見出し画像

第17回世界剣道選手権大会 男子団体決勝 日本vs韓国を徹底分析してみた!

前回に引き続き、9月16日に韓国の仁川市で行われた第17回世界剣道選手権大会、男子団体決勝日本vs韓国の分析ブログをやっていきたいと思います!

実は一度この記事をアップしたのですが、操作ミスによって記事が削除されてしまいました!

消えてしまったものは仕方がないので、今回は「徹底分析」という形で前作よりも気合を入れて作りますので、ぜひ最後まで読んでください!

「第17回世界剣道選手権大会 女子団体決勝 日本vs韓国を分析してみた!」のブログをまだ読んでいない!という方はそちらも読んでいただければと思います。

さて、早速男子決勝の徹底分析に入っていきたいと思いますが、ここに書くことは全て私の個人的な分析であることをご了承ください。

決勝戦、面白い試合でしたね。

結果的には2-1で日本が韓国を破り、韓国開催というアウェーの中、大会連覇を達成したわけですが

ツイッターを見ていると、皆さん様々な意見を持たれているようです。


まずは両チームのメンバーを確認しておきたいと思います。

   日本   vs  韓国
先鋒 前田康喜  - Byung Hoon PARK
次鋒 星子啓太  - In Beom PARK
中堅 竹ノ内佑也 - Kang Ho LEE
副将 西村英久  - Man Uk JANG
大将 安藤翔   - Jin Yong JO   (敬称略)

先鋒戦から順に振り返っていきたいと思いますが、まだ試合を見ていないという方は、まず下のリンクから試合を見ていただくことをオススメします!


先鋒戦 前田康喜(JPN)-Byung Hoon Park(KOR)

立ち上がりはお互いに落ち着いた入りだったと思います。

しかし、開始約1分後に試合が動きました。

韓国のPARK選手が、前田選手の引いたところでを決めました!

PARK選手は勢いがありましたね。前田選手も受ける態勢はできていましたが、上から乗られたような面打ちでした。

決勝戦までは大差で勝ち上がってきた日本もこの一本でスイッチが入ったように感じます。

その直後、前田選手がを取り返しました!

副審一人は旗を上げていませんでしたが、相手が前に出てきたところをしっかりと捉えました。

ひとつ気になったことがあったのですが、PARK選手が倒れたところで前田選手が起き上がらせようと近づいたところ、主審がやたらと前田選手を追い払っていましたね。

相手の選手を起き上がらせようと、選手が手を差し伸べるようなケースはよく見ますが、審判がそれを追い払っているのは初めて見たので少し驚きました。


試合の中で日本のチームメイトからしきりに「前で!前で!」という指示が出ていたことに気付いたでしょうか?

韓国のPARK選手もかなり力のある選手だと思いましたし、一本目に前田選手が下がったところで一本取られてしまったので、そこに対するアドバイスだったと思います。

試合はそのまま1-1で引き分けでした。 


次鋒戦 星子啓太(JPN)-In Beom PARK(KOR)

続いて次鋒戦。

星子選手は私と同じ学年なので、自分と同世代の選手が世界の舞台で戦っていることを誇りに感じながら応援していました!

立ち上がり韓国のPARK選手はかなり強気で来ましたね。

ホームでの開催だけに負けられない気持ちは日本と同じだったと思います。

試合中盤、星子選手の小手が決まりました!

PARK選手が面にきたところに星子選手が小手を合わせたような形になりました。

動画で見た感じ、完全に面ありですね…。

会場で見ていた方からはどのように見えたのでしょうか。

日本からするとラッキーな一本。韓国は少しかわいそうでした。

結果論ですが、次鋒の一本勝ちが日本の勝ちに繋がりましたね。

その後会場からはブーイングのような声もありましたが、星子選手落ち着いていました。さすがです。

そのまま一本勝ちで次に繋げました。

中堅戦 竹ノ内佑也(JPN)-Kang Ho LEE(KOR)

次鋒戦の誤審とも言える一本があったので、予想通り韓国のLEE選手はかなり強気で来ました。

試合開始約1分、竹ノ内選手がを決めました!

離れたところから歩み足で入っていって、相手の出てきたところで面。

完璧でした。

相手が感情的になっている場面で、落ち着いて確実に決められる力。竹ノ内選手の強さが目立った場面でした。

その後もLEE選手の強気な姿勢が目立ちました。

審判に強くアピールしたり、ジャンプ面を繰り出したり。

見ていてあまり気持ちのいいものではありませんね。

竹ノ内選手はLEE選手の攻めにしっかりと対応し、一本勝ちを収めました。


副将戦 西村英久(JPN)-Man Uk JANG(KOR)

2-0という有利なスコアで迎えた副将戦。

引き分けで勝ちなので、一本取られないようにきっちり相手の攻めに対応しながら、チャンスがあれば狙っていくという戦略がベターでしょうか。

しかし、韓国の選手もここは一本取らないと負けが決まってしまうので、必死で取りに来ることが考えられましたね。

初太刀の西村選手の小手打ちが印象的でした。

打った後も相手に素早く近づき、打つ間合いを与えませんでした。

相手が強気で来ると思われる初太刀で、このような気持ちの入った打ちをすることは、一本にならないとしても、相手に流れを渡さない上で重要だと思います。

その後も落ち着いて試合を運んだ西村選手。

開始約1分30秒で引き面を決めました!

動画で見ていると微妙な感じもしましたが、つばぜり合いで相手の気が抜けたところをしっかりと捉えたいいタイミングだったと思います。

これでかなり有利になった日本。

もちろんこのまま一本勝ちでも勝ちですし、仮に一本取り返されて引き分けでも勝ちです。

正直、私もここで勝ちをほぼ確信しました。

しかし、ここからの韓国が強かった…。

直後、韓国のJANG選手がを決めました!

JANG選手が面に来たところを西村選手が出小手を狙いました。

動画で見ていた時は完全に小手だと思いましたが、面に上がりましたね。

高身長のJANG選手に上から乗られてしまったかもしれません。


取り返された日本。

チームメイトからは「大丈夫大丈夫!」「集中!集中!」と応援の声が聞こえました。

韓国も必死の応援。JANG選手が惜しい打ちをすると、会場からも大きな歓声が上がっていました。

すると、続けざまにJONG選手が引き面を決めました!

西村選手はJONG選手の打とうとしたところで、引き小手を狙いましたが上から乗られてしまいましたね。

その前にJONG選手が2本続けて引き面を打っていたので、そこを狙いにいったのかもしれませんが

相手が取りに来ている場面で安易に引き小手を狙うのはかなりリスクの高い選択だったと思います。

とはいえ、苦しい状況から挽回したJANG選手は素晴らしいと思います。

韓国は大将のJO選手に望みを繋げました。

大将戦 安藤翔(JPN)-Jin Yong JO(KOR)

いよいよ大将戦

個人戦で優勝に輝いた安藤選手の相手は、個人戦準優勝のJO選手。

団体決勝の舞台で再び対戦です。

このときスコアは2-1で日本がわずかにリード。

引き分けで勝ち。一本負けで代表戦という、どう転がっても不思議ではないスコアでした。

会場からは大きな歓声と拍手。この一戦に目が離せないという空気が伝わってきました。

試合途中に、おそらく応援の注意と思われるアナウンスも入りましたね。

安藤選手がつばぜり合いから間合いを切ろうとしないと、会場からはブーイング。アウェーの雰囲気が強かったですね。

試合中盤、JO選手のあご当てが外れ、面をつけ直しました。

JO選手はゆっくりとつけ直し、この辺りの時間の使い方も上手いなと思いましたね。

仕切り直しで「始め!」の声の直後、安藤選手がを決めました!

JO選手が小手を打って中途半端な間合いで止まったところ、見事な小手返し面で一本取りました。

しかし直後にJO選手が引き面を取り返しました!

動画で見ている限り、軽い打ちのようにも見えましたが、ここは会場の空気、試合の流れもかなり影響したように思います。

これで1-1。さらにもう一本取られれば、代表選にもつれ込む展開です。

JO選手が場外反則で試合が止まった時、日本のチームメイトから「反則ないから大丈夫!反則ないからくっついとけばいい!」という声が聞こえました。

このアドバイスの意味するところは正確には分かりませんが、くっついていても反則にならないということはないと思うので

おそらく安藤選手はまだ反則をひとつももらっていないから、一回反則を取られても大丈夫、という意味か、

もしくは、今大会の審判の傾向を見て、こういう部分で反則は取られないから大丈夫、という意味かどちらかだと思います。

また、韓国のJO選手が試合の途中しきりにタイムをかけることに対して「韓国のやり方は汚い」などといった意見も見られました。

たしかに、あるべき剣道の姿としてどうかという問題はありますが、それは審判が判断すべきことであって、もしそれが許されないとすれば、審判が反則をとればよいと個人的には思います。

戦略的には非常に賢いと思います。タイムを取ることで休憩をして、次のチャンスに備えるという感じですね。

安藤選手も相手に打つ間を与えないように、間合いを切らず時間を使っていたわけですから、韓国だけが悪いとは言えないでしょう。

勝負の世界ですから、これは仕方がないことのように思います。

JO選手がテーピングか何かでタイムをかけたときは主審も渋い顔をしていましたけどね。

JO選手がコートの外に出て処置をしようとしたときには”Inside! (中でやりなさい!)"と主審が言っているのが聞こえました。

安藤選手はなんとか逃げ切り、結果は引き分け

2-1で日本の優勝が決まりました!!


まとめ

以上、第17回世界剣道選手権大会 男子団体決勝 日本vs韓国を徹底分析してみた!でした。

今回、日本代表は男子個人、男子団体、女子個人、女子団体の全部門で優勝を勝ち取る素晴らしい成績を収めました!

本当におめでとうございます!!

選手の皆さんは相当なプレッシャーの中、強い覚悟を持ってこの世界大会に挑まれたと思います。

今大会もこの大きな舞台で熱い戦いを繰り広げ、感動を与えてくださった日本代表の選手の皆さんには感謝の気持ちでいっぱいです。

また、毎大会実力を伸ばし、日本との熱戦を展開した韓国の選手にも大きな拍手を送りたいです。

選手の皆さん、お疲れさまでした!

剣道ファンの皆さん、また3年後、次はパリでの第18回世界剣道選手権大会が楽しみですね!


最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

まだ「第17回世界剣道選手権大会 女子団体決勝 日本vs韓国を分析してみた!」を読んでいない方は、ぜひそちらもご覧ください!

#剣道 #kendo #頑張れ日本剣道代表 #17wkc #世界剣道選手権大会 #世界剣道


支援していただいたお金はYouTubeの活動資金として使わせていただきます。よければ支援お願いします!