見出し画像

UNFコモンカードPauper評価

2022年10月7日発売のジョークセット(Unシリーズ)の新作であるUnfinityの全カードが公開されました。

通常であればパウパー的にはスルーする話題なのですが、今回のUnfinityはジョークセットで初めて一部のカードが通常フォーマットで使用可能となるため、コモンカードについてパウパー目線の評価をしていきます。
ジョークセットということで奇抜なカードが多く能力もごちゃついているので、メカニズム毎に注目カードを見ていきます。

ステッカー

ステッカーはチケット・カウンターを溜め、ステッカーを貼る効果により土地でないパーマネントに永続的に能力を与えたりクリーチャーのサイズを変更します。
最も永続的とはいえArenaと異なり紙では非公開領域まではカードを追跡できませんので、あくまで戦場、墓地、追放領域限定ですが、ブリンクをしても修整が維持されたり、一部のステッカーは墓地で使用する前提の能力を付与するなど、これまでにない挙動をします。
使用できるステッカーは構築時に用意した名前の異なる10枚のステッカー・シート中からゲームごとに3枚のシートをランダムに選び、その中のステッカーのみ使用できるという仕様なので、常に特定のステッカーを用いることができるわけでなく、安定感はないですが、準備しておく10枚のシートからどのシートが選ばれてもデッキのプランに沿った能力を使用できるようにしておけば、基本はプラスの能力となるでしょう。

上の能力ステッカーと左のパワー/タフネス・ステッカーは消費チケットが2で統一されていることから、ゲームに具体的な影響を及ぼすためには最低2枚のチケットが必要になります。
下の能力ステッカーと右のパワー/タフネス・ステッカーは消費するチケットが3~6とバラバラになっていて、相対的に効果は大きいですがパウパー環境では使用する機会は殆どないでしょう。
名前ステッカーとアート・ステッカーはチケットの消費はないですが、ゲーム的には殆ど無意味です。
(いちおう《残響する衰微》などの同名参照カードを躱すこという意味はある。)

《Prize Wall》

継続的にチケットを得られ、起動が重いですがステッカーを貼ることもできます。
無作為に選ばれる3枚のシート次第ですが、サイズの大きいパワー/タフネス・ステッカーを利用すれば1/1をフィニッシャーに変えるなどの運用が可能でしょう。
最も、ロングゲームでの遂行力確保という点は、最近の環境では《バジリスク門》で構築への負担をあまりかけることなく賄える部分でもあるので、わざわざコレを使うかというと微妙。

《Chicken Troupe》

ステッカー関係なしに2/2/2護法(2)という性能が優秀。
緑単ストンピィのようなデッキで《怨恨》をエンチャントする先として安定感があります。
1体目は《残響する衰微》対策としてステッカーを消費しない名前ステッカーを適当に貼り、2体目は適宜サイズを変更したり能力を付与できます。
能力ステッカーやパワー/タフネス・ステッカーを使うには同名カードを2枚引き込む前提ということなので難しく感じますが、《フェアリーの悪党》なんかも偶にドローしていることを考えれば、まるっきり役に立たないわけでもなさそうです。

アトラクション

こちらもステッカーと同様に予め名前の異なる10枚のアトラクションからなるアトラクション・デッキを準備し、そこからアトラクションを開くたびにランダムにアトラクション展開するという仕様なのですが、ステッカーと異なりコモン構築で使用可能なアトラクションが10種類存在しないため、そもそもアトラクション・デッキを用意することができず、必然アトラクションはパウパーでは使用不可となります。

帽子

帽子関連のカードは全て銀枠扱いなので、パウパーで使用不可能です。
イラストに影響されるメカニズムなので当然と言えば当然。

言葉遊び

各色に1枚ずつ存在し、ETB能力でステッカー・シートから名前ステッカーを貼り、名前ステッカーに含まれるユニークな母音(A,E,I,O,U,Y)の数に応じてXを決定して効果を発揮するという共通の能力を持っています。
(ユニークなのでステッカーに含まれる母音がAとOなら2カウント、OとOなら1カウントです。)

上の画像は各ステッカー・シートの母音数を集計し母音数の多い順に並べたものです。
(目視で名前ステッカーの母音数を数えたので間違いがあるかもしれませんので注意。)
母音が4つ以上のステッカーが8枚は存在するので、上の図の右の番号の1から8までを用意しておけば無作為に選ぶ3枚がどの組み合わせになっても最低1回は母音が4つのステッカーを利用できることが分かります。
なお最大は"Delusionary"の6で、無作為に選ぶ3枚に含まれている確率は30%です。

《Wolf in ________ Clothing》

最大X体を選んで-1/-1修整なので、状況によっては3程度でも十分なことも多く、選ばれたシートの影響を受け難いです。
本体のスタッツもなかなかなのでコントロールデッキで有用そうです。
タフネス1が並ぶデッキに対してメインから積める(ほぼ)全体除去。

《________ Goblin》

ゲーム開始時に《Playable Delusionary Hydra》が引けていれば3→6のジャンプアップが可能で《乗り込み部隊》に届きます。
母音数5以上のステッカーを使える確率は約70%なので、最低でも2/2付きの《煮えたぎる歌》になる可能性は高く、ギャンブル要素こそありますが優秀なマナ加速と見て良いでしょう。

サイコロ

フォーゴトン・レルム探訪で通常セットにもダイスが導入されていますし、効果も直感的なので、カードの紹介だけ。

《Clowning Around》

最低1/1が2体保証されていて、運が良ければ追加でもう1体。
単発ではヒットする確率は3分の1ですが、ロボットが増えれば増えるほどヒットの確率が上がりますし、外しても2マナとして遜色ない性能なので、上振れ期待で採用を検討できます。

ゲーム外の人

当然ながら全て銀枠です。

その他

最後にUnfinityのメカニズムとは無関係ですが単純に性能の良いカードを1枚。

《Embiggen》

殆どのクリーチャーはクリーチャータイプを持っているので通常は+2/+2が保証され、アーティファクト・クリーチャーなどは+3/+3は修整が入ります。
特に《巨大化》系のカードと相性が良いとされる感染クリーチャーですが、エラッタで全てにファイレクシアンのクリーチャータイプが追加されていることもあり、《ぎらつかせのエルフ》(クリーチャー・ファイレクシアン・エルフ・戦士)や《荒廃の工作員》(クリーチャー・ファイレクシアン・人間・ならず者)や《胆液爪のマイア》(アーティファクト・クリーチャー・ファイレクシアン・マイア)など主要な感染クリーチャーは+4/+4の修整を受けられます。
ほぼ条件なしで+4/+4できる《古きクローサの力》もダブルマスターズ2022で追加されていますし、《巨大化》系の呪文の質は《激励》を失った穴を埋められるくらいには強力になっている印象なので、そろそろ感染デッキが環境に浮上してくる頃かもしれません。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?