今時珍しいディーラー

 私が普段お世話になっているホンダの販売店だが、メーカー出資100パーセントの系列ではなく、地元の経営者が運営しているホンダの店舗に行っている。系列店は1店舗のみで、小規模で経営しており、試乗車も人気車種のみに絞っている。そのため、店舗・設備の充実度は大きいお店に負けるが、スタッフとお客さんの距離は非常に近く、付き合いが何十年、親子数世代という方もいらっしゃるそうだ。店舗環境が恵まれていない分、ハートで勝負しようという考えなのかもしれない。

 タイトルにの内容だが、私がお世話になっている店舗は、土地柄もあってか、高齢者の顧客の割合が高い。そのため、店にいるお客さんが私以外全員高齢者ということもあった。そして、何よりも驚いたのは、基本的にお客さんに新車を薦めないのだ。一度買ってもらったら、10年10万キロ程度乗ってもらって、お客さんが車が欲しいと言ったら売るという感じなのだ。そのため、整備工場に入ってくる車は比較的車齢が高めだ。例を出すと、2代目フィットの年代の車はたくさん入庫しているようだし、25年近く前の3代目ライフもまだ現役で走っているようだ。最近は、残価設定型クレジットや分割払いなどが浸透していることもあって、年式の新しい車のオーナーの割合が増えているように感じるが、それでも10年以上前の車を大事に乗っている方が結構多い。私の父もこんな感じで25年以上付き合っているが、基本的に勧められて購入した記憶はほとんどない。勧められて買った車は、生産終了して、在庫のみになったアクティトラックぐらいだろうか。

 販売店それぞれの運営方針があるのだろうが、私が世話になっている販売店は田舎にあるため、代替え=ノルマのために急いでいるという印象を持っている人も結構いるようで、代替えを急がせないで、整備を中心として大事に車を乗ってもらって、長くお付き合いする方針なのかもしれない。今時珍しい店舗戦略を採用し続けている販売会社と言えるかもしれない。

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