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私はモスクワを歩く@VRChat
私はモスクワを歩く
でも私はまだ進むこともできる
塩辛い太平洋にも
ツンドラやタイガにも
ニキータ・ミハルコフ「私はモスクワを歩く」
筆者はロシア語を雰囲気でやっている。そういうわけで、VRChat内のソビエト/ロシア的ワールドへ関心が向いたのも、自然なことであった。この記事は、筆者が「VRChatを歩いた」記録の一つである。
Moscow Trip 1952-River Tram (v 5․1)
個人的「初心者でも行きやすいワールド」第1位。名前の通り、1952年のモスクワを散策できるワールドである。
![画像2](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/61322703/picture_pc_1292b1cfe30937e4f6276ea27df12fcd.png?width=800)
始まりはモスクワのアパートの一室から。ベランダからは秋のモスクワを一望できる。
![画像1](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/61322683/picture_pc_464a9c07c534c9cf0348e6c6fa5626c1.png?width=800)
ラジオでは複数の楽曲を聴くことができる。「私はモスクワを歩く」「我らの祖国は革命」「航空行進曲」「同志よ体操だ!」。
![画像3](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/61323118/picture_pc_a2ce14bbf324feeeb6b43d149d168c7a.png?width=800)
部屋から画廊へ行くこともできる。トレチャコフ美術館所蔵の名画を見よう。
絵画鑑賞に飽きたら、外の空気を吸いに行こう。中庭に出ることができる。
![画像5](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/61323802/picture_pc_dbb1906b44ffe5d098d1fa857999e108.png?width=800)
中庭には自転車や自動車が置いてあり、乗ることができる。
![画像5](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/61323745/picture_pc_527bf5f30084a420a7b343c7e1617dbc.png?width=800)
日本で一般的なアバターのサイズだと前が見えないかもしれない。身長170cmくらいのアバターを用意しておこう。
![画像6](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/61323874/picture_pc_efed9aa4cd64b2f7c46e385e38d5c00d.png?width=800)
![画像7](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/61323930/picture_pc_1bc7afef4ac6f9d9e8de43dc6b5f0b6b.png?width=800)
小さなサッカー場や射的も用意してある。疲れたら炭酸水自販機で喉を潤そう。
そしてこのワールドの目玉は、モスクワ川クルーズである。
![画像8](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/61324057/picture_pc_45ac456f06147c72a4bd431113da3a78.png?width=800)
船に乗り込み、美しいモスクワの景色を楽しもう。船内にはやはりラジオがあるので、音楽を聞くこともできる。
![画像9](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/61324134/picture_pc_bce5c3e0f9982949a1d9edd42f3bd62b.png?width=800)
アパートメントと飛行船、そして世界最大のビルディング「ソビエト宮殿」。
高さ100mの巨大なレーニン像がそびえる巨大な公会堂は、実在しない。もともとこの場所には、1812年ナポレオン戦争の戦勝記念と戦没者慰霊を兼ねた巨大な教会、救世主ハリストス大聖堂があった。
![画像10](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/61324487/picture_pc_89f1f84264dd5d476a5062d3827e1a67.jpg?width=800)
ロシアの権力を掌握したソビエト政権は、「宗教はアヘン」とみなして正教会を弾圧。1931年に大聖堂は爆破され、ソビエト政権樹立を記念する記念碑を築くことが予定された。それが上述の「ソビエト宮殿」である。高さ415mの大会堂は、エンパイア・ステート・ビルディングを上回る当時世界最大の建造物で、中には美術館なども入居する予定だった。
1939年には「宮殿」の基礎のかなりの部分が完成していた。が、建設はそれで止まった。1941年には独ソ戦のため建設が停止され、鉄骨などはモスクワ防衛のための資材として供出された。さらに「宮殿」にとって不幸だったのは、1953年にスターリンが死去したことである。後任のニキータ・フルシチョフは計画を完全に中止した。1958年には、残っていた基礎部分が巨大な屋外温水プール「モスクワ」に転用された。
![画像11](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/61324953/picture_pc_69da08e57971f737aadcc8cb57d547f9.jpg?width=800)
(Fmaschek、CC 3.0)
ソビエト連邦解体後には教会の再建の機運が高まった。1995年にプールの撤去が始まり、2000年に救世主ハリストス大聖堂は「復活」した。
![画像13](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/61325304/picture_pc_28d5079bd900471861e5200716d4262d.jpg)
(Ketrin.sv、CC 3.0)
ソ連時代から「宮殿」は幻の存在であったし、現在のロシアにおいてもその存在は幻のままだ。
![画像12](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/61325135/picture_pc_5a5db782c29e86b336ad17cf5e28f7a5.png?width=800)
幻の「宮殿」を見に、モスクワ川へぜひ繰り出して欲しい。
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