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UAEツアー2022 第2ステージ

第1ステージはこちらから

今年最初のワールドツアー、UAEツアーがいよいよ開幕。タデイ・ポガチャル、アダム・イェーツ、アレクサンドル・ウラソフ、マーク・カヴェンディッシュ、サム・ベネット、ディラン・フルーネウェーヘンなど、世界トップライダーたちが集まる豪華な7日間。

第2ステージはアブダビ首長国の人工島フダリアット・アイランドからアブダビ中心街アブダビ・ブレイクウォーターまでの176㎞平坦ステージ。

昨年最終日にも使われ、そのときはカレブ・ユアンが勝利したこのフィニッシュ地点で、今大会2度目の集団スプリント対決が繰り広げられる。


逃げは3名。

パヴェル・コヒェトコフ(ガスプロム・ルスヴェロ)
ミヒャエル・クークルレ(ガスプロム・ルスヴェロ)
ディミトリ・ストラーコフ(ガスプロム・ルスヴェロ)

同じチームから3名という珍しい構成。コヒェトコフとストラーコフも昨日も逃げており、昨日2つの中間スプリントポイントを両方先頭通過したストラーコフは、今日も2つとも先頭通過することに成功。

最大で4分を超えるタイム差を形成したこの3名も、残り36㎞で集団に吸収。

一時、ジャスパー・フィリプセンが自転車から足を下ろして歩いてみせてくれたくらいにスローペースな展開で勝負はすべて最後の集団スプリントへと持ち込まれることとなった。


昨日は残り500mでミケル・モルコフの番手をパスカル・アッカーマンに奪われていたマーク・カヴェンディッシュ。

この日も同じく残り500mでボーラ・ハンスグローエのアシストにモルコフの番手を奪われる。

しかし昨日はその後、さらにアッカーマンの背中から飛び出そうとしたところでボーラ・トレインに行方を阻まれて勝負権を失っていたが、同じ轍を踏むわけにいかないと、今日は彼はかなり早めに自ら勝負を仕掛けることにした。

すなわち、残り280m。ベネットを引き連れたダニー・ファンポッペルが集団の先頭に飛び出すと、そのベネットの背後からカヴェンディッシュは早くも、誰もいない空間へと飛び出した。

その右手から、ほぼ同じタイミングでスプリントを開始したのがジャスパー・フィリプセン。

同じタイミング、同じ条件で、カヴェンディッシュとフィリプセンの一騎打ちが始まった。


そのカヴェンディッシュとフィリプセンの間に挟まれていたアッカーマンも、少し遅れてスプリントを開始し、2人の番手を取りながら勝負のチャンスを窺う。

しかし、彼はある意味で昨日のカヴェンディッシュ状態。左カーブに合わせて進路を左へと取っていくカヴェンディッシュとフィリプセンについていった先で、コース左端を突き進むボーラ・ハンスグローエ・トレインに阻まれ、勝負権を失う。

そしてそのボーラ・トレインも、先行して前に躍り出たカヴェンディッシュによって進路を阻まれ、失速せざるをえなかった。

よって、勝負は純粋にカヴェンディッシュとフィリプセンの力比べに。

勝ったのは――。


やはり、直接対決では相性が悪いのか。

前日の覇者フィリプセンは、ギリギリで追い付けず、マン島ミサイルに完全に力でねじ伏せられてしまった。

そしてカヴェンディッシュにとっても、これだけのトップスプリンターの中で勝利を掴み取ったことは、ツール・ド・フランスへの出場に向けた一つの希望となるだろう。

明日は9㎞の個人TT。但しスプリントはまだ第5・第6ステージ残されている。

最強スプリンター対決の行方やいかに。

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