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ここが変だよ!日本の不動産業界

今回は日本とアメリカの不動産業界の違いを比べるのと
私自身が日本の不動産業界に感じている違和感をお伝えします。

アメリカの不動産営業マンはエリート!?

日本では不動産関係の資格としては
「宅地建物取引士」の1種類となります。
受験資格なども不要で合格率は15%前後と
そこまで難関資格ではありません。

ちなみに日本では社員5人に対し宅建士が1人いれば業務が行えます。
つまり5人中4人は持っていない可能性があります。

アメリカで日本の宅地建物取引士の位置づけにあたるのが
「不動産ブローカー」という資格です。
ブローカーと聞くと怪しい感じがしますがとても難関な資格です。

まず受験資格を得るために大学や専門学校で
規定の科目を履修する必要があります。
しかもこのブローカー資格は州ごとに取得する必要があります。

社会的地位は医者や弁護士と同等のようです。
つまりアメリカの不動産ブローカーはエリートなんです。
不動産を取り扱うには法律や建物の知識、税金など幅広い分野を知らないといけませんからね。(日本の場合でも同じです)

日本では大人気の両手取引禁止

日本では売主さん、買主さんの両方から手数料をもらう「両手取引」が当然のように行われています。
アメリカの場合はこの両手取引が禁止されています。

両手取引というのは弁護士で例えると
「原告・被告の両方の弁護を引き受けている」状態です。
もちろん弁護士の世界ではこのようなことはありえません。

しかし日本の不動産業界では当たり前です。
普通に考えて売主さんと買主さんの主張は正反対です。
少しでも高く売りたい売主さん、少しでも安く買いたい買主さんという関係なのでそれを不動産業者が一社だけだと必ずどちらかが損をします。

日本の場合は両手取引狙いのため物件情報を他社に出さないことも多々あります。
しかしアメリカの場合は両手取引自体が禁止されているので
物件情報はどの業者でも同様に取り扱いが可能となります。

買主さんはどの業者からでも同じ物件が購入できます。
なので仲介業者を「どれだけ信頼ができるか、どれだけ自分に有利に動いてくれるか」という基準で選択することができます。

日本の場合、制度自体が欠陥なんです。
一時期、両手取引を禁止するという案もあったらしいですが
大手不動産業者などが猛反対したようです。

ちなみに大手不動産業者の手数料率は5%以上だと言われています。
全ての取引が両手で6%なので取引のほとんどが両手取引ということになります。
単純に売上が半分近く減るのでそれは猛反対するでしょうね・・。


物件情報の公開方法の違い

日本の場合、売却の依頼を受けたら
「レインズ」という不動産業者専門のサイトに物件情報を登録します。
登録義務があるのは「専任媒介契約、専属専任媒介」のみです。
一般媒介契約の場合、登録の義務はありません。

一方、アメリカの場合は「MLS」というサイトに掲載をします。
日本のレインズとの違いは
・全ての物件を掲載しないといけない
・不動産業者だけでなく一般の方も閲覧可能
という点です。

これに従わないと不動産業者は免許の停止、取消という罰則もあります。

さらに掲載内容も日本のレインズは入力項目が少ないですが
アメリカの場合MLSは間取りは当然、公図、登記履歴、税金履歴なども閲覧が可能です。

他にもたくさんの違いがあります!

アメリカでは買主さんの仲介手数料が無料だったり
不動産ブローカーは完全歩合制がほとんどだったり
契約、ローンなどは外部の会社が行うことなど
日本とは違う部分もたくさんあります。

アメリカの場合は「お客さん目線」で仕事をしないとブローカーとしては生きていけません。
でもこれが本来の姿だと私は思います。

日本でもまず「両手取引禁止」にしたらいいのになぁと思っております。
そうすればお客さんは自由に仲介業者を選ぶことができますからね。

現状、中古物件などは「大手の専任」が多いのも事実です。
売主さんも「大手なら高く売ってくれる」と思っていますしね。
実際には相場があるので大手だから高く売却できるということはないんですが。

Aplace株式会社


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