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【千字文0009】君も大惨事を作ってみないか?(2)

さて、前回は「君と大惨事を作るRPG」こと『フィアスコ』について、何がどう悲惨で面白いのか、という点を伝えようとしてやはり文字数が不足し、中途半端に終わったので続きをば。

ここまでで
①各プレイヤー間の「関係性」を設定し、皆で肉付け
②各プレイヤーが自分視点で1シーン語って、判定を他プレイヤーに委ねる

まで書いたよ。

判定については「まとも」なのと「ヤバい」のの2択にしてあげると良いでしょう。「まとも」な方が選ばれたら白いダイス、「ヤバい」方が選ばれたら黒いダイスが1個、プレイヤーに渡ります。

シーン構成は前半2周、後半2周。つまり、各プレイヤー4場面ずつ語ることになります。前半は、判定ダイスを自分以外の誰かに渡し、後半は自分で引き取ることになります。

前半終了時、持ってるダイスの白黒の出目の差分が大きかったプレイヤーが、「転落」表から、今後の展開に関わるキーワードを選びます。

もうねえ。「転落」って時点でどうなの…それまで割と良い話っぽかったはずなのに、いきなり急転直下を強いられるんやで。「運命の悪戯」が怖過ぎるのです。例えば…

「手のつけられない大暴れ」
「友人の裏切り」
「小さな誤りが破滅をもたらす」

後半の語りでは、このいきなり振られた伏線を回収しつつ、結末へ向けて盛り上げなくてはなりません。

全ての語りが終わると、手元にあるダイスを振って、「残響」表を確認。数時間付き合った自分のキャラクターのラストシーンを、示されたキーワードに沿って描写します。こちら、どんな内容かと申しますと…

「罪無き人さえ巻き添えにして、凄惨な状況に。ぜんぶ、君のせいだ」
「かつての名声は砕け散った。自ら墓穴を掘ったのだ」
「死んでないのは見た目だけ。心の傷は決して癒える事はない」

などなど。割とダイス運が良くても、生きていればめっけもん、くらいのエンディングへまっしぐら。

言ったじゃん。これは「君と大惨事を作るRPG」だって。

人間て奴は、ハッピーエンドよりもバッドエンドの方を殊の外喜ぶ生き物なんです。そうじゃなきゃ、『かまいたちの夜』や『街』や『428』で、全てのバッドエンド見ようとして、分岐ごとにしおり挟んで確認したりしないから。

この2年間で、王道ファンタジーにヴィクトリア朝倫敦スリラー、果てはアイドル事務所の内紛やら、ねこねこパニック(?)に至るまで、数々の悲惨な目に遭いましてな…

次の被害者は、君やで。【がしっ】

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