麹のちから

スーパーでは、お料理方法に合わせたスライス 肉が手に入り、ロース・バラの部位をよく目に するため、我が家のブタ肉の注文も断然、ロー ス・バラから埋まっていきます。
皆さんに、モモやウデをおすすめすると「どう やって調理したらいいのか分からない」という 意見を耳にします。(「薄いスライスだったら、 そんなに変わらないですよー」とおススメもし ますが・・・)
同じ 1 頭のブタのお肉。人気のロースやバラを 支えているのは、しっかりしたモモやウデ。い ろいろな部位を楽しんでいただきたいなぁと
そんな中、ダッヂオーブンや無水鍋、炭を使い こなし美味しくモモ・ウデを調理してくれる方 たちの感想を聞いたり、低温調理や煮込み料理 など手間やスキルが求められる方法でお店のメ ニューに加えてくれる飲食店さんがいたり、あ りがたいなぁと思う反面、どうやったら気軽に モモ・ウデを美味しく楽しんでもらえるか探し ていました。(個人的には、調理温度・時間さえ マスターしたらローストポークがおすすめ!)
本業は島外拠点のグラフィックデザイナーなの に、なぜか飲食店(季節に寄って変わる島の果 物と野菜を絞ったフレッシュジュースが売りで す!)を時々されている「せとうちのずかん」 (以下、「せとずー」)の河端さん。お店では我が 家のモモ・ウデ3mm のスライスを生姜焼き、豚 汁、しゃぶしゃぶに使ってくれています。先日 「美味しいキムチが手に入ったから、限定で豚 キムチやるよ~」と声をかけていただき、キム チ好きな私、エサ集めの途中に豚キムチ定食を いただいてきました。
3mm のスライスって、お皿の上でも薄切りとは 違った存在感です。口に入れると脂はサクッ、 赤身の部分はしっとり柔らか~ほんとうに美味 しい(≧▽≦)
メニューに我が家のブタのスライスを使う。と いうことで醤油麹に浸けこんだ時間ごとの食べ 比べにおじゃましたことがありました。3日間 漬け込んだ3mm スライスを食べ比べさせてもら

ったのですが、柔らかすぎて、歯ごたえも楽し みたい私には物足りなかったのです。あれから、 河端さんは、料理人で「せとずー」のお料理のア ドバイスをしてくれている方と試作を重ね、料 理する前日にお肉を醤油麹に浸けこむか、一晩 だけ醤油麹に浸けたら、それ以上柔らかくなら ないように冷凍しておく!という方法を編み出 したそうです。
麹と言えば、醤油麹より塩味がメインの塩麹の 方が使いやすいのかなぁ・・・料理好きの友人が ローストポークの下味に塩麹を使っていること は知っていたし、塩麹について、使っている方 に尋ねたり、調べてみました。
塩麹には、お肉のタンパク質を分解して柔らか くし、素材のうまみを引き出してくれたり、臭 いも消してくれる。優しい甘みも加えつつ、し っとりさせてくれる作用があります。おかげで 塩の量も控えることができるとか?!(デンプ ンを甘みに、タンパク質をうまみ成分のアミノ 酸に、脂肪も分解してさっぱりさせる効果があ るそうです)
実際に使う場合は、使う予定だったお塩を倍量 の塩麹に置き換えるのが目安。元々の素材の柔 らかさ、大きさも考え、薄いお肉なら 30 分程度、 3mm だと一晩、ブロック肉だと数日間、袋に入れ て冷蔵庫で漬け込みます。焼くときは糖分を含 んでいるので焦げやすく、サッと塩麹を拭き取 るか、お鍋などにカット野菜をひいて、その上 にお肉をのせて蒸し焼きにしている友人もいま す。(塩麹、カボチャの煮物などにも使えます☆)

2017年8月