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New World

新世界とは何だったのか

New World、それはあのグローバル企業Amazon傘下のAmazon Gamingsが開発した21世紀のMMO RPG……全世界のゲーマーたちが新世界を目指し、同時接続90万人を超える大ヒット作……だったのだが、ローンチから一か月が経過し、現在は28万人程度に落ち着いている。(なお、WoWのlive playerが5万人程度、FF14のSteam接続数も5万人程度である)

新世界はすばらしかったか?

答えはNO、ゲームの新たな地平を切り開いたという意味ではATLASやLASTOASISの足元にも及ばない駄作だった。
PvEの内容については一切褒めるところがなかった。あらゆる点でプレイヤーにストレスを強いてくるし、エンドゲームギアリングについても楽しさが全くない。PvPについてはクラン同士が領土を争い、フィールドを奪い合うというコンセプトは素晴らしい。しかし、クランに所属できないプレイヤーにとって、このPvPシステムは全く魅力的ではない。

経済システムについては、デフレだデフレだと記事が出てしまうほど話題になってしまったものの、「賢く」プレイできる人々にとっては大変楽しい内容になっていたと思う。ゲーム内の通貨流通量が少ないために、他プレイヤーから金銭を搾取することの価値が高かった。所属しているクランはローンチ初日からEverfall(ゲーム内中央に位置する首都ともいうべき地域)を支配し続けているのだが、毎週の税収を見ると不景気などとは到底言えない数字があがっている。もっともそれらの「内部留保」の数字が大きくなればなるほどゲーム内全体では不景気になっていくわけなのだが。

MMO RPGの亡霊たち

では、なぜNew Worldはこのような低い評価になってしまうのか。それはAmazon Gamingsというスタジオがゲームを作ることに慣れていないことの他にも理由がある。MMO RPGというジャンルには魑魅魍魎が住み着いているのだ。

New Worldは基盤部分のシステムが低品質である以上に、膨大なバグ、Exploitが存在し、この一か月間で複数回のDupe騒動を起こしている。これらがNew WorldのPvE、PvPの双方に多大な影響をもたらし、「まともな」プレイヤーと、そうではないプレイヤーとの間に埋めがたい格差を生んでしまった。もちろんそれはNew Worldというゲームの質が非常に「悪い」ためであることは間違いないのだが、もしもこのゲームが20年前に出ていれば……いや、我々がMMO RPGの「記憶」を持たずにプレイできていれば、ここまでの騒動にはならなかったのではないだろうか。

何が言いたいのかといえば……僕たちは見たことがあるはずなのだ。今までプレイしたゲームで……いや、正直に言い換えよう。今まで僕たちが破壊してきたゲームの中で、似たようなバグやExploit、Dupeの手法を見てきたはずなのだ。

どこかで見たことのあるバグなのだ。どこかでやったことのあるExploitなのだ。そんなDupeの方法は猿でも思いつくやり方なのだ。手慣れたルービックキューブを弄る程度の労力で、僕らはNew Worldを壊すことができてしまった。

Amazon Gamingsには「まともな」プレイヤーしかいなかった。

RIP New World

今は30万人だが、おそらくここから先、New Worldの同時接続数は下落の一途をたどるだろう。春を迎えるころには……新作ゲームが発売されれば終わりを迎えるはずだ。

(プレイしているAdiri サーバーは敵も味方もLASTOASISの同窓会のようなありさまで、それらが一斉にQuitすれば大型クランはほぼ姿を消してしまうだろう)

それにしてもAmazon Gamingsはどうしてこうもダメなゲームばかりを作ってしまったのだろうか。変なコンサルに騙されたような作品ばかりで、スタジオ自体が閉鎖されるのではないかと疑ってしまう。

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