データで分析する2022シーズン全ワールドツアーチーム+α
「りんぐすらいど」の方で元日から連載していた「2022シーズンチームガイド」。
その作成において集めたデータを利用していくつかの比較・分析を行ってみた。
開幕目前の2022シーズン。まずは「データ」で、それぞれのチームのポテンシャルを確認しておこう。
(各チームへのリンクは上記リンク、もしくは以下記事中のチーム名にリンクを貼っておきます)
2021シーズン獲得UCIポイントランキング
まずは単純に、今年の各チームのメンバーが2021シーズンに獲得したUCIポイントの合計をもとにランキングにしてみた(ワールドツアーチームよりも高い順位を記録した3つのプロチームも含めている)。
「21順位比較」の列は、昨年の体制のときのそれぞれのチームの順位と、それが今年の体制になったことでどう順位が変動したかを表している。
こうして見ると、最も順位を下げたのはアスタナ・カザフスタンチームとチームDSMの2つ(共に10ランクダウン)であることがわかる。
アスタナはヤコブ・フルサンやイサギレ兄弟、アレクサンドル・ウラソフなどの大幅な戦力流出が原因で、DSMは流出もあるが合わせて2020シーズンが実力以上の成果を出していたと考えることができる。
そのことを差し引いてもDSMはあまりにもな体たらくで、獲得ポイントは1位のイネオスの約5分の1でしかない。
ロット・スーダルもひどい状態で、このチームは長年(2015年~)タイトルスポンサーを務めてきたスーダル社が来年クイックステップに移ることも発表されており、かなり窮地に立たされている。
チームCEOのジョン・ルランゲは以下の記事でワールドツアークラスに留まる自信はあるし、戦略を変えるつもりはない、とも述べている。
同じく「UCIランキングのためにポイントを意識した走りはするつもりはない」と言っていたジャン=ルネ・ベルノードーGM率いるトタルエナジーズは近年大幅な強化を進めており、今年はついに「サガン軍団」を手に入れた。
その結果、トタルエナジーズがDSMとロット・スーダルを追い抜いて順位を上げており、DSMとロットはこれで3つのプロチームに負ける位置に落ちることとなった。
挽回は果たせるのか?
一方、順位を大きく上げたのは昨年シーズンを通して鮮烈な走りを続けてきたバーレーン・ヴィクトリアスと、ニッツォーロ&フルサンを獲得しエースのウッズも活躍してくれたイスラエル・プレミアテック(共に7ランクアップ)。
EFエデュケーション・イージーポスト(5ランクアップ)、コフィディス(4ランクアップ)、アンテルマルシェ・ワンティゴベールマテリオ(4ランクアップ)もそれぞれ順位を一気に上げる結果に。
これらはいずれも昨年下位に沈んでいたチームたちであり、とくにアンテルマルシェは2020年の終盤になって突如ワールドツアーへの昇格が決まり、急いで戦力をかき集めにかかった結果、ほとんどプロチームに毛が生えた程度のロースターでしかなく、実際に5月になるまで1勝すらできない危機的な状況であった。
だが、そこからの、タコ・ファンデルホールンの感動的なジロ・デ・イタリア逃げ切り勝利。
さらにはシーズン終盤のブエルタ・ア・エスパーニャでのオドクリスティアン・エイキングやレイン・ターラマエによるマイヨ・ロホ着用など・・・。
その立役者の一人エイキングは移籍してしまったものの、そのマインドを継承し、今年もこのチームは「思わぬ活躍」をしてくれることだろう。
さて、上記のランキングはあくまでも全選手の獲得UCIポイントを単純に合計しただけのもの。
ここからさらに、チームの人数や平均年齢で割って比較してみよう。
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