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ツアー・オブ・ターキー2022第6ステージ、ジロ・ディ・シチリア2022第4(最終)ステージ、クラシック・グラン・ブザンソン・ドゥー2022

2022年4月15日に開催された3レース(ベオグラードバンジャルカと2クラスのレースは除く)を振り返る。

ツアー・オブ・ターキー2022 第6ステージ

第5ステージはこちら

連日ド平坦の集団スプリントステージが続いていたが、この日はラスト4㎞から1.5㎞にかけて平均勾配5.6%の登りが続き、ラスト400mも同じくらいの勾配の「緩やかな登りスプリント」フィニッシュ。

登りでは総合2位パトリック・ベヴィンのためのイスラエル・プレミアテックが先頭でペースを上げていくが、ロット・スーダルはアシスト3名体制でユアンをしっかりと守護。さらに残り1.2㎞で先頭に躍り出て、支配権を握る。

そして最後の登りに突入。ここでもアシストはまだ2名。その後ろにベヴィン、さらにその後ろにはボーラ・ハンスグローエのダニー・ファンポッペル。サム・ベネットは早々に脱落している。

残り400mの登りを最終発射台ジャスパー・デブイストが勢いよく突き進んでいく。昨日はラスト200mで彼によって放たれたユアンが失速。敗北を喫したが、この日は残り100m近くまで牽引。しかも、並び立つトレインはなく、ユアンの後ろのベヴィンもついていくのに必死だ。最大のライバルであるジャスパー・フィリプセンは5~6番手と位置が悪い。

そして我慢しきれなかったダニー・ファンポッペルが先にスプリントを仕掛けたのを見て、ユアンが余裕をもって残り100mでスプリントを開始。

最後は圧勝。第1ステージに続く勝利。そして、調子は問題ないことを世界にアピールして見せた。

年齢は2022/12/31時点のものとなります。


ジロ・ディ・シチリア2022 第4(最終)ステージ

第3ステージはこちら

シチリア1周レース最終日は当然、シチリアの象徴たるエトナ山の山頂フィニッシュ。最後の登りは登坂距離17.7㎞・平均勾配5.5%。フィニッシュ前に用意された下りを含んだプロフィールである。

残り10㎞の時点で先頭は精鋭集団のみが残る7名。

ニコラ・コンチ(イタリアナショナルチーム)
ダミアーノ・カルーゾ(イタリアナショナルチーム)
ヴィンツェンツォ・ニバリ(バーレーン・ヴィクトリアス)
ケニー・エリッソンド(トレック・セガフレード)
ルイス・メインチェス(アンテルマルシェ・ワンティゴベールマテリオ)
ジェフェルソン・セペダ(ドローンホッパー・アンドローニジョカトリ)
ディエゴ・ローザ(EOLOコメタ)

唯一残ったアシストのコンチがカルーゾのために献身的に牽引。

そして残り8.1㎞。カルーゾがアタックを仕掛け、ニバリ、セペダだけがついていく。ローザは早々に遅れ、エリッソンド、そしてメインチェスも遅れていく。

残り7.5㎞。カルーゾを引き戻してメインチェス、エリッソンドも追いついてきたところで今度はニバリがアタック。カルーゾが食らいつき、それ以外は再び遅れる。

だが、このアタックも抜け出すことは叶わず、結局先頭はペースを落とし、ローザ以外はすべて追いついてくる。

アタックのたびに離れ、すぐさままた一つになる、を繰り返しながら残り6㎞からの下りを経て残り2.7㎞。最後の登りが始まる。

先頭のまま淡々と高出力で静かに加速していくカルーゾ。そのハイ・ペースによって、エリッソンドが遅れ、メインチェスも遅れる。

残り1.8㎞。セペダがアタック。しかしカルーゾもニバリも離さない。

さらに残り1.5㎞。最も厳しい勾配区間でカルーゾが腰を上げる。

セペダ、離れていく。ニバリもダンシングに切り替えるが、きつそう。

残り1.4㎞。ついにカルーゾがニバリを突き放す。このあと、ニバリは一気に失速。追いついてきたセペダにも突き放されてしまう。

最後は独走状態のままフィニッシュにやってきたカルーゾ。かつて、2019年時点ではプロ1勝しかなかった男が、2021年にジロ・デ・イタリア総合2位、同年にジロとブエルタでそれぞれ区間勝利。

そしてこのジロ・ディ・シチリアで区間2勝と総合優勝。ヤコブ・フルサンなんかもそうだが、こういった、長いキャリアの後半~終盤でいきなり好成績を叩き出していく姿を見ることができるのは、今勝てていない実力派アシスト系選手たちにとっても希望に映ることだろう。

おめでとうカルーゾ。今年はツール・ド・フランスに挑戦するようだが、そこでまた結果を出すことを期待している。

年齢は2022/12/31時点のものとなります。


ドローンホッパー・アンドローニジョカトリの24歳エクアドル人、ジェフェルソン・セペダが最後ニバリを突き放したまま3位でフィニッシュし、総合でも2位でフィニッシュ。

昨年のツアー・オブ・ジ・アルプスでも総合4位。若手の登竜門レースでもあるル・ツール・ド・サヴォワ・モンブランでも総合優勝するなど、未来を嘱望されている男の1人である。

エガン・ベルナルやイバン・ソーサ同様、アンドローニジョカトリ出身の南米人という意味でも期待。今年もこのあとジ・アルプスに出場。ジロ・デ・イタリアでの出場もありうるかも?


クラシック・グラン・ブザンソン・ドゥー2022

フランス東部、ブルゴーニュ=フランシュ=コンテ地域圏のドゥー(Doubs)県に位置する古都ブザンソン。そこをスタート地点とする、今年2回目の生まれたばかりのワンデーレースである。

第1回となる昨年は今年のヘント~ウェヴェルヘム覇者ビニヤム・ギルマイが優勝。但し、パンチャー向けだった昨年と比べ、今年はラスト4㎞に最大勾配12%弱の区間を含む平均8%の強烈な登りが待ち構える。

「激坂ハンター」アレクシー・ヴィエルモ(トタルエナジーズ)も何度か抜け出しを図るが叶わず。ティボー・ピノも遅れそうになるなど厳しい勾配での打ち合いを最後に制したのはヘスス・エラダ。

2019年のモン・ヴァントゥー・デニヴレ・チャレンジも制しているスペイン人クライマーがさすがの登坂力を見せて最後は独走勝利を決めた。

年齢は2022/12/31時点のものとなります。

追走集団の先頭を獲ったのは昨年のジロ・デ・イタリアの山岳ステージで逃げ切り勝利をしているラフェ。

コフィディスによるまさかのワンツーフィニッシュ。ピノは残念ながら14位に終わることとなった。

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