昼寝の効用まとめ
(1)認知機能が上がる
中国の高齢者2214人を対象とした観察研究(※1)によると、午後に昼寝をする高齢者は、昼寝をしなかった人と比較して、場所認識、言語機能、記憶の改善と強く相関していました。午後の昼寝は、眠気の軽減に加えて、記憶の定着、その後の学習への準備、実行機能の強化、情緒的安定性の向上など、さまざまな利点がありました。しかし、長くて頻繁な昼寝は、逆に認知機能の低下と関連していました。30分未満の短い昼寝で、週4回以上の場合は、逆にアルツハイマー病発症リスクの84%低下と相関していました。
(2)心疾患の死亡率が下がる
スイスの35〜75歳の3462人を対象にした観察研究(※3)によると
週に1〜2回の昼寝をする人は、まったく昼寝しない人に比べて48%心疾患の発症リスクが低い
という結果がでました。1回5分の昼寝でも心疾患リスクを下げる効果が得られる可能性があるとか。昼寝の効果については、時間の長さよりも頻度を重視したほうが良いようです。
(3)記憶力も増える
15分目を閉じて休むだけでも記憶力が向上するようです(※7)。ただぼうっとするだけでも効果があるようです。
(4)エジソン式昼寝は問題を3倍解決させる
20分の休憩中に、浅い睡眠(ステージ1の睡眠)に入った人は、ずっと起きていた人の約3倍も問題の隠されたルールを解き明かすことができました。さらに、休憩中に浅い睡眠(ステージ1の睡眠)に入った人は、休憩中にステージ2の睡眠(中程度の睡眠)に入った人の約6倍も問題の隠されたルールを解き明かすことができました。
昼寝の仕方
10〜20分の昼寝が良い。5〜10分の昼寝でも認知機能が復活したり、心疾患のリスクが減る可能性があります。
30分の昼寝になると浅い眠りに入ってしまい、起きたときちょっとぼんやりしてしいます。しかし睡眠不足のダメージは回復してくれるので、睡眠不足のときには30分の昼寝をすると良さそうです。
40〜60分の昼寝は、夜の睡眠に悪影響が出ててくる可能性がある。しかし60分の昼寝は、認知機能が向上するかも(※5)。
15時前まで済ます。
昼寝まえにコーヒーを飲むとよさげ(※6)
注意
長過ぎる(30分以上の)昼寝が頻繁だと認知機能の低下に関連してくるし、早死との関連もある(こちらは1時間以上の昼寝→32%死亡率が高くなった)(※2)。また1時間以上の昼寝はメタボリックシンドロームになる確率が50%たかくなります(※4)。
参照
※1:Afternoon Napping and Cognition in Chinese Older Adults: Findings from the China Health and Retirement Longitudinal Study Baseline Assessment
※2:Eye-Opener: Naps Linked with Higher Risk of Death
※3:Association of napping with incident cardiovascular events in a prospective cohort study
※4:Daytime napping, daytime sleepiness and the risk of metabolic diseases: dose-response meta-analysis
※5:Afternoon Napping and Cognition in Chinese Older Adults: Findings from the China Health and Retirement Longitudinal Study Baseline Assessment
https://agsjournals.onlinelibrary.wiley.com/doi/full/10.1111/jgs.14368
※6:いま話題の「コーヒーナップ」の効果が実際に素晴らしい件
※7:Sleep-dependent learning: a nap is as good as a night
※8:Sleep onset is a creative sweet spot
https://www.science.org/doi/10.1126/sciadv.abj5866
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