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M-marimba quartet 2ndリサイタル終演

私のやっているM-marimba quartetの第2回リサイタルが先日、無事に終わった。上の見出し画像は、開演前に4台並べてみた写真。なんとゴージャスな光景だろうか!

演奏会概要

チラシの画像。
チラシ裏はこんな感じ。

5.5オクターブ(いわゆる5半)の音域を備えるマリンバが4台並ぶことは、たぶん、滅多にないことだと思う。世界最大の音域を持つマリンバカルテットの演奏会と言っても良いだろう。通常(それでも滅多にない)は5オクターブが4台なのだから。

音域は可能性だ。特にマリンバは低音域の拡張が進んだが、高音域の有効な用途があまり試されていないように感じる。私の編曲では、それぞれの奏者に広い音域を担当させたりするが、今回はKOROGI社の特別モデルであるSPN3000CG(ニュースピリッツ)の最高音であるダブルハイG(G83)もしっかりと活用した。何せあまりに高い音で通常は用いることがない。今回も1回しか使わないが、ホールに美しく響いたのを確認することが出来た。

曲目

今回も面白い作品だったと我ながら思う。以下、1曲ずつ。

1曲目はラヴェルの「道化師の朝の歌」。これは1回目のリサイタル(2018年)にも取り上げたが、そこから手直しをし、より洗練されたサウンドにすることが出来た。ダブルハイG、高速アルペジオ、特殊奏法の活用で、他ではなかなか聞くことが出来ない、面白いアレンジに仕上がっている。これは私の編曲。

2曲目は「パッヘルベルのカノン」。普通はリサイタルでこういう曲目は取り上げないだろうと思い、敢えて取り上げた。「ライトでポピュラーなクラシック作品を正面から取り上げるのは、そういった作品にしか魅力を感じることの出来ない奏者であるからだ」という批判があれば、残念だが見当はずれだ。中学生の頃からソラブジやファーニホウ、クセナキスに傾倒していた私が取り上げたことに、意味を見出して欲しい。
私のことを知る人は、まさか取り上げるとは思わなかったのではないだろうか。ちなみにプログラムノートにも書いたが、パッヘルベルにはヘ短調のシャコンヌがあり、これも名曲なので聴いてほしい。
本番はニ長調の流麗なトレモロサウンドでホールを暖かく包むことが出来た。めでたしめでたし。
これも私の編曲。

3曲目は河内琢夫(こち・たくお)氏の「Under the ancient tree」。マリンバデュオだが、1台をぐるぐる回りながら弾いたり、武満徹を感じさせるミステリアスなシーンもある曲。これは聞いてほしい。治子さんと私の連弾でした。

4曲目もマリンバデュオ、ピアソラのタンゴ組曲。町田さんとまきのさんの連弾なので、私はお休み。

休憩明けの5曲目は鈴木英明氏の「音霊の刻(おとだまのとき)」。委嘱新作でした。炸裂する奇想天外な音世界。これは、なかなか珍しい音だったと思う。

6曲目は「トゥーランドット・セレクション」。プッチーニの名作をマリンバ4台で。「北京の人民よ」「砥石を回せ」「向こうの東の山々で」「この宮殿の中で」「誰も寝てはならぬ」をセレクションし、うまく構成してみた。
「誰も寝てはならぬ」のサウンドは、とても好評だったようでひと安心。
これも私の編曲。

アンコールは「火祭りの踊り」。これは町田さんの編曲。どちらかというとプリミティブな勢いのある作品だけに、町田さんの筆との相性も良かったと思う。

第3回に向けて

色々な曲をやりたいと思っているが・・・どんな曲が良いだろう。個人的に好きな曲はフランコ・ドナトーニの「Mari II」。ほかにブクステフーデのシャコンヌや、スカルラッティの諸作品、アルカン、メトネル、グリエール、リストのいくつかの作品については関心がある。
モーツァルトの序曲やリヒャルト・シュトラウスの作品も。
何になるかはまったくわからないが、決まり次第アレンジを進めていかなければ。

無事に終わった今、これは言いたいこと

本当に多くの方のご協力なくして成り立たなかった演奏会。特に多大な御協力を頂いたこおろぎ社の宮崎さん、ペンギンレコードの一本嶋さん、企画委員会の赤木さんには、本当に頭が上がらない。
また、頑張っていこうと思う、深夜1時なのであった。

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