フィクションの世界で【短編小説】
感情移入しやすい僕にとって、「本」は嫌いなものの1つだ。
いや、正確には、作られた話、つまりフィクションの世界が、だ。
主人公たちがどんなに楽しい想いをしようと、主人公たちがどんなに凄いことを成し遂げようと、「終わり(この物語はフィクションです。)」の一文で全て無かったことになってしまう。全て「真っ赤な嘘」ということになってしまう。
もちろん作り話に嘘も何もないのだが、いつも物語を読み終えると、悲しい気持ちになる。
しかもこの世界には、「幸せ過ぎる話は大体フィクション