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VWがRivianへ最大50億ドル投資し、SDV実現へ

VWがEV新興;Rivianに対して最大50億ドルの出資及びEV&SDV関連のJV立上を行うとのことです。
本件出資を通じてRivianは開発中のマスマーケット向け車両(SUV/PUT)の開発/GtMを加速させ、VWは遅れていたSDV関連の技術を獲得します。
今回の提携協議はCEO同士の駄弁り、特にRivianサイドのPorsche愛が結んだともいわれ、やはりビジネスはヒトだなと感じる案件であります。

1;VWとRivianの連携

 6/25にVWはEV新興;Rivianに10億ドル投資すると発表、広範なSW開発契約に基づくもので最大50億ドルまで拡大する可能性がある
 Rivianはマス市場向けSUV-R2開発の推進にとって恵みの雨となり、発表で株価は時間外取引で36%以上急騰。VWは既存/稼働確認済みのEV開発基盤/SW技術を手に入れることで[時を金で買う]ことになる
 両社は[50:50のJV(協働CEO体制)]を設立し、事業成長と技術開発を実現。RivianはEVアーキに係る専門知識をVWと共有し、既存のIPRを新設JVにライセンス供与

 RivianのCEO; R.J.Scaringe氏は蓄積した知見の流出懸念はありつつも期待をのぞかせる
 [短期的に取り組むべき施策や製品が多くあり、Rivianの製品ポートフォリオ/基盤がVWグループ内で活用/活躍できるよう全力を注いでいる]

2;VWの動きと狙い

 投資に関しては10億ドルをCB出資し、規制当局の承認に基づいて普通株式に転換させる。現状の予定ではFY24-4Q実行予定で、その後に25年/26年に10億ドルずつ普通株を購入。投資最大予定額のうち残20億ドルはJVへの出資金/融資として扱われる
 Rivianの既存EVアーキテクチャ/SWのPFに全面アクセスが可能になる。対象はVWグループ全社で、Porsche/Audiに加えてEV専業のScout Motorsも対象となる
 長年にわたってCariadを通じてSDV(=更新しやすいSWの全車両導入)の実現を掲げてきたが、頓挫してきた…これを取り返すもの

3;提携協議の始まり

 両社協議は両社CEOがアトランタのPorsche-ExperienceCentreであった時に始まったとScaringe氏は述べている
 [私はポルシェの大ファンでクラシック356を修復し、VWの様々な興味深い製品を所有していた。我々は共通の自動車への関心があることにすぐに気付いた]
 [すぐ、どのように協力できるかという真剣な話し合いに発展した]
 また、VWのOliver Blume氏も同様の見解を述べた
 [最初の瞬間から2人の間には非常に良い雰囲気があり、考え方も関心も同じだった]
 [ビジネスは結局人間関係であり、相互理解は重要だと考えている。そしてRivianには最新のソフトウェアの経験があり非常に機敏だ]

3;Rivianの最近とSDV

 本提携はRivianが次世代PUT(R1T)及びSUV(R1S)の生産を開始して2週間で発表。新型モデルは中核部分(バッテリーパック/サスペンション/電気構造/車内シート/センサースタックなど)の全てを一新
 最新のEVアーキ/コンピューティングPFにより、車両制御むけECUは[第1世代;17個→7個]の削減されて[1.6マイル以上の配線削減][44ポンドの軽量化]が実現
 新しい電気アーキは[New Vehicle Topography(NVT)]と呼ばれ、Rivianの重要なイノベーションでワイヤレスSW更新が可能なモノ。NVTは、同じく社内で開発/導入されたRivianのSWスタックをサポートする
 対象には[自動車管理システム;熱力学/ADAS/安全システムなど]や[インフォテインメント]等様々なレイヤーが含まれるもので、いわゆるSDV。RivianとTeslaはどちらもZone-Architectureを用いている

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