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わたしのなかのハチドリの希望

◍ 今年も島ではオリーブの季節。猫の手も借りたいこの時期、オリーブ農家さんだけでは収穫が間に合わないので、お手伝いに来ている人たちがいて活気があります。

◍ 夫が腰痛で座るのも辛く、餌を炊いて、群れごとに用意だけしてくれた数週間(今は快復)、いつもの作業をすると草あつめが夜になってしまうこともあり、暑い季節だったので「逆に涼しくて作業しやすいかも」と思っていましたが、働きすぎて疲れが溜まったようで、2・3時間の睡眠でお肉のカットをしている日に動けなくなりました。

奪ったブタのいのち・お肉を無駄にしないために始めたミンチの販売ですが、スジを取り除くよりも、スジもついたまま煮込んでもらうほうがいい!と思い、簡単に取り除ける大きなスジのところは、今までどおりミンチにもしますが、細かな手間のかかる部分を中心に煮込んで使ってくれる人を探す努力をすることにします。

「(人間が食べきれない・食べることのできない野菜くずや食品残差を餌に)ブタを育てるのもいいけど、お米を作ったら?」と誘ってくれる方もいて、これから歳を重ねていくことを考えると、稲作に魅力を感じますが、まだまだ無駄になっている食糧がゴミとして処分される現状をどうにかしたい気持ちが強すぎて、今は、どうやったら長く続けられるか工夫しながら、ブタを飼えたらと思います。

無駄になる食糧が少なくなり、ブタの餌になる材料が集まらなくなったら、喜んで廃業させていただきます!

▤ わたしのなかのハチドリの希望

今の快適で便利な世界では、程度の差はあれ、地球に存在するだけで資源を必要以上に使い、ゴミや二酸化炭素を出し、気候変動にも加担してしまいます。気候変動は、地球に人類が、私たちの文明が存続できるか否かの危機で、最近の干ばつや洪水、秋なのに猛暑日。。。ときどき自分のなかの・・・地球を想う希望の灯が消えそうになります。

そんなときは、心に響いたり、誰かと共有したいと読みながら折った本のページをパラパラと読み返します。日本に南米エクアドルの先住民に伝わる物語『ハチドリのしずく』を紹介された辻 信一さんの著書『ナマケモノ教授のムダのてつがく』には…

動物行動科学者のジェーン・グドールは『希望の教室』のなかで『おそらく、私が最もよく聞かれる質問はこれです。「この世界には、そしてわたしたちの子どもや孫の将来には、まだ希望があると本気で信じているのですか?」答えはイエスです。』(略)
グドールは、楽観と希望の違いをこう説明する。楽観主義者は「大丈夫だ」と考え、悲観主義者は「うまくいきっこない」と考える。「それに対して希望とは、自分にできることを全部やって、うまくいくようにしようとする強い決意よ。」と。P151

 辻 信一『ナマケモノ教授のてつがく』

ちなみに、辻さんが紹介した『ハチドリのしずく』の物語は

森が燃えていました
森の生きものたちはわれ先にと逃げていきました
でも、クリキンディという名のハチドリだけは
いったりきたり
くちばしで水のしずくを一滴ずつ運んでは
火の上に落としていきます
動物たちがそれを見て
「そんなことをしていったい何になるんだ?」
といって笑います
クリキンディはこう答えました
「私は、私にできることをしているだけ」

物語「ハチドリのしずく」