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アカペラ育ち

先日、ウルトラ寿司ふぁいやーさん主催ライブ『俺たちアカペラ育ち、ハモッてる奴らは大体友だち』が開催された。
会場のライブハウスは超満員、大盛況のライブとなった。我々コガラシガーナとしても、今までのライブで一番と言っていいくらい楽しいライブだった。出演者の中で唯一の『お笑い芸人』という役目が果たせたのかは定かではないが、果たせたと信じて過ごした今日までは幸せだった。だからこれからも果たせたと信じて生きていく。声をかけてくれたウルトラ寿司ふぁいやーさん、出演者の皆さま、ご来場のお客様、誠にありがとうございました。

ウルトラ寿司ふぁいやー(敬称略)のメンバーの中では、ツインボーカルのしょーりんさんとJぺいさん、サックスのまじきちさん、キーボードのなめちゃんの4人が学生アカペラ出身、つまりアカペラ育ち。なめちゃんは同期で他の3人は先輩にあたる。彼らとの出会いは、大学時代に遡る。

私は『早稲田大学アカペラサークルChoco Crunch(チョコクランチ)』というサークルに所属していた。高校までは丸坊主で野球に明け暮れ、受験期に少しだけ髪を伸ばし、伊勢谷友介に憧れ、音楽経験は全くなかった。しかし「ハモネプかっこいい!ゴスペラーズかっこいい!」というアカペラへの浅い好奇心だけは持っていた。そんな鈴木エイティーン・イヤーズ・オールドの目には新歓と居酒屋バイトにありがちな「未経験者大歓迎!」の文言の虚偽は見抜けない。買ったばかりのiPhone5にLINEとTwitterをインストールし、取捨ままならぬ情報群に踊らされながら入会した。鈴木は踊る、されど・・・

そんなこんなで始めたアカペラ。「未経験者大歓迎!」の看板に偽りなく、自分のような運動部出身者はサークルに多く在籍していた。始めてみると楽しいもので、4年間のほとんどの時間をサークルに費やした。『ハモる』感覚は『空気を読む』感覚に近い。相手の声を聴きながら自分の声を適切なピッチで、大きさで、ニュアンスで、沿わせていく。ウルトラ寿司ふぁいやーのアカペラ出身者4人に比べると私はテクニック面では雲泥の差、もちろん私が泥、雲を目指してデイバイデイ、の4年間だったが野球で鍛えたパッションだけは絶やさず過ごしたおかげかたくさんの友だち、お知り合いができた。ウルトラ寿司ふぁいやーの上記御四方もそれぞれライブやイベントで知り合った。今こうして同じライブで相見えることになるとは。まさかまさか、ありがたいご縁に感謝。
令和は英訳すると『Beautiful Harmony』。アカペラ育ちのための元号と言っても過言ではない・・・否、やや過言か。令和元年となる今年は『アカペラ育ち』というつながりで出会った友だちやお知り合いと、楽しいことができたら、いいなあ。

鈴木は踊る、されど進まず・・・否、少しばかりは進みのある4年間だったのではないか、と思っている。アカペラをやっていてよかった。自分の選択を自分で肯定できる、めでたい人間である。

話をライブに戻そう。コガラシガーナ with ウルトラ寿司ふぁいやーのコラボコントはぜひ見てほしい。お笑いライブでコント中に使用する音は、事前に会場の音響オペレーターさんに使用音源のCDを提出し、コントの流れに合わせて再生してもらうというのが通例。しかしこのコントはコント中の音を全て生バンド演奏でお届けしている。コンビ2人+バンド7人=合計9人の大所帯。またどこかのライブでやりたい。楽しかったなあ。

ウルトラ寿司ふぁいやーさんの楽曲『全てはエンターテイメント』のラップもやらせてもらった。楽しかったなあ。

私が大学でアカペラを始めたこと、芸人を目指したこと、それらに相関性は全くなく、自信も理由も無かった。しかし「やってみたい」という好奇心に従った結果ありがたいご縁に恵まれ、こうして楽しくライブを行うことができた。

そういえば高校時代の担任であり野球部の顧問だった恩師は「根拠のない自信が最強だ」と言っていた。その話自体に根拠はなかったが野球部なので「はい!!」とデカい声で返事をしていた。高校の野球部を引退して5年9ヶ月経った今考えてみると、根拠のない自信は『好奇心』と言い換えられるのかもしれない。好奇心に従うと『好き』というエネルギーを原動力にどこまでも走り続けることができる、だから最強だ、と恩師は言いたかったのだろう。

好奇心に従い、好きをエネルギーに走り続けること。これからも大事にしたい。私はラーメンが好きなので早稲田にある『RAMEN GOSSOU』のらーめん(燻製チャーシュートッピング)をエネルギーにして参ります。

おひとつよろしくどうぞ。

大きくて安い水