なぜ僕たちはこんなに忙しいのか?その理由を考えてみた
なぜ僕たちは、こんなに忙しくなってしまうのか?
「忙しさ」についてちょっと考えてみよう。(そんな状況を解決したいと思っている僕ですら、忙しさに悩まされているからね…)
なんで人が忙しくなってしまうかっていうと、いろんな理由があると思うけれど、
僕の捉え方は、
「すべてのつながりを、お金を介してやっているから」
だと思ってる。
人間が人間として生きるためにはいろんなつながりが必要だよね。
あたりまえだけど、生きることに必要なきれいな空気、水、食べ物は自然からもらってるよね。家、着るものはもちろん、電気やガス、ガソリンも恐竜の死骸から。再生可能エネルギーも、自然から。iPhoneだって、シリコン、貴金属、液晶と、すべて自然から得ている。そのつながりがなかったら、僕らはなーんにもできない。
そして一人では生きられないのもまた、人間(人は人の間って書くし)。友人との関係。ともに過ごす時間。地域の人たち、親戚と助け合って生きてる。
でもね、それを今はほとんど「お金」を介してやっている、というのが問題の根源だと思うんだ。そもそも水を飲むのにお金が必要。屋根の下で暮らすのにも。食べ物も、着るものも。友人との関係を築くにもお金が必要。遊びに行くにしても、カラオケに行くってなったらお金がかかるし、ご飯や買い物、娯楽などの交際費がかかる。新しいスマホを持ってないから恥ずかしくて、買っちゃう。それ以外にも、教育を受けるのにもお金が必要、子どもを育てるにも彼女をつくるにも、住居、食、教育、福祉、娯楽…生きること全てにおいてお金が必要だよね。お金がかかるから友達の結婚式に行かない…という人もいるらしい。それって寂しすぎる。
そんな状況で幸せに生きるには何が必要か? お金だよね。
日々、どんなふうに行動するのが一番合理的かっていうと「お金を稼ぐ」ことなんだよね。そうすることが、あらゆる方面とのつながりを維持して強化して、幸せに暮らすことにつながる。だから、みんなそういう行動をするわけなんだよね。
だから多くの人が、お金を稼ぐことに邁進して、結局なんのために働いているのかわからなくなってしまっている人も多い。
家族との時間を取れる豊かな未来のために今、死ぬほど働いて、結果的に豊かでなくなってしまったり、あるいは、いろんな物を所有することが「豊かさ」だと思い込んでしまって、本当の「豊かさ」に気づけなかったり。
かたや、経済という観点から見ると、どうやったら社会全体での売上(=GDPだね)が最大化するかというと、「どれだけみんなが孤立しているか」ということなんだよね。みんなが孤立している方がパイ全体が大きくなる。このゲームのルールは、そういうことなんだ。だからみんなどんどん孤立していく。
反対を考えてみるとわかりやすいから、グローバル経済に組み込まれていない生活をしている人たちを考えてみよう。
家は自分で建てる。水は井戸から、野菜は畑からとって、結婚式やお葬式もみんなでつくって開催して、おみやげは自分たちで編んだかごをあげて…っていう風に、あらゆることがお金なしでできる。資本主義経済が世界的に広がる前は、どの国もそんなふうに暮らしていた。(バリ島の人々の暮らしにそういう側面は多く残っているみたいだし、僕が住んでるいすみでも、比較的あまりお金に頼らずに暮らしている人がいるけど)
歴史を振り返ると、ここ1000年くらい続いている植民地化、帝国化、グローバル資本主義化は、自然とつながった暮らしを続けてきた人たちの自然とのつながりを奪っていって、「こっちの(お金を介した)暮らしの方がいいですよ」って、世界中のあらゆる地域の人の暮らしをお金を介したしくみに取り込んでいく流れだったんだよね。
でもね、僕も知らなかったし、みんなもまだ知らない人が多いと思うんだけど、究極、お金がなくても生きていけるんだよ。それって、ものすごい安心感。ヤバいな、俺何でもできるぜ!っていう全能感すらある。
食べ物は、目の前で育ってる。育て方も知ってる。貯蔵もしてるし、保存食の知識もある。いろんなことを相談できる先輩がいる。不安や喜びを共有できる友達がいる。生きることに繋がる学びがある。自分を表現する。自分の暮らしと社会がいいところになる活動を友達と楽しくやる。
もちろん、現金でしか手に入らないモノやサービスもたくさんある。お金というシステムによって恩恵もたくさん受けてる。(僕だってたまにはタクシーに乗りたいし、海外旅行にも行きたい)
けど、人生を、自然からとか、友人との関係から、豊かに幸せに生きていける仕組みがベースに置くか? お金という仕組みがベースに置くか?はものすごく大きな違いだと思う。
お金に依存しすぎると「お金がなくなるんじゃないか」とか、「自分の今のライフスタイルを維持できる給料を稼ぎ続けられるのか」という風に、将来への不安が大きくなるんだよね。それが、人が忙しくなってしまう、大きな理由なんじゃないかと思う。
お金への依存度を減らすには?
そもそも、昔は今お金で解決できることを、「つながり」によって解決してたんだよね。
昔は、仕事をすることで近所の人と仲良くなっっていたり、あとはお祭りをすることにも多様な意味があったんだよね。お互いにお互いの物を買う、「友産友消(ともさんともしょう)」もそのひとつ。
経済ってのお金の総量が問題なんじゃなくて、お金の流れが問題。
だから、家は友達の不動産から買う、ものは直してくれる友達に頼む、そうやってみんながお互いにお互いのものを買うようになると、普通より収入が少なくても、心を痛めるグローバル経済からみんなで抜け出すことができる。
そうやって地域の経済圏でお金が循環するようになると(=ローカル経済)、顔が見える人との、心が豊かになるやりとりのなかでお金がもらえるようになる。
しかも、そこでの関係ができると、困ったときに物を貸し合ったり、災害のときに助け合ったりできるようになって、お金だけじゃない価値も付随するようになるんだよね。僕の知り合いには、そんな風に楽しく周りの人のために服をつくっている人がいる。
でも、一応言っておくと、お金はやっぱり便利だから、「お金のない世界をつくりたい」と言っている訳ではないんだよね。
「心が豊かになる経済」「人間を取り戻す経済」をつくることで、お金を介したつながりと、お金を介さないつながりのバランスをとるのがいいと思ってるんだ。
まさに「いかしあうつながり」が、忙しさから抜け出すひとつの鍵になるんじゃないかな。
とかいいながら、僕もなんだか忙しい。 僕はここ数年、お金に依存するシステムから、依存しないシステムにシフトを試みているけど、子どもがお金がかかる時期に差し掛かってきてるから、「お金が必要」プレッシャーが増えてきてて、悩ましい。チャレンジはつづくよ。
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