走りがぶれないと古くならない

 先日、日産エルグランドを運転する機会があった。現行モデルは登場から10年以上経過している。マイナーチェンジは2度受けているが、ライバルのアルファード・ヴェルファイアと比べるとかなりの差が出ているのは事実だ。特に、内装のクオリティに関しては、エルグランドはどうしても基本設計が10年以上のため、ところどころ古さを隠せなくなってきている。しかし、走りに関しては一級品だった。2.5リッター直4自然吸気エンジンは、2トン近い車重に合わせて、専用チューニングを施している。そのため、基本的には不足を感じない動力性能だった。走行安定性については、車高が低いこと、低重心化を徹底したこともあり、路面に吸い付くような走りを見せてくれた。ステアリングも不安定さを全く感じない。山岳区間を走ると、エルグランドが先行して、アルファードが離されるということもあるそうだ。そして、乗り心地に関しては、高級セダンに匹敵するような、高い静粛性と滑らかさを感じた。ミニバンという概念にとらわれない開発をしてきたのだろう、ロードノイズや揺れが少ないと感じた。履いているタイヤはアドバンdBだった。このタイヤが結構効果を発揮しているようにも思った。防音・吸音性能に優れているようだ。一つ一つのパーツに妥協せず作りこんできた姿勢が見えてくる。

 現行エルグランド、フルモデルチェンジの話は全く上がってこない。ただ、試乗を通じて、日産独自のこだわりを全面に感じただけに、次期モデルが登場してほしいと思った。

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