【東村山編集室】「東村山市わたしたちのSDGsアイデアコンテスト」に溢れていた市民の東村山愛!
~未来に在りたい姿を模索する~
どーも!東村山編集室 ライターの suzumitsu(すずみつ)です。
東村山の “もっとみんなに知ってほしい!“ あんなこと、こんなことをお届けすべく
【東村山の宝探し】継続中でございます♪
さて今回は、東村山市が行っている素晴らしい取り組みについてご紹介したいなと・・・
皆さま、最後までお付き合いくださいませ☆
さて、我らが東村山市、令和5年5月「SDGs未来都市」に選定されました!
ご存じでしたか?
これまで市でも、このSDGsをまちづくりにおいての重要なテーマと捉え、各々の目標達成に向けた活動を推進するため「東村山市わたしたちのSDGsパートナー」認定制度を設けて、市内の事業者様のSDGsへの取り組みの後押しをしてきました。
そして、昨年の「SDGs未来都市」としての認定を機に、市内のパートナー同士の連携強化を図り、世界的な目標であるSDGsに向けた取り組みを更に推し進めるために、東村山市が主体となり「わたしたちのSDGsアイデアコンテスト」を開催することになったのです!
~ずっと住み続けたいまちを目指す~
「今後もずっと住み続けたい東村山」を目指しコンテストでは次世代部門と一般部門を設け、広い世代からSDGs目標達成に向けた取り組みやアイデアを募集しました。そして素晴らしい提案に対しては、市や有識者の後押しで実現を目指す
なんとも大義あるコンテスト!
「こんな前向きな取り組み、見過ごすわけには行くまい!」
地域ライターとしての血が騒ぎ、去る2月18日、一次審査通過者が登壇する二次公開プレゼン審査を傍聴してきた所感をレポートします!
朝10時から夕方16時過ぎまで一日がかりで行われた公開プレゼン審査。
審査員は市内外の有識者8名。
〈次世代部門〉では
ビジョンの明確性/プレゼンテーション力/地域課題の解決/社会的訴求力/今後の発展可能性
以上の5項目が審査の基準となり、
〈一般部門〉ではこれに加えて
貢献度の高さ/実行計画の詳細性/チームワーク/PDCAサイクルの適用度/パートナーシップ
が加わり計10項目に対して審査員が評価した点数の合計点でグランプリが
決まります。
およそ500通の応募総数から、二次審査への狭き門を勝ち抜いた方々がそれぞれの名案を持ち寄り、真剣な面持ちでプレゼンに臨んでいました。
〈午前の部〉は次世代部門として
・小学生コース
・中学生コース
・高校生コース
の一次審査通過者による公開プレゼンが、
〈午後の部〉は一般部門として
・アイデアコース
・事業実現コース
の一次審査通過者による公開プレゼンが行われました。
次世代コースの一次審査通過者は19組
・小学生部門5組(個人応募2名、グループ応募3組)
・中学生部門5組(個人応募1名、グループ応募4組)
・高校生部門4名(全員個人応募)
残念ながら取材は午後からだったので、午前の〈次世代部門〉は傍聴できなかったのですが、
実行委員長の方をはじめ、経営政策部企画政策課の方や参加者の保護者様などにお話を伺ったところ、午前の部も相当な盛り上がりだったようで、若い世代の勢いあるアイデア発表を見逃したのは実に残念無念!
では、いざ!気を取り直して〈午後の部〉です☆
次世代の勢いあるアイデアが飛び交った午前の部に対して、
大人の本気を見せつける午後の部、のぞいてみましょう♪
審査通過者はアイデアコース5名、事業実現コース5名(5組)。
どれも、東村山の未来を見据えまちへの愛が溢れているものばかりでした!
それでは〈アイデアコース〉の審査通過者たちの名案を順にご紹介~♬
① 「空き家を利活用して誰もが集まれる居場所を作る」
市内の空き家や小学校等の教育施設の空き教室を利活用して、誰もが集まれる居場所を作り、災害時にはそこを要配慮者のための避難所としても活用。その「居場所」は、雇用が生まれ、誰かと繋がりたい人たちの輪が生まれ、助けが必要な人たちを適所への支援に繋げるという役割も担うという福祉の観点から今ある問題を解決しようとする素晴らしいアイデア。
「困った」を抱えたときに皆が立ち寄れる場所があれば孤立を防げる!
プレゼンターの想いが溢れた提案でした。
② 「人権の森 『語りつぎ部』 事業」
2009年の市の「人権の森」宣言を受けて、市とハンセン病の歴史を後世へ残すことに尽力すべき!として考えられた『語りつぎ部』の事業。
多摩全生園やハンセン病についての歴史を資料として取りまとめ、当事者から次世代へ継承しよう。そして市内の教育機関での人権学習への機会をつくって皆が市の歴史にもっとしっかり向き合い、市民や街の中核としながら生きやすいまちづくりをしたいというアイデア。
・・・「このままでは(当時の歴史を知る人がほとんどいなくなってしまった現状では)なかったことになってしますでしょう?」という、プレゼンターが語った、当事者へのインタビュー時に出た言葉が脳裏に残りました。
③ 「地元野菜サブスクリプションサービス 『Green Connect』」
農家さんの多い東村山で地産地消をすべく、市内の新鮮野菜セットを毎月食卓に届けるサブスクリプションサービス。野菜セットの仕分けやラベル張りで雇用を生み、残念ながら売れ残ってしまった野菜は、購入者がサブスク金額とは別に課金することで、子ども食堂に寄付できる仕組みを設け、フードロス対策もするという+αの構想も。宅配だけでなくサブスク契約者は仕事帰りに直販所で受け取れたり、野菜セットもサイズが選べたり、家庭の食卓を預かる人ならではのアイデアでした。
どれも、「なるほど〜 いいなぁ!」と思わず口に出してしまう構想ばかりでしたが、その中でも面白くて他市との差別化もできるアイデアだなと思ったのが、
④ 「伊豆殿堀水力発電プロジェクト~江戸の知恵を未来につなぐ~」
東村山の自信や台風に強いが日照りに弱いという土地の特長や歴史から、野火止用水を利用した水力発電を東村山のシンボルとして掲げ、その水力発電を行う場所でイルミネーションイベントや「水力発電コンテスト」など、市内の人が楽しめる祭りごとを企画したい。それらが地域や子供たちへの教育機会にもなり、最終的には市内で水車の発電を地域で目指すというアイデア。
発電はあくまでシンボル的なものとして考え、繋がりを大切にした町おこし的な構想を語っていたこのアイデアは、地球にもまちの人にも優しい未来予想図を描いているものでした。
そして〈アイデアコース〉の栄えあるグランプリは・・・
⑤ 「みんなの宝箱」
と題して、家庭にある子供たちの使わなくなったオモチャのリユースを市内で行おうという佐々木佳奈さんのアイデア。
市役所や児童館、スーパー、個人商店など、街の中に設置されたみんなの宝箱に、家庭で不要となったオモチャを託すことで定額のアインポイントが付与され、持ち込まれたオモチャが欲しい人はアインペイで買うという市内デジタル通貨を上手く生活に取り込むアイデア。
市内で完結するリサイクルは意義が大きく、また、幼い頃から「ものを大切にするということ」「ものを買うにはお金がかかるということ」を大人と一緒に学ぶいい機会になると思います。設置方法、おもちゃの管理等の衛生面・防犯面など、実装までの課題は多そうですが、構想としては気負いなく取り組めるSDGs!と感じました。
そしてプレゼンがとてもお上手で聞きやすかったです!
グランプリ受賞おめでとうございます!
~東村山の可能性を感じたアイデアが満載~
続いて〈事業実現コース〉。
こちらはグランプリには活動支援金50万円が副賞として用意される部門。つまり、応募者全員“本気で獲りに来る“ 現実味を帯びたアイデアが集まってくるコースです!
公開プレゼンに挑んだのは5組の事業者さん。
ここでも興味深いアイデアが次々に発表され、傍聴の時間はあっという間に過ぎ去りました。
では、二次審査に進んだアイデアをご紹介します!
① 「市内小学校と共創する!学ぶ×触れる×食す×繋がる “発酵”からパートナーシップを深めるプロジェクト」
発酵食品に魅せられ食べる米麹を自社開発した事業者さんが“発酵”を通して、フードロスの削減、食育・子供の健康増進、地域の活性化などを目的に地元農家と米麹を作って学校給食から全国へ展開したいと考えた壮大なアイデア。今至る所で注目されている発酵食品に目を付けた面白い旬なものでした。
② 「東村山のブランド野菜をつくり住みたくなる街づくりを実現する」
ポータルサイト「OIDEYO!東村山」を運営する事業者さんのアイデアは、
市内の農家さんや高校生・近隣の大学生など、市内外を巻き込んで東村山産のブランド野菜を作り、採れた野菜は加工したり地元料理やメーカーとのコラボを実現し、志村けんさん以外のブランドイメージを東村山に根付かせようとするもの。メディアへの露出やインフルエンサーの活用、ブランド野菜を作る過程もSNSで見せていくというスキームは、時代に沿ったマーケティングでやりがいのありそうな興味深いアイデアでした。
③ 「誰一人の取り残さない、誰もが自分らしく笑顔でいきていきやすいまち東村山へ『リボーン♡ステーションラビッツ村』で人おこし。まち全体がフリースクール的な環境がある東村山を目指す!」
長いタイトルに事業者さんの想いがFULLに詰まっているのがわかります。
市内では知る人ぞ知る!お祭りにたびたび登場するラビッコさんの中の人からのアイデアは、誰もがついつい触って抱きついてしまう着ぐるみが待つ着ぐるみカフェを開き、訪れた人が弱音・本音を吐ける、皆に愛される場所を市内につくりたいというもの。「失敗してもいいんだよ」を伝えるその場所はいろんな人が集えば自然と学びの場になり、生きる力や考える力を養う場所となり得ると語っていた姿はとても胸を打たれました。
④ 「学校の落ち葉で腐葉土を作ろう!」
市内小学校の副校長さんからのアイデアは、校内のシンボルツリー大けやきを始め、秋以降は落ち葉掃きで用務員さんの一日が終わってしまうほどの大量の落ち葉を利用して腐葉土を作ろうというもの。作った腐葉土は、校内5年生の取り組む米作りに生かす他、出来たお米や作った腐葉土は、市内の産業祭などで販売し、次の米、腐葉土づくりの資金とする。お金が廻る仕組みについても学べて、学校の先生ならではのアイデアでした。
そして〈事業実現コース〉の栄えあるグランプリは…
⑤ 「東村山の農作物を商品化し『みどりにぎわいいろどり豊かに笑顔つながる東村山』を実現しよう!」
市内で餡子を作る遠藤製餡さんと市内で食育活動をするICHIGO-ICHIEさんがタッグを組み、東村山産のサツマイモでお芋餡を作ろうという「おいもプロジェクト」。作付けと収穫を小学校に担ってもらい、そこで食育をします。
収穫後から加工前までの芋の洗浄処理を福祉施設で担ってもらうことで、ここでは雇用が生まれます。その後、遠藤製餡さんの持つ技術でサツマイモ餡として加工し、商品化されたものを給食メニューとして出したり、市内のイベントで販売したり、ふるさと納税の返礼品としたり…と、どこよりも具体的で無理のない実現可能な事業スキームは、聴いてるこちらにワクワクする高揚感と希望を与えてくれるものでした。
「どの(スキーム)パーツもボランティアでやらない!誰一人取り残さない!」と力強く語っていたプレゼンは誰の心にも響くものがあったと思います。
グランプリを取ったアイデアについては、今後、審査員をした有識者の方々と東村山市が協力し、事業実現に向けた伴走型の支援をしていくそうです。
今年で市制施行60周年となる我が東村山市ですが、このような意義のある企画や意欲ある市民の方々によって、今後ますます反映し、
「他市に誇れる市、誰からも愛される市へと歩みを進めている」と感じる、明るい未来を垣間見ることができたコンテストでした。
この「わたしたちのSDGsアイデアコンテスト」一次審査通過者それぞれのアイデアは以下の特設サイトで見ることができます!
https://www.city.higashimurayama.tokyo.jp/shisei/keikaku/sogo/SDGs/sdgs-idea.html
ごくごく私的な所感としては、前述したコンテスト審査基準がコンテスト情報ページに募集時点で明確に記載されていれば良かったのかもな~と感じました。素晴らしいコンテストでしたが、そこを明示にするかしないかで応募側の準備が違ったはずです。その点も含め今後のために、今回のコンテストの改善点などを担当課でブラッシュアップして、コンテスト自体の意義をもっと高めていけたら、応募者数も自ずと伸びてくるのではないでしょうか。そして、来年はわたしもチャレンジしたいなとひそかに思っています…。
コンテスト応募者の皆様に敬意を表して
…次なるおもしろいもの探しの旅に出ます!