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ヨーロッパのロードレース初戦「クラシカ・コムニタート・バレンシアナ1969」を振り返る!

いよいよ欧州ロードレースシーズンが開幕する。UCIレース自体はすでに南米ベネズエラで開催されている「ブエルタ・アル・タチラ」でスタートしているが、こちらは出場プロチームがドローンホッパー・アンドローニジョカトリくらいなもので重要な選手は出ていないため、そこまで注目していなかった。

しかし、1/23(日)のスペイン・バレンシアナ州で開催された「クラシカ・コムニタート・バレンシアナ1969」(別名グラン・プレミ・バレンシア)は違う。2クラスのレースではありワールドツアーチームは出場していないものの、トタルエナジーズ、エウスカルテル・エウスカディ、アルケア・サムシック、バルディアーニCSF、エキッポ・ケルン・ファルマ、カハルラル・セグロスRGA、EOLOコメタ、ブルゴスBHの計8つのプロチームが出場し、ニッコロ・ボニファツィオやサッシャ・モドロも含む、グランツール級の選手たちも多く出場する本格的なレースとなっている。


クラシカ・コムニタート・バレンシアナ1969はその名の通り1969年から続く伝統的なレースで、2005年以降15年に及ぶ中断期間を挟んでいたが、昨年に復活。

かつてはアレッサンドロ・ペタッキやオスカレ・フレイレなどの錚々たる顔ぶれが優勝しているスプリンターズレースで、昨年はトタルエナジーズのロレンツォ・マンザンがシーズン初勝利を飾っていた。


今年も例年通りのスプリント決着に。だが、雨が上がったばかりの路面は滑りやすく、またシーズン初戦の常ではあるが、まだレース慣れしていないプロトンの中では落車が頻発。

ラスト4㎞を超えた時点で先頭付近で1回目の落車があり数が削られた隊列の中で、まずはアルケア・サムシックが集団先頭を支配。

さらに続いてこれを被せるようにしてEOLOコメタが先頭支配を続けるが、ラスト1㎞を切ってから再び落車が発生した。


トタルエナジーズはエーススプリンターのニッコロ・ボニファツィオをこれで失う。

混乱した集団の中から飛び出したのは3名。トタルエナジーズのクリス・ローレス、EOLOコメタのジョヴァンニ・ロナルディ、そしてアルケア・サムシックのアモリー・カピオ。

最初並びかけた3名だが、やがてそこからローレスが脱落。これまで幾度となく各レースでの上位入賞を果たし続けてきたカピオの勝利なるか?!と思ったが、最後の最後まで粘り切ったロナルディがギリギリで前輪を残しきった。


勝ったのはロナルディ。昨年までバルディアーニCSFに所属していた25歳のイタリア人スプリンターが、新チームでの初戦でいきなりチャンスを掴み、現地にきていたチームオーナーのアルベルト・コンタドールに勝利を捧げた。


そしてカピオはまたも勝てず・・・まあ、2クラスなので、これで勝っても彼の「プロ初勝利」にはカウントされないけれど。


プロレースと言われる1クラス以上のレースの初戦は水曜日から始まる「チャレンジ・マヨルカ」から。今回のレースに参加していた選手たちも多くがこのチャレンジ・マヨルカにも出場し、ほかにもパスカル・アッカーマンやジャコモ・ニッツォーロ、マイケル・マシューズなどの参加も噂されている。


いよいよ本格始動する2022シーズンのロードレース。

今年も「りんぐすらいど」およびこの「りんぐすらいど・のーつ」で解説していくので、是非ともよろしくお願い致します。


今シーズンの予習は以下の記事でどうぞ!


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