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#92 未来の扉を開くために   言葉はひとつじゃない。「ぼくたちだけの言葉」で語ろう

■まずは考えよう

冒頭の「ぼくたちだけの言葉・・・・」は、ドミニク・チェン(早稲田大学:情報学)が述べた言葉だ。

今日も高校で講演してきた。
講義のテーマは
「あなの未来はあなたがつくる」

日本と世界の現状を提示しつつ
「あなたならどう考え、どう動く? 未来は君達の手にかかっている」
と、投げかけるも生徒達の思いは総じて悲観的だ。

私の言い方が悲観的すぎたのだろうか。
いつものこととは言え、その場で語らせると悲観的な言葉が並ぶ。
毎度様です!

先が見通せない
変動的で予測がつかない
自分に何ができるか分からない
進学・就職の先に何があるのだろう。


未来のことなんて分からないと思うのは当然だ。
私にだって分からない。

でも、「何があるのだろう?」ではなく、自分を主語にして「私は~な未来をつくる」と考えてほしいのだ。
ないものは自分でつくる。
知識・知恵が足りないなら、自分で汗を流す。
そんな話をした。

講演会の勢いにまかせて、大学に戻ってからの講義も同テーマで迫ってみた。
残り30分間でレポートを書かせると、何も考えていないわけでないことがわかる。

まだ1年生で拙いながらも、SDGsの学びや実践に取り組んできた世代だけに、それなりの認識はある。

以下は、レポートから、さみだれ式に抜粋。

■ぼくらが未来の扉を開けるのだ

◆人口に関する未来は “ 予測 ” ではない。
紛れもない事実だ。
この10年で生まれた子どもの数を見れば、20年後、30年後の日本がどうなるかは明白だ。

◆2050年には総人口が1億人を割り込み、消費者の4割が高齢者になる。
社会や組織の活力が削がれることは目に見えている。
どうにかしなければいけないことはわかっている。

◆人口が縮小し、勤労世代は2040年には現在より1400万人少なく、しかも高齢化していく。私たちは支えていけるのか?

◆「産めよ増やせよ」の国策に対し両手を挙げて賛同できる政治体制になっていない。

◆私たちの20年後、30年後は労働者としてベテランになっている。
高齢者と若年者との狭間で働き方や関係性の構築方法も変わっているだろう。どう対応していけば良いのかイメージできない。

◆日本はDS、DX、ICTで「起死回生!」という言葉だけが踊る。
DX対応型のIT人材は数年内に230万人育成しなければならないというが、教育現場が追いついていないので未だ現実性に乏しい。

◆年寄りばかりで議論を重ねても似たようなアイディアしか出てこないのではないか。
私たち若者も積極的に議論に参加すべきだろう。

◆刹那的に生きているわけではない。
僕も考えている。

◆ヒット商品を生み出せとか、EC(電子商取引)をもっと活発化させようとか、既存知識と経験から過去の延長線上の未来を描き、現状維持(延命措置)を図ろうとすることに限界を感じる。
違う道を切り開きたい。

◆目先の増税、減税、外国人労働者の大規模受け入れの議論はされるが、それが未来にどうつながるか、具体的な方策や計画とその効果が示されていないため、どうも釈然としない。

◆「待ったなし」の気候変動と自然災害をどこまで食い止められるのだろう。
我が北海道は温暖化によって日本最大の米作地域となり、やがて、パイナップル、パパイヤ、ドリアンなどの熱帯・亜熱帯のフルーツも栽培できるかも?他地域は砂漠化する?

◆「カーボンニュートラル」は主要国が2050年までに実現することを国際公約した。未だ「努力目標」のレベルに過ぎない。
制度設計や技術革新への取り組みに多くの資金を投入できないほど、現在の経済は疲弊している。どうするニッポン!

まあ、こんな感じだ。
約80名の学生がいる授業なので、まだ読み切れていない。

批判・不満・不安や、目に見えている事実を述べるのは大いに結構。
今後は未来に目を向けて価値あるアイディアの創出を考えてほしい。

あなたはあなたの言葉でできている。
あなたの言葉が未来をつくる。

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