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賃貸の契約ルール 明確に

3月7日日本経済新聞朝刊記事より一部引用、要約。

世間はコロナ一色ですが、今回は、4月から施行される「改正民法」の中から、「賃貸借契約に関するルール」についてポイントを紹介します。

■改正民法で明確になる「賃地住宅のルール」のポイント

・敷金→原状回復費用などに充て、残額があれば借主に返還

・原状回復義務→借主は義務を負うが、経年劣化による損傷は大家が負担

・修繕→大家に頼んでも一定期間なされない場合、借主が修繕できる

・保証人→限度額を定めない保証契約は無効

・家賃減額→設備が故障などで使用不能となったら家賃を減額

大家と借主の間でトラブルが発生しがちなのは「敷金」「原状回復義務」でしょう。現行の民法では敷金の定義や原状回復の範囲が明確ではありませんでした。

今回、「敷金」については”賃貸借契約によって借主が大家に対して負担する金銭債務を担保するために大家に預けるお金”との趣旨を規程しました。退去時に大家は債務を控除した金額を借主に返還しなければならないとしています。たとえば、月家賃の滞納があれば、それを敷金から差し引いた残額を借主に返還することとなります。

一方「原状回復義務」については、原則は借主にあるとしながらも、その範囲については明確化されました。その範囲とは、借主の不注意によって床や壁を汚したり傷つけたりした場合に限定し、通常生活しているなかで生じる損耗や経年劣化は含めない、とされました。エアコン等の故障、屋根など建物の一部破損などにより使用ができなくなった場合、現行民法では”借主は賃料の減額を請求できる”とのみ記載されていました。改正民法では、”その程度に応じて賃料が減額される”と明記されました。どのような故障の場合にどれだけ減額されるかは、ケース・バイ・ケースとなります。

次に「保証人」問題があります。通常家を借りる際には身元保証人を立てることが多いと思われます。保証契約では”借り手の一切の債務を引き受ける”とされるケースが多いのですが、改正民法では保証人が負うべき責任の上限額(限度額)を定めない場合の契約は無効となり、保証人の責任が限定されることとなります。

一見すると、借主側に優位な内容に改正されるようなイメージがありますが、改正民法が施行される4月1日前に締結された契約には、上記の改正民法の変更内容は適用されないので注意が必要です。

また、契約を更新する際には、今まで以上に内容をしっかり精査する必要もあります。不明な点がありましたら、法律家等の専門家に相談されることをお勧めします。



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