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リアリズムを知る The reality of a humanity about Japanese comics.

日本の漫画はジャパニーズ文化とも呼ばれる。今回のかきあつめのテーマ #私を構成する5漫画作品  おススメ漫画をレコメンド!前回暴露してしまったが、実は私鈴きのは漫画家になりたかった位かなりの漫画フリーク。スクリーントーンもちゃんと使っていた。しかし何故か興味が無くなってしまい、漫画は殆ど読まなかった。やや世代がバレるが過去のベストセラー名作5作品レコメンド。良かったらお付き合い下さいませ。

1 サイファ 成田美名子

NYを舞台に双子の俳優が麻薬事件をきっかけに交互に学校と仕事に通う、とありそうで無い設定が秀逸。たまたま主人公の女子高生が自分が会っている人物は実は別人なのではないか?と気付くところからドラマは始まる。

成田美名子さんの絵の上手さ、美しさもさる事ながらNYの風景やリアリティが肌で感じられるのもまた魅力。NYってスピードが速くて人種が雑多、他人に冷たい、治安が悪い街・・このサイファを読んでいたのでいざNYに行ってみたら私は意外と平気だった。怖いとは思わなかった。すぐに馴染んだ気がした。街のインサイト本質をきちんと捉えていると思う。

一卵性双生児のソックリのイケメン俳優モデルの双子が麻薬中毒事件に巻き込まれて、学校を日替わり通学する、とゆうリアリズム溢れる展開を涙を誘う。
淡々としているようで、麻薬の種類の説明も分かり易く、絶対私はアンチジャンキー派!と決意を固めた。麻薬に人生を持っていかれては大損だ。

クライマックスの神回が沢山あって、読み返すといつも号泣してしまう。私の1番好きな漫画である。因みに最近ググってみたら成田さんはかの有名なウルトラマンのデザイナー関係者だそうで・・文学に匹敵すると言っても過言ではない作品の完成度の高さと絵の上手さ、一流漫画家が醸し出す作家成田さんご自身の余裕は、その辺りから来ているのかも知れない。

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2 キャプテン翼 高橋陽一


やはり外せないでしょう!生まれて初めて買った漫画だった。1巻は売り切れていたので2巻を買ったと記憶している。

ボールは友達!という翼くんの名セリフ。いつも歩くときサッカーボールを蹴りながら歩く。結構変わったガキンチョである。岬くんという相棒を筆頭に、どんどん面白いライバルや対戦チームが出て来てまたドラマを盛り上げる。私は気が強い苦学生、日向くんにハマった。蹴る力が強くて街路樹を折っちゃう登場シーンがまた凄い。どんな小学生やねん!あり得ないー!また何故かサッカーユニフォームをきちんと着ない癖が彼にはあった。半袖をたくし上げてノースリーブとして着てしまう日向くん。筆者鈴きのもマネをして体育の時間に日向たくし上げをしてみたら、速攻、先生にピーっと笛を吹かれて「体育着をちゃんと着なさい!」と怒られた事を思い出す。もしかして土方焼けが嫌だったのかな?意外とオシャレな日向くんなのであった。中学を出てすぐブラジル留学を果たしていまも最年長Jリーガーとして活躍する三浦知良選手を思い出す。三浦兄弟の2人はきっとブラジルでロベルト本郷に会えたに違いない。何ちゃって!!

3 花咲ける青少年 樹なつみ

※ネタバレ有

石油王の跡取り愛娘の令嬢、花鹿バーンズワースの婿探しの話。父は3人の候補を呼んであるから好きな男を選びなさい、と娘に指示。ワールドワイドのスケールの大きさは樹なつみさんならではの舞台設定。(サイバノイドが沢山出てくるOZも個人的には大好きなのだが。) 3人の候補の内訳は・・その持ち前の美貌で周囲を破滅させてしまう第1の刺客ムスターファ、アラブの王子様が第2の刺客、競合青年実業家が第3の刺客。インパクトと花鹿の距離感からすると第2の刺客ルマティ王子様に決まりそうな印象が一瞬するのだが、そこは少女漫画リアリズムの新骨髄。幼馴染のいつも頼れる近くの男、中国華僑のファン・リーレンを選ぶのである。父親のレコメンドは一切スルーされている。青い鳥現象とも言うべきか?遠くの幸せよりも身近な幸せを選択するなんてリアリストな主人公である。現実を直面視する事実を垣間見せてくれる。もしくは、はたまた子供は親の言うなりになってはならないと格言か?それこそ親離れ?

冒頭のシーンは日本の中学校に銀髪の少女が現れた!と大騒ぎになる。(銀髪って何??)読んでいて楽しい逸品である。

4 エリア88   新谷かおる

※ネタバレ有

日本の大手航空会社のパイロットが、親友の裏切りにより傭兵部隊に送られてしまう戦記もの。カルロス・ゴーン移送に協力したグリーンベレーみたいな組織というと分かり易いだろうか?私の実父新聞社会部記者が、この漫画は面白いと大人買いして来た作品である。子供心に、大人って全巻一気に帰るからいいなあと羨ましかった事を思い出す。早く大人になりたいなあ・・私なんてお小遣いから捻出してクライマックスの神回の巻から買ってるんだけど?漫画1巻から買った事ないっすと不公平に思っていた・・。ただネットの時代と違い、紙の冊子は重い。2回くらいに分けられて紙袋に包まれ、エリア88は我が家にお持ち帰りされて来た記憶が蘇る。(思えば便利な時代になったものだ。)

因みに飛行機などのメカニックのディティール描写の細かさがマニアにバカ受け、そして内容は少年漫画なのだが少女漫画の様にキャラクターが美形であるギャップが魅力的である。父もそう言っていた。

クライマックスの最終で、真は親友と対決し勝利。日本に帰国が決まる風間真。しかし過酷な傭兵時代の記憶は事故のショックで、PTSDすら無く全くプツリと覚えていない・・全て運良く真っ新に忘れてしまったという結末が印象的だった。真の美人社長令嬢の婚約者(逆玉)が逆境にも負けず、真の行方を捜し続ける姿も印象的。まさに愛されヒーロー主人公である。勧善懲悪作品とも言えるかも知れない。

5アーシアン 高河ゆん

同人誌コミケマーケットで圧倒的売り上げを誇ってからのプロデビューを果たした高河ゆんさんの代表作である。私は源平合戦をベースにした源氏も好きで実はこちらの作品が作家ゆん様との初出逢いなのだが、未完な様なのでこちらをレコメンド。インディーズでバズってからプロデビューを果たすと言う最近のネット文化をも彷彿とさせる漫画家さんである。大尊敬。良作は良作!才能は才能!どこの誰なんて関係無い!って事なのではないかと・・?

翼の生えた宇宙人(エデン)達が地球の存続を巡って、プラスマイナスのチェックをするべく地球へ赴くというSFファンタジー。エデンのチェッカーは天使の設定なので、翼は持ちつつも普段はしまっている。ベルリン天使の詩をちょっと思い出す。1人だけ突然変異の真っ黒な髪の毛に生まれた千早とエリートの影艶のコンビを中心にドラマは回る。ボーイズラブの走りでもあり、独特のゆん様ワールドが炸裂して目が離せない。キャラクター達が皆魅力的であるし、とっても情熱的。グイグイ引き込まれる。またオペラ歌手やバイオヒューマノイド、人体実験。テーマも壮大。あっという間に読み切るし、レコメンドすると大抵の人がハマってしまう。現在、ゆん様って何をされてるのかな?未完作品が多い作家さんなので気になってしまう。

以上でございます。

番外:火の鳥 手塚治虫

幼少時代に聞いた本当の話。漫画で読書感想文書いてもOKと言われた唯一の作品は「火の鳥」手塚治虫作だった。(現在、桜庭一樹さんの朝日新聞の連載でも話題になっていますね!)手塚さんはそもそも医師免許を持つれっきとした医師でもあるのだが、とある末期癌の某有名政治家が死の間際に「不老不死の薬ってないかなあ?」とボヤいた事が作品誕生のきっかけになったとの噂は根強い。火の鳥の生き血を飲むと不老不死になれる・・。物語中、凡ゆる人間の醜美が描かれる。テーマも幅広い。日本の歴史をベースに戦争や鉄腕アトムみたいな近未来、仏教・・等々。私が好きなのは輪廻転生をテーマにした尼僧の回。初めて読んだ時、奥が深すぎて、んぎゃーっ!とビックリした記憶がある。お手すきな際には皆さんぜひ火の鳥ご覧下さいませ。

ジャパニーズ文化漫画は奥が深い・・どの作品をレコメンドする事によっても自分の感受性と才能!?がバレますので皆様慎重にいきましょう・・フラれる原因にもなっちゃったりして・・いや逆に両想いV字回復もあり得るのだろうか・・?なんて単純にも・・私はそう思ってしまっている。考え過ぎ??

Textby: SuzukinoAyako  鈴きの彩子

編集:アカ ヨシロウ →

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