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史実にもとづく物語ーMINAMATA-を観てきました

衝撃でした

自分の知識の浅さと感心の低さを感じずには、いられなかった。中学の公民の教科書にでてきた「日本4大公害」のひとつという認識。九州を訪れることもありますが、今回の映画がなければ、いまでも遠いかなたの記憶ストックに埋もれていました。

本作品は、日本における水俣病の惨事を世界に伝えたアメリカの写真家、ユージン・スミス氏の日本での取材を描くヒューマンドラマ。1971年から1974年の3年間にわたり、水俣で暮らしながら公害に苦しむ人々の日常と、闘いの日々を撮影した写真家の姿が描かれています。

写真家のユージン・スミスをジョニーデップが熱演。音楽は、坂本龍一が手掛けています。日本での公開は、9月23日からはじまりましたが、扱いが小さい印象を受けました。

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1971年は、私が生まれる1年前の年。同じ日本でこんなことが起きていたのか。ストーリーの展開が日本に移ると同時に、驚きと衝撃とが入り混じる。

水俣病は、メチル水銀により中枢神経を中心とする神経系が障がいを受ける中毒性疾患。熊本県水俣市周辺の化学工場から排出された水で、近隣の魚介類が汚染されました。環境汚染により引き起こされた健康被害であり、汚染された地域の自然や地域社会全体にも、大きな問題をもたらしています。

企業城下町の雇用者と労働者のパワーバランス、組織内の隠蔽、環境への配慮、処置や対応への過信。負の連鎖の末路は、いったい誰にくるのか?

人の営みの中で「絶対」という言葉は無いのではないか?だからこそ、謙虚に、真摯に取り組む必要があるのではないか?

われわれ人類は、かつてなかったように試されている。成熟すること、統御することを試されているんです。自然を、ではない。我々を
―レイチェルカーソン

1962年に「沈黙の春」を出版された生物学者 レイチェルカーソンの言葉が重く響きます。

いまでは、SDGzや環境問題のキーワードは、日々どこからでも聞こえてくる。けれど本当に向き合うことは可能なのだろうか?何を軸に、何を大切にするかで作られていく未来は、どんなものになるのだろう?

そんな問いが観た後もぐるぐるとめぐる作品でした。

本作品は、多くの方にぜひ観てほしい。

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