コロナ禍での有観客ライブとオタクの葛藤

2020年11月9日に突如として発表されたアイドルマスターシンデレラガールズ初の新年ライブ【THE IDOLM@STER CINDERELLA GIRLS Broadcast & LIVE Happy New Yell !!!】(以下新年ライブ)を受け、急遽この文章を書くことにしました。

 今回の新年ライブではコロナ禍特有の「声を出さない(=飛沫を最小限にする)」という厳密なレギュレーション遵守を求められていますが、先日のバンドリのライブでもこういった環境下でのライブでしたのでその体験談を皆さんに共有していきたいと思います。

Ⅰ 入場時

 今回のバンドリのライブでは、通常の入場プロセスにコロナ対策としていくつか追加・変更されていたものがありました。ここからは入場プロセスに沿って説明していきたいと思います(太字が追加・変更されていた部分)。

①検温・・・入場時に非接触型体温計にて検温があり、37.5℃以上だと入場ができないルールになっていました。

②手荷物検査・・・いつものようにかばんを開かせるという形式ではなく、ハンディの金属探知機(空港の保安検査にあるようなやつ)で確認するという方法でした。

③IDチェック・・・今回のライブでは事前にアプリに顔写真の登録が求められていたのでその写真との確認で済みました(ちなみにマスクは外さなくて大丈夫でした)。

④チケットもぎり・・・電子チケットだったので係員の目の前でアプリの「入場する」というボタンをタップすることで完了でした。

手指消毒・・・係員がアルコール消毒液を手に吹き付けるだけでした。

以上が入場の流れでした。確かにコロナ対策として変わったこともありましたが、それほど変わらないような気がしました。
ちなみに係員の方は手袋+マスク+フェイスシールド装備でした。

Ⅱ 会場内(主に座席のことなど)

会場内の座席は前後左右がそれぞれ1席ずつあけて座るようになっていました。例えるなら、市松模様のようと言ったらわかりやすいのかもしれませんね。そのため左右だけではなく前後もある程度のディスタンスがある状態でした。ちなみに座らない座席にはカバーがかけられていて、すぐに分かるようになっていました。
場内にも各所にアルコール消毒液が用意されていました。
そのほか、会場内に喫煙所の設備もありましたが閉鎖されていました。

Ⅲ 公演中

 バンドリのライブではどちらかというとコール曲は少ないですが、やはりコールをしたくなる曲はいくつかありました。それでも自分たちはコールを我慢する自制心でどうにかなりました。その代わり手拍子(クラップ)やジェスチャーなどで表現することもありました。
声を出せないライブでのアピールの方法とすればこういった手拍子などが中心になるのではないでしょうか。もちろんペンライトを用いて表現するのもありですね。

 しかしながら声を出せないからこその葛藤もありました。例えばキャストの呼びかけに対してどう反応すればいいのか一瞬戸惑ってしまうことや告知事項(特に初出し情報)でのリアクションのとり方などがありました。
 我々もそして主催者も手探りの状態でのライブですのでそこは仕方ないのかなという感じもしました。
ちなみに、アンコールは手拍子をするだけでした(多分これが正解のような気がしますが)。

Ⅳ 退場時

 ライブが終わり退場する際には、よくある規制退場の形式でした。おそらくこの形式はそれほど変わらないのではないかと思いますので割愛します。ただ、場外では一気に人が動くことで密集のリスクが高くなるため最寄り駅への導線が少し大回りとなっていました。


 以上が今回のバンドリライブでの一連のコロナ禍における対応策とその感想です。ここからはアイマスの実際のライブだとどうなるのかという予想になります。すでに発表されている概要・注意事項を踏まえて書いていきたいと思います。

Ⅴ 今回の新年ライブに向けて

 今回の新年ライブではコロナ禍でのレギュレーションとして声を出さないということが求められていますが、まず気になるのが・・・

〈りあむのソロ曲どうするの!?〉

あの曲は完全にコールありき(コールないとほぼ成立しないのでは?)というレベルなので果たしてどうなるのでしょうね。そのほかにもアイマスにはコール曲が数多くあるので、コロナ禍でのライブが続く限り果たして我々Pたちはコールを我慢できるのだろうか・・・。

さて本題ですが、先述したバンドリのライブとの最大の違いは【原則着席】が求められていることに加えてこの文章が気になりました。

ペンライト及びサイリウムを振っての応援は可能です。ただし、後方のお客様のご迷惑になりますので、胸の高さから上に上げる、振り回す等の行為は一切禁止とさせていただきます。

このペンライトを上げる高さの制限については初めて見ました。直近のアニサマなどでもこういった制限はなかったと思います。会場が幕張メッセ1~3ホールといういわゆるオールフラットの会場なので立ってしまったりペンライトを高く上げすぎると後方の人たちの人権が本当になくなってしまうことを回避するための対策なのでしょうか?

次に、新年ライブの公式サイトの注意事項にはこういった文章がありました。

座席のエリアごとに入場時間を指定する分散入場を実施いたします

 実はバンドリのライブでもこういった文章はありました。しかし実際には名安としての時間しか書かれておらず、どの座席も同じタイミングでの入場でした。
果たして新年ライブではどうなるのか僕としては気になりますね。

 今回の新年ライブでは電子チケット(e+のアプリ)を採用するということで僕としては正直正しい判断なのではないかと思います。というのもバンドリのライブでは楽天チケットのアプリで入場しましたがはっきり言って楽です。チケットを無くすリスクは皆無ですし、紙チケットを渡してちぎってもらうという係員の方との接触も減らすこともできます。また、万が一感染者が発生した際に周辺の人に速やかに連絡が取りやすいという主催者側のメリットもあるかと思います。スマホのバッテリーさえ気にしていれば大丈夫なので今後は電子チケットは積極的に取り入れてほしいなと思いました。

 そのほかの注意事項に関してはいつものライブ()とほぼ変わらない印象です。

Ⅵ おわりに

 コロナ禍において積極的に有観客ライブを行っているブシロードのコンテンツからいまだに新型コロナへの感染者が発生していません。これも参加者である我々がレギュレーションをしっかり守って参加したことによる、ある種の成功体験ともいえます。
 しかしこれをアイドルマスターというコンテンツのライブに落とし込んだ時に同じような成功体験を作れるかといえば未知数です(なにせ7th大阪以来の有観客ライブなので)。今回のライブでもしっかりと成功体験を作ることができれば2月のバンナムフェスはほぼ従来の規模(ただし政府が許せばですが)での開催になるのではないでしょうか。その結果はライブ実施から2週間(14日)後に現れてきます。
 おそらくバンナムとしても今回のライブはバンナムフェスに向けてのある種の試金石と考えているはずです。仮にシャニマスのMUSIC DAWNが無観客というシナリオでのテストであるならば、今回のシンデレラの新年ライブは有観客というシナリオのテストではないかと考えられます。そのうえで、ライブ実施から14日後に感染者が発生しませんでしたという発表があって初めてこのライブは成功だったといえるのです。


以上長くなってしまいましたが、僕が思う有観客ライブの感想と新年ライブのあり方でした。