オリパ屋になろう!

書こうと思った題材が2つあるのですが、片方は取っ付きにくそうなテーマだったのでこちらを選びました。
こんにちは、ポケカ投資家(笑)の鈴木の鈴木と申します。
今回のテーマは今までのnoteにもちょくちょく登場していたオリパについて、満を持して触れていきます。
これまでのnoteを読み返してみると文章がとっちらかっていて読みづらかったので、今回からはきちんとアウトラインを作成して読みやすさを重視していこうと思います。
ちなみにこのnoteに登場するオリパはポケモンカードを商材として考えています。

オリパについて

まずはそもそもオリパってなんぞや、なんで最近よく目にするのか、ということから説明していきます。

オリパとは


オリパとはオリジナルパックの略称で、通常メーカーが販売しているカードパックとは別に、個人が自由に作成しているパックになります。
メーカーのパックだと紙代や印刷費、人件費や運送費を原価として定価が設定され、ひとつのパックから何十種類とあるカードからランダムに数枚が封入されています。もちろん全てが同等の確率で封入されるわけではなく、所謂レアカードたちは封入率を下げて手に入りにくいような仕様となっています。

ポケモンカード強化拡張パック
(定価180円)


対してオリパはカードの市場価格(プレミア価格)を原価として設定し、各個が好きなようにカードを封入しております。
例えば10種類のカードを封入して、ひとつのパックには1枚しか封入しないとすると、10パック作成できます。
極端な話として、9種類は市場価格100円のカード、1種類だけ市場価格1,000円のカードを封入したとすれば、原価は合計で1,900円となります。
もちろん原価ですから、ここに利益を乗せて2,000円に設定すると、10パックで割って1パック200円での販売となります。
つまり購入した人は200円払って10%の確率で市場価格1,000円のカードが当たるわけです。90%の人は100円のカードが当たる、当たり外れが明確なクジのようなものと考えるとわかりやすいかと思われます。

某カードショップ作成のオリパ
(パック価格2,000円)

実際に販売されているものは上に貼り付けた画像のようなものとなるのですが、見てみると2,000円のパックが1,500口もあるわけですから完売できた場合、合計売上が3,000,000円という、かなり大きな金額になることがわかります。

何故オリパを売るのか

オリパのシステムを説明したところで、カードショップは何故どこもかしこもオリパを販売しているのか、考えてみましょう。
①売れやすい
通常カードを販売するとき、購買ターゲットとなるのはカードゲームプレイヤー、コレクターです。しかしかながらオリパの場合はもう一つ、ターゲット層が増えます。
そう、ギャンブラーです。
オリパはギャンブルではない(と言わないといけない)のですが、その性質上、ギャンブル要素が絡んできてしまいます。
先ほどのカードショップが作成した画像のオリパを見てみると、2,000円のオリパの当たりとして市場価格で100,000円を越えるようなカードが入っています。カードを投機対象、つまり資産と考えた場合、98,000円も儲かってしまうわけです。
これ以上は多く語りませんが、つまりこれはそういうことなんです。
ギャンブラーたちは燃えるような熱いヒリヒリとした感情を好みますので、例えばハズレが出続けたときでも「次に当たれば取り返せる」という気持ちで一人で大量購入してくれる人もいます。
つまり、オリパにすることで増えたターゲット層は大口顧客になる可能性を秘めているわけなんですね。
②在庫を処分しやすい
カードショップは基本的には顧客からカードを買い取り、それを販売することで経営されています。しかしながら売れやすい人気のカードばかり顧客から買取できるわけではありません。
もし貴方がプレイヤーにもコレクターにもあまり人気のないカードをカードショップに売りにいったとき、「このカードは人気がないから買い取れない」と言われたらそのカードショップをまた利用しようと思いますか?
ほとんどの人はNOと答えると思います。そう、カードショップは基本的に買取を断れないのです。
しかしながらその買い取ったカードを赤字で売るのも馬鹿らしいし、ずっと売れない在庫として店頭に並べているのも何をしているこっちゃわかりません。
そこで役立つのがオリパです。
人気のないカードも人気のあるカードとしてオリパに組み込んでしまえば売れちゃうわけです。
長期在庫を抱えないための出口戦略としてもオリパは優秀です。
③在庫を減らさずに済む可能性がある
これについてはかなりグレーなところなので、これ以上は書きません。ただ、カードショップにとっては嬉しいことがあると思っておいてください。

オリパ屋になろう!

さて、そんなメリットもたくさんあるオリパ屋になるためにはどうしていいか、前座が長くなってしまいましたがここからがいよいよ本題です。

古物商許可を取得しよう!

まずトレーディングカードは、古物営業法における古物に該当します。古物を使って商売をする場合、古物商許可を取得する必要があります。
最寄りの警察署に古物商許可の取得を申請しましょう。手続きは非常に簡単で、前科がなければほとんどの人が取得できます。
ただ、古物商を営業する事務所の設定が必要となるため、賃貸にお住まいの方は家主さんの許可が必要です。
詳しい取得方法は調べればいくらでもでてきますのでここでは割愛させていただきますが、司法書士事務所に頼めば代行して申請してくれるところもあります。
たまに「いや、俺はコレクションを販売してるだけだから古物商許可いらねーよ」と豪語しているオリパ屋さんもいらっしゃりますが、古物商許可の要不要を判断するのはオリパ屋さんではなく、警察です。いくらコレクションと言い張っても反復継続して販売をしている場合は古物商を営んでいると判断される可能性がありますので、しっかりと取得しておきましょう。

カードを仕入れよう!

古物商許可を無事取得できればカードを仕入れていきましょう。
仕入れ方は色々ありますが、基本的にはカードショップでお手頃なカードを見つけて購入するのが間違いないと思われます。
ただ、相場より高くカードを買ってしまうと赤字になるだけなので、できるだけ人気どころのカードを安く売っているところを探しましょう。
また、古物商許可を取得していればカードショップのように個人からカードを買い取ることもできます。その場合、本人確認や古物台帳への記帳等、古物商を営むにあたって義務付けられていることがありますので忘れずにしっかり履行しましょう。ネット経由で買取する場合は身分証を写真で送ってもらいましょう。身分証の住所に書留を送ってきちんと到着するかまで確認するとベストです。
フリマアプリからの仕入れは基本的に買取と同義に扱われるようなので、本人確認が必要となります。ただフリマアプリの相手に身分証なんて提示してもらえないでしょうから現実的には難しいでしょう。
私が古物商許可を取得したときは「できればフリマからの仕入れはやめてね」的なニュアンスだったので警察署毎に見解が違う可能性がありますので、どうしてもフリマから仕入れたいという方は所轄の警察署に相談しましょう。
最初のうちは仕入れの前に「こんなオリパだったら売れそうだな」というラインナップの考案と、売上金額を計算してから、その売上金額できちんと利益が出るようにラインナップのカードを仕入れていくといいかもしれません。
元手として準備しておく資金は少なくとも500,000円は必要でしょう。

戦うフィールドを決めよう!

古物商許可も取得し、カードの在庫も揃えればいざ、オリパの販売です。
さて、では販売はどこで行えばいいのでしょうか?貴方が主として販売する場所を定めましょう。
①店舗開業
テナントを借り、カードショップの実店舗を開業してオリパを売るパターンです。
ただ、イニシャルコストも大きく、ランニングコストもかかり続けてきます。また、カードショップを開業した場合は50万円分程度のカード在庫じゃ見向きもされませんし、買取を依頼しに来られた顧客のためのキャッシュもある程度準備しておかないといけません。
銀行から融資を受けるにせよ、手持ちのお金を出すにせよ、潤沢な元手としっかりとした経営計画は必要となるでしょう。
おそらくこの記事を読まれている方の中にはそこまでの熱量を持ってオリパ屋を開業しようと意気込んでいる人は少ないでしょう。
②既存ネットマーケット媒体を利用した販売
おそらく現在存在しているオリパ屋さんたちはほとんどこの方法で販売されているのではないでしょうか。
有名なところでいうとトレカ特化のフリマアプリ「magi」であったり、ネットショップ作成サービス「BASE」等があります。
決済手数料は取られてしまいますが、大手サービスを介した取引となるため有事の際の安心感があること、豊富な決済手段が選んでもらえること等がメリットとして挙げられます。
また、ランニングコストも基本的には不要なため、自分のペースで販売できるのも強みです。
フリマアプリでのオリパ販売は、ほとんどのアプリが規約で禁止しているため不可です。オリパ販売を許可しているところを調べて販売するようにしましょう。
③SNSを媒体として販売
私はこの方法を使って販売しておりました。厳密に言うとSNSであるTwitterを介してオリパを販売しておりました。
Twitterにオリパの概要を記載して、購入意思のある方にはダイレクトメールに連絡をいただくようにしておりました。
また、Twitterと親和性の高いライブ配信ツールのツイキャスを使用してライブ販売を行うことも多くありました。
メリットとしては何よりも手数料が不要なところがあります。
デメリットとしては完全に個人間取引となるのでトラブルが起こった場合に対処が大変になることが挙げられます。
この辺りは書き出すと長くなるので詳しくはまたどこかで書こうと思います。  

ターゲティング、ブランディングをしよう!

どこで販売するかを決めれば、ターゲティング、ブランディングを行っていきましょう。
ただオリパを作ってmagiに出品しただけではおそらく売れないでしょう。
コンビニ、美容室、歯医者に並んで多いとされるオリパ屋の一店舗として、競争に勝たねばならんのです。
本来であれば仕入れの前にすべきことかもしれませんが、貴方が経営するオリパ屋はどんな人に対して、どんな風に魅力をアピールするかをしっかりと定めないといけません。
例えば潤沢な資金を持っているなら、金銭に余裕のあるギャンブラーたちにターゲットを絞ったハイリスクハイリターンオリパを多く売るオリパ屋としてブランディングしていく方法があります。
Twitter等のSNSを活用し、高額カードをずらりと並んべた写真をアップしたりして資力をアピールしつつ、購買欲を掻き立てましょう。
貴方が昔からポケモンカードが好きであるならば、ニッチなコレクターにウケるカードを集めて、コレクションオリパを作るのもいいでしょう。
ポケモンカードについて詳しい知識があれば、それも立派な武器になります。ブランディングのために知識を披露し、ニッチなカードでもその歴史を語ることができたりすると買い手側の安心感にも繋がるでしょう。

定期的に販売しよう!

これが一番大変かもしれませんが、オリパというものは信用商売です。
よく「買い占めたら当たりが入っていなかった」「身内に当たりがいくように細工していた」なんて話を聞きます。
そんな詐欺が跋扈する業界で信頼を勝ち取るには地道に、何度も販売を重ねるしかありません。
「必ずオリパを売り切る」「売り切れたら次のオリパを間隔を空けすぎず販売する」という点は簡単ではありませんが何よりも大事です。
しっかり戦略を練り、この2点を念頭に販売を行ってください。
継続できれば自然と「信頼できるいいオリパ屋さん」になれていることでしょう。

鈴木の鈴木の場合

実例として、私がどのようにオリパを売っていたかをお伝えさせていただきます。
そもそも私はオリパ屋になろうとポケモンカードを触り始めたわけではありませんでした。
YouTubeでオリパの存在を知り、面白そうだから買ってみようというところからスタートしています。
最初はmagiやBASEでオリパを購入していましたが、色んなところを調べているうちにTwitterに行き着きました。
Twitterではツイキャスを使ってライブ配信をしながらオリパを売っている人たちが多くおり、そんなところでオリパを買うのが楽しくなってきました。
幸い、資金はそれなりにあったため、オリパにかなりのお金をつぎ込んでいたのですが、ライブ配信ということもあり、オリパ屋だけでなく、私と一緒にオリパを買っている方たちにもそれなりに認知されることになりました。
そこで実際にオリパを売る側になってみたいとの考えからオリパ販売を始めたのですが、最初のオリパを販売する前にプレゼント企画を行ったり、しばらく赤字でオリパを売ったりしていました。
このときは何も考えず、そのときの気分で動いていましたが今になって考えると色々と噛み合っていたのかもしれません。
ツイキャスを主戦場としてオリパ屋を開業する場合、
よく売れているオリパ屋さんのところでたくさんオリパを買う→他の買い手からも認知される(潤沢な資金を持った人と思われる)→オリパ屋を開業する→他のオリパ屋さんの顧客が買いにきてくれる
というのは黄金ルートになっている気がします。実際Twitterを見ていて「この人すごい金額をオリパに注ぎ込んでいるなぁ。しかもお金持ちそうな写真をアップロードしているなぁ。」と思う人は大体気が付けばオリパ屋に変貌しています
私がオリパ屋を始めたときよりもポケモンカードのプレミア価格は上がっているため、ハードルが注ぎ込まないといけない金額と共に上がっているため、今からこの方法でブランディングするのは大変かもしれません。 

最後に

オリパ屋は上手くいけば、かなり稼ぐことができます。ただ、どの商売もそうですが、上手くいくまでが大変です。
また、副業として続けていくにはかなりの手間隙が取られます。
もし貴方がオリパ屋一本で収入を賄おうとしているなら、よく考えてから開業してください。
また、税金関係はここでは記載しておりませんがお金を稼ぐということは納めなければいけない税金も存在しています。

もし何か月後かに、このnoteを見てオリパ屋を始めたらそれなりに売れるようになった!という方がいれば連絡をください。


コンサルタント料を徴収します。

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