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ジロ・デ・イタリア2021 第18ステージ

いよいよ今年のジロ・デ・イタリアもあと4ステージ。第18ステージは今大会最後の平坦ステージ。ロヴェレートからストラデッラまで、ポー平原の真っ只中を突き抜ける、今年のグランツールで最長のステージ。


とはいえ、終盤には小さな登りが複数登場し、ピュアスプリンターには優しくない。そしてここ数年のジロ・デ・イタリア最終週平坦ステージの例に漏れず、この日も大規模な逃げが生まれメイン集団は20分以上のタイム差を許すまったりモード。

激しい総合争いステージの狭間に許された数少ないチャンスを掴み取るのは誰だ?

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マリア・チクラミーノを着るペテル・サガン(ボーラ・ハンスグローエ)の選別を潜り抜け、先頭に出ることを許された23名の内訳は以下の通り。

アンドレア・ヴェンドラーメ(AG2Rシトロエン・チーム)
ジャンニ・フェルメールシュ(アルペシン・フェニックス)
シモン・ペロー(アンドローニジョカトリ・シデルメク)
アンドリー・ポノマー(アンドローニジョカトリ・シデルメク)
ナトナエル・テスファション(アンドローニジョカトリ・シデルメク)
サミュエーレ・バティステッラ(アスタナ・プレミアテック)
ゴルカ・イサギレ(アスタナ・プレミアテック)
フィリッポ・ザナ(バルディアーニCSF・ファイザネ)
シモーネ・コンソンニ(コフィディス・ソルシオンクレディ)
アルベルト・ベッティオル(EFエデュケーション・NIPPO)
フランチェスコ・ガヴァッツィ(EOLOコメタ)
サミュエーレ・リーヴィ(EOLOコメタ)
ウェスリー・クレーダー(アンテルマルシェ・ワンティゴベールマテリオ)
パトリック・ベヴィン(イスラエル・スタートアップネーション)
ステファノ・オルダーニ(ロット・スーダル)
ダリオ・カタルド(モビスター・チーム)
ニキアス・アルント(チームDSM)
ニコ・デンツ(チームDSM)
ニコラス・ロッシュ(チームDSM)
ジャコポ・モスカ(トレック・セガフレード)
マキシミリアーノ・リケーゼ(UAEチーム・エミレーツ)
ディエゴ・ウリッシ(UAEチーム・エミレーツ)

メイン集団は早くも10分以上のタイム差を許し、ステージ争いはこの23名の中で繰り広げられることとなった。


とはいえ、ポー平原の遮るもののない大平原地帯においてはまだ動きは巻き起こらない。やはり、勝負所は終盤のアップダウンである。

残り26㎞。この日唯一の山岳ポイントである4級山岳カスターナ(登坂距離5km、平均勾配4.2%)に向かう登りを利用して「クレルモン=フェランのTGV」ことフランスTT王者レミ・カヴァニャがアタック。

一気に30秒近いタイム差を付けて独走する逃げ巧者。このまま、逃げ切りが決まってしまうのか?


しかし残り14㎞。カテゴリのついていない小さな登りで後続からアルベルト・ベッティオルが単独で追走を仕掛けてくる。タイム差はわずか12秒。

ベッティオルのもとにニコラス・ロッシュも追いついてくるが、登りではベッティオルが優位。

最後のスプリントポイント(ボーナスタイムポイント)を超えた先のこちらもカテゴリのついていない登り区間でロッシュを突き放したベッティオル。一気にカヴァニャのもとに追い付き、これを追い抜いてさらに加速していく。

カヴァニャも負けじと食らいつこうとするも、やがてまるでハンガーノックかのようにいきなりブレーキがかかるカヴァニャ。ロッシュにも追い抜かれ、そのままずるずると落ちていった。


そして最後の下りと平坦を前にして単独で先頭に立ったベッティオルは、そのままロッシュたちとの距離を保ったままフィニッシュへ。

今大会、山岳ステージなどでも積極的にアタックし、あるいはカーシーのためのアシストに尽くしていた男。元ロンド・ファン・フラーンデレン覇者が、彼にとって意外にも初となるジロ・デ・イタリアの勝利を掴み取る。そもそも、2年前のロンドがプロ初勝利。昨年エトワール・ド・ベセージュの激坂TTで2勝目。そして今回のジロが3勝目だ。

陽気な性格らしくフィニッシュ前に集まる観衆たちを盛り上げるジェスチャーでフィニッシュ地点にやってきたベッティオル。

今大会12人目の「グランツール初勝利者」となった。

第18ステージ


メイン集団は20分以上のタイム差をつけてフィニッシュ。翌日からの山岳連戦に向けてしっかりと英気を養えただろうか。


昨日のベルナルの意外な失速もあり、まだまだどうなるか分からない今年のジロ・デ・イタリア。

いよいよ、その最終章が幕を開ける。

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