#129 面白半分日記22 声は武器になる
5、6年くらい前だったろうか。
コーチングの研修で「話し方」について学ぶ機会があった。
難しい話をしているわけではないのに妙に説得力のあるコーチだなと思った。
「コーチング技術とはいかなるものか」
と考えながら彼の話し方、表情、身振り手振りを観察した。
研修後、どこに気を遣っているかトレーナーに尋ねてみた。
彼の答えは「声」だった。
声質とか発声法という意味だ。
確かに・・・・
極端に低くも高くもない音。
例えば、ド(C)、レ(D)、ミ(E)あたりの音がいいとか、もっと高い音、低い音がいいとか、人によって好みに違いはあるだろうが、重要なのは自分の声帯から無理なく出せる音をいかに上手く響かせるかだと言うのだ。
よく歌手の「倍音」が話題になることがあるが、専門的なことはよく分からない。
もちろん話す内容が重要なのだが、声は強力な武器なのだと理解した。
適度なボリュームでよく響き、滑舌もテンポも良く・・・・と、総合力が高い人の話ほど身の内側にスーッと入ってくるわけだ。
例えて言うならアコースティックギターは木材の質がいいだけではダメだ。
音を響かせるボディーや音が抜け出るホールの構造によって響き方は違うし、それを生かす演奏テクニックも大切だ。
同じように、人の発声も生まれつきの声帯の振動数があって、腹式呼吸を使いながら、口腔内や鼻腔内で上手く音を調整・加工し、口を正しく開けて話せる人は、いい感じで声を出せるのだろう。
私にとっての収穫は、声が非常にデリケートな役割を果たしているということが分かったことだ。
私の声はそんなに良い声ではない。
長年、話すことを飯の種にしてきたので、腹式呼吸を使った発声はできている。
体育館でもマイク無しで声を枯らすことなく話すことはできる。
できれば福山雅治のような声になりたいが、それは無理というものだ。
なお欲を言えば、76歳の小田和正のように美しい高音を維持して歌えるような歌手でいたい。
いや、歌手じゃないし・・・・
私の理想は、アラレちゃんを作ったDr.スランプ こと則巻千兵衛博士(自称・天才科学者 ペンギン村村立大学理工学部卒)だ。
『北斗の拳』のラオウや『魔法使いサリー』のサリーちゃんのパパの声でもある。(声優・内海賢二)
私はプロの歌手でも声優でもないけれど、ボイストレーニングで喉を開く発声練習をすればいいのだろうか。
大学で授業をするようになって3年。
200~300人程度を収容できる大教室でもマイクを使わずに話すことが喉の調子のバロメーターになっている。
声の出し方を意識し、今日は上手くいったとかダメだったとか反省している。
時々、声がひっくり返って学生たちに笑われる。
もしかしてだけど、もしかしてだけど ♪
ヨーデル歌手の才能あるじゃないのぉ~ ♪
悲しいかな技術向上の速度より、加齢とともに声に艶がなくる速度のほうが早い。
声はカッサカサ、脂性だった肌もカッサカサ。
髪の毛はスッカスカ、財布の中身もスッカスカ(T_T)
つまらない声でも、発声できるだけ有り難いと思うようにしたい。
他の要素や技術を動員して味わい深さを醸し出せるといいのだが。