イツリア・バスクカントリー2021 第5ステージ
スペイン・バスク地方で開催される、パンチャーとオールラウンダーのためのステージレース。
今年はタデイ・ポガチャル、プリモシュ・ログリッチ、アダム・イェーツといった今年の「3強」が初めて激突するレースであり、今年最注目の1週間である。
第5ステージはオンダリビアからオンダロアまでの160.2㎞平坦ステージ。
バスク1周レースでは珍しい平坦スプリントステージ(但し、バスクにしては、という意味だが)。とはいえ、どのチームもピュアスプリンターはほとんど連れてきていないため、どんな決着になるかは想像つかない。
数少ないチャンスを掴めるスプリンターたちはいるのか?
コースプレビューはこちらから
逃げは6名。最初は5名だったが、のちにルクネスンドが合流する形となった。
イーデ・スヘリンフ(ボーラ・ハンスグローエ)
ジュリアン・ベルナール(トレック・セガフレード)
ヨセフ・チェルニー(ドゥクーニンク・クイックステップ)
ミケルフローリヒ・ホノレ(ドゥクーニンク・クイックステップ)
アンドレイ・アマドール(イネオス・グレナディアーズ)
アンドレアス・ルクネスンド(チームDSM)
これを追いかけるメイン集団は、総合リーダーのUAEチーム・エミレーツでも、総合2位のユンボ・ヴィスマでもなく、スプリント勝利を狙いたいイスラエル・スタートアップネーション、EFエデュケーション・NIPPO、チーム・バイクエクスチェンジ。
残り45㎞地点に用意された3級山岳ゴンツァガライガナ(標高364m)で集団と逃げとのタイム差は1分半にまで縮まる。
しかしその後はなかなかタイム差が縮まらず。
残り33㎞地点の3級山岳ウルカレギ(標高344m)の登りでまずはルクネスンドが振り落とされ、やがてスヘリンフもアマドールも耐えきれず崩れ落ちていく。
ドゥクーニンク・クイックステップの強力なデュオに唯一食らいついたのがベルナール。だが2対1という体制はあまりにも不利であった。
そしてメイン集団ではこの登りの頂上でタイム差はまだ1分15秒。最初にコフィディスのヘスス・エラダがアタックし、次いで下り区間でアスタナのアレックス・アランブルとオマール・フライレ――第2ステージでワンツーをもぎとったバスク人コンビ――が抜け出す。
一時期先頭3名とのタイム差を50秒近くにまで縮めたこのバスク人コンビだったが、やがて失速し集団に吸収。
集団も諦めムードが漂い、再びタイム差は1分半に拡大。
先頭の逃げ切りが決まった。
ラスト5㎞で最初に攻撃を仕掛けたのがホノレだった。この動きに、ベルナールはまったく反応ができない。
それを見てチェルニーもすぐさまに離陸。ベルナールはこれにもついていけず、昨年のツール・ド・フランス第18ステージでイネオスが見せたような感動的なフィニッシュシーンを再現して見せた。
メイン集団では本来起こるはずだった集団スプリントが再現されて、カタルーニャでも集団スプリントで2着、しかも強い走りを見せていたインピーが先頭を取る。
しかしやはりというかなんというか、そんな面子の中に顔を覗かせるログリッチとポガチャル・・・。
総合成績に変動はないまま、最終日のアラーテ山頂フィニッシュ決戦へと向かう。
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