三匹が行くコロンビアの旅(13)帰途に就く

<20XX年2月17日>
 朝4時に起床。例によってメールチェック。ただし、ボゴタではこれが最後となる。ある現場で、リーダーに対するネガティブキャンペーンが張られているという話。日本はそれなりに忙しい…。
 朝7時に出発するという話だったがすでにその7時。だが、だれも準備できていない…。ルピタはまだ寝ている。唯一、フリエータだけが約束通り到着し、準備ができている。
 7時半、近くのベーカリーで買ってきたパンとスープで朝食をとり、8時半ごろになってようやく出発。1時間ほどでエルドラド国際空港に到着した。

 LATAM航空のチェックインカウンターを探すのに少し手間取る。LATAMはチリの航空会社で、南米有数の会社とのことだが、全く聞いたことがなかった。何度かコロンビアに来ているのに、1度も見聞きした覚えがない…。
 チェックインしようとしたところ、スーツケースの重量が偏り過ぎていることが判明。床にお店を広げ、重いスーツケースから軽いスーツケースに荷物の移動。ようやくチェックインを済ませると、予定より大幅に遅れて到着しただけに、カフェなどで一息つく時間はなかった。すぐに出国審査へ向かうことになる。
 出国審査場入り口の前で、お別れの挨拶。1年に1回はコロンビアに来たいと思うが、実際には難しい。次に来るのは2年後か3年後か。あるいは、ドン・ネストルとドニャ・クラウディアが来日するかもしれない。彼らの年齢を考えると、地球の反対側まで旅行するのは年々難しくなるはずだ。アレクサは例によって涙ぐみながら、特にフリエータとは名残惜しそうに別れのあいさつを交わす。アレクサにとってフリエータは、母親代わりのような存在の長女アナに接する場合と少し違い、すぐ上の姉ということもあり、小さい時はよくケンカしたらしいのだが、大きくなって離れて過ごす時間が多くなるにつれ、相手がいないと寂しいと感じる、ということにお互い気づき始めたらしい。アナが母親代わりなら、フリエータは親友のような存在になり始めたというのである。3人姉妹というのは面白いものだ。

 10時半、アレクサ、ルピタと共に搭乗ゲートへ達したころには、もう搭乗が終わりそうで、最後の搭乗グループに近かった。
 11時過ぎ、LATAM航空4402便はエルドラド国際空港を離陸した。

 12時半ごろ、来た時と同様、サンドイッチとフルーツの昼食が出て、Jetチョコレート付きであった。コーヒーを頼むとJuan ValdezのカップでServeされたところを見ると、まさにコロンビアという感じであった。名残惜しい。

 午後3時少し前、最初の経由地、マイアミ国際空港に到着した。
 入国審査に長蛇の列。見ると、窓口が3つくらいしか開いていない。とりあえず並び始めたものの、途中でルピタがトイレに行きたいと言い出し、一度列を抜けてトイレを済ませてから再び並び直したため、さらに時間がかかる。
 ようやく審査を終えてBaggage Claimまで来ると、われわれのスーツケースがすべて出されていた。やむなくトロリーを有料で借りて(9ドルでいいのだが10ドル札しかなく、お釣りは出てこない)、Connection Deskを探すが、案内表示も見当たらずわかりづらい。
 エレベーターで2階のDepartureエリアまで行き、ようやくDeltaのチェックインカウンターを見つける。手荷物検査のためにまたしても長蛇の列に並んで時間がかかり、ルピタは水が飲みたいと言って泣き出す。

 午後6時、搭乗ゲートのそばにあるQuiznos Subでサンドイッチとサラダにありつき、ひと息つく。マイアミ到着からここまでですでに3時間かかっており、乗り継ぎに5時間は長いかなと思っていたが、なんのなんの、余裕があってむしろ助かったという感じ。

 午後7時45分、搭乗開始。清掃作業の関係で予定よりも搭乗開始に遅れが出た。そしてニューヨークに向け出発。

 夜10時40分、ニューヨークのジョン・F・ケネディ国際空港到着。
 もしやここでもすべてのスーツケースをピックアップする必要があるのかもしれないと思い確認すると、グリーンのソフトスーツケースを発見。しかし他のスーツケースは出てこない。近くのBaggage Serviceで尋ねてみると、間違いだという。グリーンのスーツケースを引き取ってもらい、後は成田まで直行するという。
 零時、TWAホテル着。なんだかんだでこの時間になっている。ニューヨーク到着が夜になることが分かっていたため、空港に近いホテルを探して少々紆余曲折があったが、60年代の空港を模したこのユニークなホテルを選ぶことになった。ホテルまでの徒歩移動で若干外気に触れることになり、この時期の夜のニューヨークはさすがに寒い。寝ぼけていたルピタも一時的に目を覚まし、「はやくホテルに行く」とぶつぶつ言っている。
 午前1時過ぎ、就寝。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?