ホンダの商品戦略

 ホンダオデッセイの生産終了が昨年発表され、衝撃的だったが、個人的にはもしかしたら最終的には歴史に幕を下ろすのでは?と思っていた。

 最終型のオデッセイは、2013年に発売され、細かい改良を経て、2017年に1度目のマイナーチェンジを、2020年に2度目のマイナーチェンジを実施した。特に2度目のマイナーチェンジは大掛かりなものになっている。そのため、しばらく販売するのではという予想は立てていたが、本来フルモデルチェンジが予想される時期にマイナーチェンジに留めているというのは、延命措置で、次期型の話も出てこなかったため、販売終了の流れになるのではと思っていた。ただ、大掛かりなマイナーチェンジから1年経たずに生産終了は予想外だった。実際、マイナーチェンジ後、街では最新のオデッセイを思いのほか見かける。販売台数は決して多くなくても、一定の支持はあったのではないかと思われる。狭山工場の閉鎖、収益性などの問題で今回の判断に至ったのだろうが、個人的には販売当初の商品戦略が厳しかったのではないかと思う。

 2013年に発表された現行オデッセイは、今までのヒンジドアスタイルからスライドドアに変更され、車高も1700ミリ台まで高められた。これは、長らく販売されてきたエリシオンの後継を兼ねており、中国市場では、日本のオデッセイをエリシオンとして販売していた。日本市場では、エリシオンはアルファード、エルグランドのライバルとして販売されていたが、販売不振であった。しかし、10年近くも販売されたいたため、一定の知名度・商品力は持っていた。エリシオンをオデッセイとして販売するには無理があるように感じた。個人的には、5代目オデッセイをエリシオンとして、2015年に発表されたジェイドを知名度のあるストリームもしくはオデッセイの名で販売してもよかったのではないかと思う。そのジェイドも2020年で生産終了している。

 ホンダの商品戦略は、時々目を見張るものがあるが、歴史ある名車が消えてしまうのは何とも言えないところである。

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