーチャーと併用して使ってみたいです。

《邪悪を打ち砕く》

《勇敢な姿勢》を思わせる除去ですが、もう片方のモードがエンチャント破壊なのでメインに入れるのは難しそう。
サイドカードとしてはクリーチャー除去とエンチャント破壊という白には珍しい組み合わせなので居場所が出てくる可能性もあり。

《アカデミーの壁》

インスタントやソーサリーに1枚ルーターが付くと1マナ程度のバリュー向上があるので、それをマナをかけずに得られるのは強い。
とはいえ、これ自身が3マナのクリーチャーということで展開する隙がなかなかに大きく、何かしらのバックアップが欲しいところ。
《殺し》のようなピッチスペルは能力を誘発させるのにも便利で噛み合いが良さそうです。

《トレイリアの恐怖》

キャントリップ呪文の連打から探査持ちの大型クリーチャーに繋げる構成は様々なフォーマットで見かけられますが、それと同じような運用が可能です。
《グルマグのアンコウ》と同じサイズを持ちながら護法を備えていて、《殺し》や《紅蓮破》が効いてしまう以外には一段上のスペックを持っています。
なによりキャントリップの色である青が単色でもファッティを用意できるようになった点が画期的で、青単や《グルマグのアンコウ》を採用できなかったイゼットなどで見かけるようになりそうです。

《ファイレクシアの生体解剖者》

アンコモンの《血の芸術家》のように直接ゲームを決定する能力ではないものの、サクリファイス系のデッキで嬉しい死亡誘発を追加するクリーチャー。
この手のクリーチャーにしてはサイズも悪くなく《屍肉喰らい》と並べて使いたい。

《影の予言》

基本土地タイプが2種類あればほぼ《血の契約》なのでコスト相応の性能を引き出すためのハードルが低い。
3種類なら《闇の取り引き》で4マナ相当、それ以上ならかなりヤバい。(語彙力)
手札に加えなかったカードが墓地に置かれる点も強力で探査やフラッシュバックなどとの組み合わせるとさらに効率的。

《アーボーグの奪還》

《死者再生》+αの系統のカードですが、素で2点ライフ回復がありプチ《ムラーサの胎動》といった性能。
基本的に手札にカードを加えるアクションとライフの回復は相性が良いのでこの手の呪文の+α部分としてはとても優秀です。
そしてキッカー部分のパーマネント・カード回収もまんま《自然のらせん》でコスパ良し。
クリーチャーに限定しないパーマネント・カードの回収はコモンには存在しなかったものですし、墓地限定とはいえ合わせて2枚の回収はカードの質という面でも優れています。
発掘といった大量に切削するメカニズムとは特に相性が良く、疑似サーチ的に使えるようになり、特に《拷問生活》のような非クリーチャーのキーカードを引き込む確率を大きく上げることができるので、拷問生活デッキでの採用を検討したい。

《のたうつ分解者》

アグロデッキなど自然に墓地にクリーチャー・カードの貯まるデッキであれば中盤以降には容易に出せるでしょう。
このサイズの接死が活きるかは別にしても《グルマグのアンコウ》と同性能のクリーチャーがより少ないリソース消費で出せるので、殿を任せるのに丁度よさそうです。
また、墓地のカードを追放しないのは《拷問生活》のようなデッキで特にメリットが大きく、1マナで何度も展開される5/5接死は攻守両面で強力です。

《ゴブリンのがらくた拾い》

2/2/2のクリーチャーに有用な能力が乗っているのが強い。
序盤は自身で殴り、終盤は能力で土地をリソースに変える動きに無駄がない。
起動コストが1マナと低いのも嬉しく、マッドネス持ちを捨てても十分に唱えられます。
ラクドスにこれが入る枠があるかは分かりませんが、これさえ立っていればマッドネス持ちをマッドネスで使えないということが無くなるので安定感がでそう。

《ケルドの急襲隊》

全体に速攻を付与したいたいだけなら《タクタクの瓦礫砦》が優秀なので、自身が3/3/1速攻で殴れる点やキッカーをあてにして採用したい。
《発掘》でリアニメイト可能なのも便利そう。

《メリアの先導》

5/4/4のサイズに加えて本体最大5点を内蔵しているので見た目以上にクロックが早そう。
到達を持っていて盤面を止める力が強いことも後続でさらに《乗り込み部隊》や《苛立つアルティサウルス》を展開するデッキでは役に立ちます。
《部族の炎》や《爆発する境界》と組み合わせれば殴らなくても20点を削れそうなので、他のスロットに多く除去などを積むなどの余裕ができます。

《塵と化す》

アーティファク破壊と全体1点ダメージというパウパー環境で有用なメタカード要素が1枚のカードに収まっているのは便利。
防衛クリーチャーを破壊するモードも《陽景学院の使い魔》や《斧折りの守護者》など一部のコンボ要員が防衛を持っているので刺さることがありそう。
ただ、2マナかつソーサリーというのがやや遅く、《呪文づまりのスプライト》の能力に干渉することができない点で評価を落としている印象。

《ヤヴィマヤの鋼潰し》

何度も出てきていますが2/2/2に有用な能力がついているのが本当に優秀。
特にこれは後援を持っているので3/2以上を容易に狙えるます。
起動能力はメタカード寄りでどの相手にも刺さるというものではありませんが、メインから使えるアーティファクト破壊としては《削剥》並みに便利。

《花咲く蔦壁》

見られるカードが6枚と多く、墓地利用はできないものの《サテュロスの道探し》と比較しても2枚も多く土地を探しにいけます。
0/2防衛と本体はチャンプブロック程度にしか使えませんが、ライフを守りながら土地を探す動きはウルザトロンで強力そうです。

《ラノワールの追跡者》

緑になった《鋳造所通りの住人》で、ウィニークリーチャーとしての能力は間違いないです。
タフネス1が気になるものの、《巣の侵略者》からのエルドラージ・トークンでもちゃんとパワーが上がりますし、序盤から積極的にライフを狙いにいく緑単ストンピィで採用を検討したい。

《日光浴するルートワラ》

起動コストは重いものの、毎ターン起動できる5/+5修整はゲームを決める力があります。
版図デッキの序盤は《遥か見》などの土地サーチのターンになることが多そうですが、《野生のナカティル》を採用するような攻撃的な構成なら十分に使えそうです。

《隕石》

コモン落ち。
コストが重すぎて使用に耐えそうではありませんが、一応、続唱で捲れても一定の意味のあるマナ加速ということで《乗り込み部隊》などを採用したデッキで採用できるかどうか?
また、青マナの出せるETB能力持ちということで、《記憶の壁》と並べられれば《幽霊のゆらめき》が実質2マナ2点の再利用可能な火力になります。
ぶっちゃけ、その状況ならブリンクするのが《海門の神官》でも《熟考漂い》でも勝てるとは思いますが、ウルザトロンのオプションの一つとしては採用の価値ありかもしれません。

《盾壁の歩哨》

スタッツも能力も微妙ですが、サーチ効果は将来に何かの役に立つ可能性が無きにしも非ず。

《水晶の岩屋》

なんの変哲のないタップイン2色土地にETB能力で占術1が付いただけの神殿サイクル(レア)が登場時には想像以上に強かったと驚かれましたし、《ゆらめく岩屋》に占術が付いたこれも見た目以上に強力なことでしょう。
ウルザトロンなどは丁度この手の土地を採用するデッキですし、序盤にウルザ土地を探しにいくのが重要なので、《誘惑の洞窟》のクリーチャー強化も魅力的ですが、自分が組むならばこちらを優先したい。

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