奪われた光♯8

さすが中野の家族・・・。こんな中学生の俺らがファーストクラスだなんて・・・。

ふかふかすぎかよ、この椅子。こんなに快適な座り心地だったら、もう何時間でも乗っていられるな〜どこまでも行けちゃうな〜。

中野のことを一生大事にしようと思った。いや、みんなも大好きだけどね?それじゃあみんなに悪いか。み、みんなも大事にするぞ。

と、心の中で悪いこと考えっちゃったなとニヤけながら、窓の外を見る。

「何、ニヤニヤしてんだよ、気持ちわる笑」

足洗は、まじで減らず口だ。大事にするのやめようかな、って考えたらもっとニヤけてしまった。

東京から鳥取へは、直行便で1時間15分。

あっという間の空の旅だった。

空港に着いた時の第一印象はズバリ、「砂丘推しすぎやろ。」

鳥取空港、又の名を「鳥取砂丘コナン空港」という。それより、ジリジリ太陽が肌を焼き付ける。

僕らは中学生だが、なんだかコナンなどのアニメに興奮したりするのは格好悪いという暗黙の了解があるからか、4人とも名物のコナンコーナーも横目に通り過ぎた。

「おぅ、コナンのところで写真撮らなくていいのかー?」中野のお父さんが大きな声で声をかける。

「やめろよ、父さん、声がデケェよ。」冷静に中野が答える。

よかった、人の家の両親の提案ってなんだか断れないんだよな。僕は、いつも学校でも感じのよく真面目な生徒として生きているから、ここでも「ありがとうございます〜」といい顔をする。

「じゃあ、お前だけ写真とってくれば?」とニヤニヤした顔で足洗がおちょくってくる。

あ、待てよ。三上どこいった?

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