残業終わりに映画ヒロアカ見たら色んなもんがPlusUltraしてた


残業終わりの渋谷にてスマホを見ればあと十分で始まるヒロアカ映画。
間に合うか間に合わないかじゃねえ、大人しく帰るくらいなら有意義な時間取り戻してやるぜ!!っつってみることを決め、猛ダッシュ。
良い時間を過ごせました。

ネタバレ在りの酷い妄言しかないのですが(ホントに酷い)、同志が読んでくれれば幸いです。






映画観る前Vaundyでしかないのに、映画で聴いたらヒロアカ feat. Vaundy

Vaundyが作った気持ちいい音楽に合わせて、意味わかんないけど気持ち良すぎる言葉が羅列された歌詞に納得させられてしまう、いわばVaundy節のよく効いた主題歌を聴いて、曲がリリースされた直後、正直「これだいじょぶか?」と心配でしかなかった。

VaundyについてはROKIN' JAPANでインタビュー載ってたら有無言わさず次のターンで購入済みになってる大好きなアーティストで、通勤退勤、街を歩く時だって聴いてるし、ネットインタビューも日々漁っているんですが……。だからこその、どうなるの??でした。

一方で。「君はヒーローになれる!」エピソードから早10年。こちらも大好きでずっと見守ってきたヒロアカ。

目をつぶっても記憶を失っても聴けばVaundyだと分かってしまうこの曲が、果たしてヒロアカの画と流れた瞬間、俺はVaundyとヒロアカを綺麗に包みあげ、二つの異なる味を消し合うことなく味わえるのか?と。

まあ結果は言わずもがな、めちゃめちゃ杞憂すぎて泣いた。もうヒロアカのVaundyだったし、Vaundyのヒロアカだった。二人はプリキュアで、どっちかがかけたら変身できないんだった……。曲かかった瞬間の、全身が粟立つほどの格好良さでデトロイトスマッシュされて、もはや唖然とするしかなかったです。最高、ありがとう。

しかもジュリオがバイクで高速かっ飛ばすシーンの切り替えと曲の入りがかっこよすぎてYoutubeでも繰り返し見てるし、何なら二回目観に行っちゃったよ。なにより

大音量で聴くVaundy最高だなァ!!!

画面と曲にくぎ付けされた目と耳が大忙し。毎朝通勤時に聴いてる「ホムンクルス」が、はじめて聞いた曲みたいに俺の脳天を貫く。あの時ばかりは、気を使って「モソ……モソ……」とポップコーンを食べてくれる善人たちの気遣いの音さえも聞こえなかった。(この気遣い大好きです、もそもそ食べてくれる人愛してるぜ……!)

デカい映画館のなかで、完全に俺とヒロアカとVaundyだけの世界に対峙していた。
あの画に対してあの曲しかありえないし、あの曲に対してあの画しかありえない。この二つの相互作用が乗算されていい意味での鳥肌しかない。なにこれ、ほんとなにこれ。

それでいて「Gift」!!!!!!!
この曲凄い好きすぎるので、Spotifyで聴いてエンドロールに流れる様子を夢想してしまったよね無条件で。実際最後にこの曲がかかってくれたとき、観てよかった、と重ね重ね思えてしまった神曲。

昔の、娯楽がほとんどなかった時代に、みんなで笑ったり泣いたりした温かみの或る映画館で見る、大団円ロマンス映画を見た後の気持ちにさせてくれる曲。新曲のはずなのに懐かしさが胸に響いて、これも鳥肌なしじゃ聞けないよね。

左右に大きく揺れる優しいリズムが今回のヒロアカのエピソードにぴったりでした。
これも聴きたいがために二回目行きました。


作画がPlus Ultraしすぎてもはや何も見えない


ほんっっっっとうに心から尋ねたいのだが何を食べればあんな構図が思いつくのだろう。特に戦闘シーン。

これはアニメシリーズやその後の映画でも思ってたことなんだけど

絵コンテどうなっとるん???

絵がうますぎて情報量がマジで多すぎるリアル無量空処。わりと最初から飛ばしてたけど、みんなが言う最後の方とか時間に対して絵の動き方がおかしい。一秒が一秒じゃない。もうこれでもかってほどに色々な描写を書きこんで飽和してる中、さらに描きこむから矮小な脳みそでは「なにかすごいことがおきてる」状態のまま映画を見続ける瞬間が幾度ある。

いやすごすぎない?? 何度もあるんですよ、そういうシーンが。なんかもうボンズさん(と彼らを助けてくれたアニメーターさん)の中に個性使える人絶対いるでしょ五時間の書きこみを一秒とかにできちゃう神みたいな人がいるんでしょ。俺でなきゃ見逃しちゃうね。じゃなくちゃあんなに一秒、下手すればそれ以下のほんの瞬きの時間に心と時間と技術と、出せるだけのモン全て出して描けるわけない。

実際問題色んな人たち一人一人の寿命を削ってあの瞬間を作り出してくれているわけじゃないですか。もしかしてみんな個性使える?もう五時間分とかじゃなくて、何時間もかけてあの映画を作ってくれてるわけだもんね、感謝しかないですよ無個性のこちらからしたら頭があがらない。あの映画を全力で作ってくれた皆さん、それこそ英雄すぎ。

それくらい一枚一枚が本気で書かれてるのが分かって、もう何を考えながら見ていいのか分からない程の二時間。早すぎて一枚一枚が私には見きれないけれど、その熱量が伝わってくるほどの作画なんですよ。見なきゃ損とかじゃなくて、その熱を、映画館でちゃんと味わってほしいと心から思いました。

もう一回と言わず、何回も見たい。かっこよすぎる。


厄介な癖(ヘキ)を持ってるオタクに刺さりすぎる男ジュリオ(に狂わされる俺)


んでもって癖のハッピーセットことジュリオ・ガンディーニ!!!!!!

アイツはやべえよ……。SNSでも色々騒がれてましたが、全く期待を裏切らないヘキぶりでした。もう最初の紅茶を淹れる仕草からしてヤバかったもん。ああいう執事特有のこなれた流れ作業と、映り込むお嬢様のお写真……。しかも写真の端が少し欠けていて、みなさんはここで察するわけですよ。「ああ、この男、過去に何かあるな」と。しかも義手!やっぱ絶対過去に何かあったじゃん。周りのモブさえも人探しをしてると知ってるって何それ、どれだけ頑張ってお嬢様探してるんですか……。

しかもカウルでガチガチに装備したバイクを乗りこなす執事とか癖でしかねえ。

なにより空気抵抗を減らすためカウルを纏わせるわけじゃないすか。それ自体は速度80キロ以降から恩恵を感じられるらしくて、そう考えるとジュリオは毎日かっ飛ばしてお嬢様を探しているというわけなのですよ。バイクのカッコよさだけじゃなくて、実用性もちゃんと兼ねているところが得点高い。

上手い具合に彼の執事としての丁寧な所作と、本来の性格である荒っぽさに似た雰囲気が調和しているとこも良。何よりキャラデザ良すぎる。全体の色合いも綺麗にまとまっていて嫉妬するレベル。差し色(?)のグレーが最高。

んでもって見た目、設定もヘキすぎる。

赤髪(しかも結ってる、ほどけてるのも耽美)、義肢、義眼、なみだボクロ、眼帯、執事、声帯宮野真守、ギザ歯、孤児だったのを拾われた、身を削っちゃう個性(献身さがえっち)、バイク乗りこなす、銃も使いこなす、口が悪い……。俺たちをどれだけ狂わせたら気が済むんだよ……。

オープニングでアンナと対になる形でジュリオの横顔が映し出されるのも好きだし眼帯で表情が見えないしなにより髪がほどけてるのすごく好きだし……。男性の長い髪大好き侍なので感謝しかない。

鋼錬と縁があるから、キャラデザについてエドワード・エルリックのオマージュが用いられがちだけど、私は明らかにラピュタを思い描きましたね。ってのも、そもそも悪い大人たちの乗ってるデカい飛行船と力を持つ囚われの少女って構図がそうだし、その少女を助けるパズーも孤児の設定だし。まあ似てるのはロボットの方なんですけど……。あのロボットと対でジュリオの右手右足も失われとるし、ロケットランチャーとして追いかけてくるあのターボの青白い炎と不安定に追ってくる感じもめちゃくちゃ目覚めたばかりのロボットっぽくないですか?気のせい?考えすぎ?でも絶対に守ろうとするあの信念はロボットと通じる部分があると思うんですよ。はあ、好き(考察終了)。

しかも繰り返すけど宮野真守がCV……。ええ??もう凄い。あのお方の声って「甘っ」ってくらい柔らかい音と、「冷たっ」って思うほど尖ってる音の両方をだすじゃあないですか。その両方が顕著に楽しめるんですよ……。あー、好き。でも広場でバチクソキレてたとこの声が一番好きです

しかも彼、デクと出会ってからよりヘキに拍車がかかるのでありがたい。
ザコ様(この言い方よ)からカード型端末を奪っておいて、それをデクに渡すところの手がいい。デクが受け取った後の手を「パッ」と放すところの感じいちいちかっこよくて好きなんですよね。こういう、代々お嬢様に使えていた一族とかじゃないからこその年相応の荒っぽさが出るのいい~~

バイク乗ってるときの正面も、肩幅の広さが顕著に分かるの好きすぎてさあ……。男の人って感じがして(えっちで)最高ですね。

んでもって、デクが自己紹介するシーンにてジュリオが「デク」って噛みしめながら(幻覚)繰り返す口の動きと振り向きざまの横顔が好きすぎる。美しすぎだろうが……ッ。好きすぎてキレそう。

以降も色々と癖(ヘキ)ポイントがあって、デクがダークマイトに殴られて壁にめり込み、落ちちゃう瞬間ジュリオが助けてくれるんですけど、ちゃんとジュリオが身を挺して自分の背中から受け身をとるところめっちゃ胸が「グッ」って苦しくなるのでオススメです。守るという信念に特化した男を守ってくれる男……。癖。この「身を挺して助ける」行動、デクと似通ってる感じがしていい~~、めっちゃいい~~。

あと一人称「私」なのえっちですね(唐突)。元が荒っぽいことを知っちゃっているので、躾けられた感あるし、献身のにおいするから……ド変態の妄言すぎてすまん。
広場でお嬢様に弾丸打ち込みまくって最終的にデクに止められ、激情をあらわにするシーンが一番のお気に入りなのですが、なんといってもそのときの演技が好き(それ以降一人称が「俺」になるのも善い。人称多い日本語ありがとう)

「何もわかってねーくせして」の演技と声も最高。急に本当の性格が出てくる口調に胸撃ち抜かれた方沢山いらっしゃることでしょう。

しかも宮野さんの演技って息遣いさえもちゃんと聞こえるんですよ。殺すことでしか願いを叶えてあげられない不甲斐なさ、それを呑み込んだうえで、全力で殺しにかかってる決意を呼吸でも演じてるのすご。自分の存在意義を見いだしてくれた存在に対して銃口を向けると決心するまでにどれほどの葛藤があったのかと思いを馳せるだけでご飯3杯はいける。それを演じぬいちゃうわけですから流石としか言いようがないよな……。

あのシーンは今まで一人で戦ってきたジュリオが、唯一弱音じみたものを吐けた瞬間だったんじゃないかなかと思ってもご飯がすすみます。可哀そうは可愛い。

そのときの憤りを声だけで表すんじゃなくて、全身で演じてたのがスクリーンを通しても分かるし、やっぱりこの人は本物なんだな、と演技力でスマッシュされたよね、ほんと。それで言えば、山下さんの最後のスマッシュ連発するところも聞きどころですよね。さいっこうに気持ちいスマッシュ聞けます。

デクの性格上「おせっかい」がついてまわるため、それをいらねえと突っ放しながらも希望を見いだしちゃうキャラの相性良すぎません?
「現実を知ってるが故に素直になれないキャラ」は何回煎じても良い味がしてしまう……(ロディとかね……ウッ)。
デクは現実を見過ぎてどうにもならないと確信してる人に、「どうにかなるんじゃないか」っていう希望を与えてくれる存在なのがいい。

でも「コイツならどうにかしてくれる」っていう他人任せな感情じゃないのも重要なんですよ。デクの真っ直ぐな「救いたい」気持ちがあるおかげで、みんなもその光に照らされて「自分もやるんだ」って気持ちが沸き起こってくる。それが、勇気を与えるってことだし、与えられた人たち自らが考えて行動できるようになる。その構図がヒロアカでは好きですね~。

それでいてダークマイトに攻め入ろうとするとき、かっちゃんにイケモブはすっこんでろと言われ「笑わせるなら……」とちらっとデク見るの……ウッ。そこでデレるか、やりよるなホント。しかも何?あの「二人にしか分からん話」で着いて来ようとするの……。かっちゃんも納得すな。

その後遅延の個性使ってくる人倒したあと、ジュリオがめっちゃデクのこと呼びながら階段駆けあがるんですけど。あの「デクッ」って必死に呼ぶ声(しかも割と連呼してくれる)、なんかすごいクるものがある。宮野真守の切羽詰まった「デクッ」を永遠にリピートしたい。24時間耐久とかないですか?……しかもあれちょっと加虐心芽生えません???(重症)

んで、もう一個いいですか(まだまだあるけど)。

ダークマイトにめっちゃ殴られるシーンで最後に強烈な一撃を腹に入れられて嘔吐しちゃうじゃあないですか。そこでもウッって胸が苦しくなるのに(性癖に刺さる音)、その後ダークマイトの個性でジュリオがつぶされそうになる瞬間、身を挺してデクが助けてくれるから……。あんだけの猛攻を受けて目を覚ました先にデクの背中が見えたらもう好きになるしかないよね。誰だってそうだよ。誰だってヒーローデクの厄介オタクになってしまう。勿論俺を含め……。しかもいつも「大丈夫」って笑ってくれるしさあ。

そらあ必死に名前よぶわな。デク……、いい男だよ……。この時、ジュリオの髪がほどけてるのもとても良いですね、ええ。髪の毛からのぞくお顔大好き人間でして……。

その後ジュリオがカウチで気を失ってるアンナに手を伸ばすも届かず、デボラにやられて気絶しちゃうじゃないですか。催眠というべきか?
大切な人に手が届かず、挙句の果て催眠受けちゃうって(言い方)、色んな意味での適正ありすぎだろ……、目を開いたまま倒れ込んじゃうのもまた癖。お花畑ののどかさと、四肢が歪んだまま倒れ込むジュリオの対照的な演出が狂気を底上げしてて非常に良かったです。
んでもって、いつもデボラの催眠(夢)から目を覚まさせてくれるのはデクの声なんですよ。これなら催眠NTRのときも安心してすぐに目が覚めるじゃん。

その後アンナの個性が暴走して茨に囲われたお姫様が真ん中にいる構図、FF8のエンディング映像みたいで非常にいいですよね。花畑だし(浅はかさがバレる言動)。悪い魔法使いの呪いを解いてくれる執事……。姫が王子の呪いを解く構図が一般的だとは思うんですが、この構図もとても良かったです。

個性を使わせてくれよ……!ってなっさけない(言い方)ジュリオの声の演技すごすぎてあの場面も死ぬほどすきなんですよね~~。必死ってとこもあるけど、じぶんじゃあこれ以上どうにもならんって言う不甲斐なさの滲んだ声がうますぎて……。可哀そうなのに興奮してしまいますね(最低)。
正直な話、ジュリオの良いところって、性癖が詰め合わせれてる以上に、めっちゃぼろぼろになってくれるところなんですよ。そこが(リョナ)癖に刺さるというか。絶対そうでしょ。冒頭であげたヘキよりも「嘔吐」「四肢欠損」の方がささってるヤツいるでしょ!!正直になりなさい、そこの貴方!

しかも割と健気というか、そこも変に癖に刺さるというか。あんなにほつれた上着をずっと持ってるってとこも、(実質)無個性なりにも立ち向かっていくとことか。初めてもらった服だったからとか彼女を守る誓いのようなものだったのかとか色々考えましたけれども。何はともあれ最後はそれを手放すわけだから、ジュリオは自分がお嬢様の足かせになってたって思ってたわけです。だから自由になれるぞと。お嬢様がジュリオといたいと思ってることなんて多分1マイクロメートル、いや1アトトメートルも考えたことがないんですよ。まあそれくらい自由というものをアンナに見せてあげたかったのだと思うし、自分に価値なんかあるわけがないと思い込んでいるのでしょう。そういうとこだぞ……。


まとめっぽいヤツ。

アンナとしては、人に触れることで人が離れていく怖さ、寂しさ、そして何より苦しめたくないという優しさから繋がることを避けていたわけだけど、ジュリオの個性があって、人と繋がることができた。つまり、個性は人と人とを繋げる役割があるってのがやっぱり作品を通してのテーマなのかなあと(急に冷静)。勿論いい意味でも、悪い意味でもなんですが。
ジュリオは自分の個性に価値なんてないと思っていたけれど、アンナと会うことで意味を成すわけです(そして人々を持ち前のヘキで狂わせてくる)。
Vaundyのインタビューでも「個性は何をもらったかではなく、与えられたものをどう使い、人に託していくかが重要」と話してたし。
でもまさしく今回の映画で改めて、個性って実は持っているだけでは何も起こらず、誰かがいることでそれを行使しようと考え、繋がっていくものなのだと思えたのですよ。例え自分自身は役に立たない個性だと思っていても、一人一人の中の何かに必ず助けられる力が、あるんだと思うんです。
アンナも人をあまりに強大な力故に個性がなければって思ってたはずだけど、その個性があってジュリオに出会ったと考えると、やっぱり必要なものだと思うし。この世界は実は絶対に、一人にならないようにできているのかも。誰かに会えた時、個性に意味が出るのかもしれないなあ。


最後に。
ホークスが本部と通信しながら飛んでるときの、通信機への手の添え方がえっち過ぎたのでちゃんと見て……。




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