見出し画像

終章、戦略策定の手順。

戦略策定において重要なのは、5W1Hをはっきりさせることである。
いつ、どこで、誰が、なぜ、どのように行うのか?責任者は誰か?をはっきりさせる。
特に重要なのは、いつまでに行うのか?という期限を明確にすることである。
期限が明確でなければ、最も早く仕事を完了した人間が、最も遅い仕事をしている人間の意思決定が出るまで、手待ちでいなければならない。

戦略の策定は最終的に、トップレベルが決断するのであるが、場合によっては、その決定に不服の人もいるかもしれない。
しかし、どのような決定においても、八方丸く収まるというわけではない。
誰かが傷つくことを恐れて、決定をためらうなら、それは失態というべきである。
そして、決断の延期は、しばしば決定の断念に繋がる。

誰にとっても変化は嫌なものである。世の中に変化を好む人間は多くない。
日本人は内向きだから、その傾向はさらに強くなる。
リーダーは、もし変化が必要だと心の底から思うのなら、大いに変化を愛すべきである。
そのようにリーダーが変われば、組織も変化を愛するようになる。

情報は思考の産物である。情報を分析する人間が、正しい経済モデル、経済的思考を持っていて、初めて、その情報の意味するところが判明する。
私は、公認会計士であるから、新聞記事の些細な情報から、非常に重要な問題を発見することがある。
しかし、経理の専門家でなければ、その情報の意味するところは、理解できないかもしれない。

これからの日本では、昔の職人のように、有能な親方の元に弟子入りして、腕を磨きながら流浪し、自分の居場所を見つける、という世界になるのだろう。
これが正常なのではないだろうか?一つの企業で一生を終えるという生活は、これからなくなっていくような気がする。

次に重要なのは、新規のプロジェクトには、有能な人材を集中的に投下することである。

ーーーー
企業が新店舗なり新工場を建設する時、企業は最高のその道の専門家を集め、仕事をさせる。
二流の人材に、そのようなリスキーな仕事をさせるということはない。

ーーーー
戦略策定にあたり、その道の専門家には計画案を提出させるべきである。文書にして提出させ、どのような結果が出せるのか?を確認しておかねばならない。

そして、仕事の終了時に、トップは、計画案と仕事の結果を照合しなければならない。
そして、計画案と仕事の結果が合致した場合、所定の報酬を払い、そうでない場合には、報酬を減額する。

また、計画に当たり、費用は正しく見積られねばならない。
あるプロジェクトに投下された現金支出額以上の、現金収入額が得られるプロジェクトのみを裁可する。

プロジェクトや仕事には必ず優先順位を付ける。最も少ない犠牲で最大の効果を上げるプロジェクトや仕事を優先的に片付ける。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?