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とぶとら

飛ぶ力があるちゃけ飛ばしてみらっしゃ。
戻る気があればそのうち戻るやろうて。

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この半年、「虎に翼」を好んで見ながら、主題歌を聴きながら、ずっと胸にあったこの言葉。

辺境離島育ち寅年の私が、
東京の大学に行きたいと希望し、
なんとか目指す学力に手が届きそう!
となった時、

両親は、

女の子を東京の大学まで出すなんて、果たしてそれは正しいのだろうか?

せめて九州内のどこかに行かせた方が将来安心じゃないか?

と頭を抱えたそうで。

それを一族の長的なおじに相談した時に、冒頭の言葉で陰ながら私の後押しをしてくれたと、10数年前におじが亡くなった後に聞きました。

大正生まれの島育ち。戦前に東京へ学びに出かけ、家長の死に伴い島へ戻って家を継いだ人。彼のこの言葉がなければ、私は違う道に進んでいたのかもしれません。

ことし五十路に踏み入りまして、
中年過ぎてから親不孝不義理が進行中、
大したことも成し遂げられず、
独力でできることは多くなく、
人様の役にも余り立てず、
大学で学んだことは生業にせず、
島に戻ることもなく。

あのとき力任せに飛んでみたものの、
風に流され煽られもし、
翼がもげるかと思う日もあり、
なんだかなーと萎れる日もあり。

それでもやっぱり、

飛んでよかった
飛ぶしかなかった

とはっきり言えるのは、全部わたしが選んで、噛み締めて味わってきたものだから。

人生も世の中も簡単に割り切れるもんじゃない事だらけだけど、

わたしはわたしで良かったな!

と両手をあげてブンブン振り回したい、そんな気分になるドラマでした。

あ!

あの時飛ばなければ、cozyにも大好きな友達たちにも会えなかったかもだから、やっぱり飛んでよかった!!

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