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ヘリコプターマネーでなぜ悪い。1.第三次産業革命へ。

私は、現在の急激な社会変革の波を理解するために、いろいろな本を読んだ。

その中で注目したのは、経済学者のジェレミーリフキンの著作である。
「スマートジャパンへの提言。日本は限界費用ゼロ社会に備えよ」、「グローバル・グリーンニューディール」、「限界費用ゼロ社会」の著作について、アマゾンにレビューを書いたのを記憶している。

とりわけ、グリーンニューディール政策には心動かされた。
それは、風力、太陽光発電施設を、国がグリーンニューディール政策によって建設し、初期投資を国が負担すれば、風力、太陽光発電は燃料費ゼロで発電できるので、電気料金が安価ないしほぼゼロに近づくということだ。

つまり、国がグリーンニューディール政策で建設した風力、太陽光発電施設から、ほぼゼロの電気が、家庭、工場、鉄道会社などに供給できる。

私は、「スマートジャパンへの提言。日本は限界費用ゼロ社会に備えよ」という本の中で、ジェレミーリフキンが中国に招聘された部分を読んで大いに驚いた。

「これは何もEUだけの話ではありません。中国でも非常に興味深いことが起こっています。

2013年に李克強首相と習近平主席が就任した当時、私は中国と仕事をしたこともなければ、中国に行ったこともありませんでした。
それが驚いたことに、公表された李首相の公式な経歴のなかで、私の著書『第三次産業革命』を読み、国家発展改革委員会と国務院とに速やかにその内容‥‥‥‥を履行するように指示した、と書かれていたのです。

中国の動きは実に速やかでした。

その後、私は中国指導部をたびたび公式訪問するようになりました。
その初めての訪問から11週間後に、国家電力部門の長は、新たな5カ年計画に820億ドルを投じて中国の送配電網をデジタル化すると表明しました。

中国の何百万もの人々は、中国の企業からテクノロジーを購入し、それを使って太陽光と風力による電力を自前で作り出し、余った電力は新たに誕生する電力インターネットに送り返すことができるのです。

これはものすごいスピードで現実化されています。」
(74.75ページ)

つまり、中国政府の認識として、第三次産業革命は、中国を社会主義国家から共産主義社会に移行させるのに必要不可欠な変革だと読んでいて、既に日本のはるか先に進んでいるということだった。

それに対して、日本は25年のデフレで、経済活動は停滞し、第三次産業革命から取り残されつつある事に、私は気づいたのである。

ただでさえ、日本製品が、中国製品に対して価格競争力がなくなっているのに、この上、中国がグリーンニューディール政策で、電力コストほぼゼロを達成し、この再生可能エネルギー由来の電気を中国国内の工場に送ったら、コスト面で、日本が中国に対して極めて不利な立場に立つことは明白である。

私が考えたバランスシートの分割の意義は何か?それは、究極的に企業の減価償却費を皆無にすることである。

既に、財やサービスの生産のために、電力コストをほぼゼロにする道筋はついた。
再生可能エネルギーを利用して稼働する自動運転車、3Dプリンター、ロボット、AIなどによって労務費をゼロにする道筋はついた。

あと、生産財、たとえば3Dプリンター、風力、太陽光発電施設などの減価償却費をゼロにする道筋をつければ、初期投資を気にすることなく投資ができる。

もし、風力、太陽光発電施設、蓄電施設の初期投資を何らかの方法によってゼロに近づけることができるなら、安価な電力の利用が今すぐ可能になる。

この道筋をつけることが、私のブログの役割だと思っている。

もし、これが実現されれば、日本の第三次産業革命は急速に発展するだろう。

まず、風力、太陽光発電施設の減価償却費をゼロにする仕訳を、次章で考えてみよう。

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