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コロナショックから更なる「地域循環」を創り出す、とある地方飲食店の長期ビジョン

5月営業が終わり、6月も半ば。緊急事態宣言が解除され、店舗営業も徐々に再開し始めています。今回の記事をもう少し早めに書く予定でしたが、3月から今まで、毎日のように変わる世の中の流れに食らいつくのに必死で、ようやく少し形が見えた今の更新になってしまいました。

テイクアウトとイートインの両軸へ

いよいよ新潟県内のグループ店舗(7店舗中6店舗)は、短縮ではありますが通常の営業スタイルに戻りました。

ここで何が大変だったかというと、状況変化に対応したここ最近は集約型・効率重視で、テイクアウトを強化した店舗運営をおこなってきましたが、これからは両軸(イートインとテイクアウト)を考えながらの営業になるということです。
これが簡単なようで難しく、攻め方をシンプルにした方が現場スタッフは動きやすいと感じました。

5月末から徐々にスタートした店舗は、どちらに軸をおいて営業するのかの見極めが大事な状況でした。それが6月に入り、徐々にお客様のイートインでのお食事も増えてきています。そうした動きから、引き続きテイクアウトの強化も必要ですが、同時進行でイートインの需要に対するサービスの強化や戦略の立て方も非常に重要だと感じています。

営業スタイルをできるだけシンプルにする

先ほども述べたように、店舗営業は再開しても、コロナショック前とは体制が違います。まだまだ売上が読めない時期が続く中で、以前のように「スタッフがフルメンバーの状態でお客様を迎え入れる」という営業はできません。
そこで。グランドメニューを絞ったり、当日小人数でもOKなコースメニューを用意したりして、スタッフの動きをできるだけシンプルにすることを考えます。

今までの飲食店であれば週末の団体予約などもありましたが、現段階でその需要はほぼない状態。少人数の集まりやご家族でのご利用の場合、ご予約があっても当日や前日連絡で、さらにはコース等でなく席のみの場合が一般的です。スタッフは今まで以上にその場その場の対応に追われることが予想されます。

そこで、当日OKの「グランドメニューの抜粋に旬の食材を混ぜ込んだような少しお得なコース」を設けて積極的にご利用いただくようにすることで、オペレーションや仕込みをできるだけ一箇所に集中させ、現状の課題を少しでも解決しようと考えています。

魅力あるメニュー開発を

3月から続く経済的な悪循環を止める為に、できる限り安売りをしない意識をしています。価格を下げる努力をするのではなく、魅力あるメニュー作りや店舗コンセプトに結びつけた商品を出すことに力をいれます。

僕の言っている安売りは、「食材原価や人権費を無視してでも今はお客さんに来てほしいから、とにかく安くする。」この動きは、お金の流れは作れるかもしれませんがみんながHAPPYじゃない。

これから先も、(どの時代もそうかもしれませんが)安売りをすればお客様に来て頂けるかもしれません。しかし、安売りをした時だけ来て頂けるお客様よりも、将来的に考えて、お店が好きで来て頂けるお客様をできるだけ増やすことが大事かなと思います。

決して安売りが悪いわけではないですが、過剰な安売りは良い循環を産み出さない。今こそ、お店をさらに魅力的なものに育てファンを増やす大切な時期だと僕は考えています。それは、自社だけでなく食の大切さを考えるきっかけになるはずです。

判断基準=経営理念

危機的状況に立たされ、この先が見えない状況の中、僕がすべての判断基準としてきたものは「経営理念やビジョン」です。
何のためにこの仕事をやっているのかー 経営理念やビジョンは経営者やリーダにとって道しるべのようなもの。

SUZUGROUPの経営理念
「食を通じて未来を創造する」
そして、新潟を世界屈指の美食の街へ

みんなが喜ぶ豊かな地域循環を創り、大切なものを後世に繋げていくこと。これがSUZUGROUP として大切にしている価値です。
安売りをしすぎれば、誰かが苦しむことになる。仕入れ先である農家さんにも、値段が高すぎると思えば、「商品売価を考えた時にお客様に届けづらい」ということを正直に伝え、話し合いを行うこともあります。

新商品を開発するときも、単に地域食材をセレクトするのではなく、その土地の文化や背景を想いながら商品を考え、更にそれがお客様に興味関心を持ってもらえるものかどうかを考えます。食材ありき、その食材をどう活かして美味しい商品を作れるか、そこにこだわります。

また、伝統的なものを伝統にしすぎない。「伝統」とはそのもそもそその土地の日常。だからこそ、地域の食文化とどう紐付けするかが重要だと考えます。
現在の食文化に今も日常として存在する「伝統」を組み合わせることで、地域にとって唯一無二の食文化(=価値)がうまれ、それを楽しむ場がたくさんできれば、その土地は自然と美食の街としての価値がある土地になるのだと思っています。

SUZU GROUPの理念に興味を持ってくださった方はこちらもお読みいただけると嬉しいです。(以前参加したPR TIMES様の企画での、決意表明です。)

ブレない理念、ブレない理由

基本的な価値観や目的は利益よりも優先する
ブレない理由は、自己利益よりも前に目的や理念があること。自己の利益の為だと簡単に諦めがつくけど、仕事でもなんでも、やるべきことをつき進めることは、自分以外の部分に目的がある時にこそ努力できるものです。
それがブレない理由であり、経営理念であり、僕の人生の大切な大儀。
まだまだこの先どうなるかわからない状況ではありますが判断軸があることで、前に進めます。
ぜひ、みなさんの中にあるブレない理念、ブレない理由を見つけてください。そうすることできっといい答えが出てくると思います。

今回はこのあたりで・・・

僕もまだ余裕があるとは言えない日々が続いていますが、今後は皆さんにダイレクトに貢献できるようなことができたらいいなと思っています。
例えば、メニュー開発について僕なりの料理理論を公開したり、様々な事業の裏側を公開したり。かなり限定的ではありますが、オンラインでの相談会なども考えています。
それぞれの土地に地域循環を創り、新潟だけでなく全国各地の地域の豊かさが次の時代にも受け継がれるように、僕なりに応援できたらと思います。

それでは!また次回!!
ありがとうございました!!






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