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歌子と冷たいキス

2024年、灼熱の夏である。夏は暑い。分かってはいるが、しかし、やり過ぎじゃないかと思う。最高気温は体温を超えている。40℃超えも珍しくない。地球は何に対して怒っているのだらうか。まぁ怒られても仕方がないことしか、人間はしていないが。

とにかく暑さ対策が必要だ。冷たい飲み物が飲みたい。逆療法などと言って冷房の壊れた車内で暑い焙じ茶を部下に飲ませる谷村部長のような基地外はいない。コンビニでは凍ったペットボトルのドリンクが置いてあるのも珍しくない。しかしこれは溶け出すまで飲めず、また適度に溶けてくれたりはしない。

先日ファミリーマートに行くと、キャンペーンがやっていた。森永のアイスボックスグレープフルーツとアサヒの歌子こと三ツ矢サイダーをセットで買うと100円引きというのだ。これはだいぶ大盤振る舞いなサーヴィスだ。で、なぜセットなのかと言えば、歌子をアイスボックスに注ぎ、それを飲むというのだ。

これは大発明、というより、私からすれば「ほほぅ、ようやくお気づきになられたか」というものである。この飲み方の素晴らしさ、旨さは、もう三年も前の、コロナ禍における在宅勤務時に既に自ら編み出していた飲み方なのである。もっとも私の場合はアイスボックスに宝のドライ缶チューハイを注いで飲んでいたのだが(勿論飲むのは仕事後にね)。これが愛川に冷えてくれて、甘さもちょうどよく、実に甘美。プチ贅沢としてスーパー総菜とともにやる晩酌は、暑さを和らげる有効な手段となっていたのである。

歌子を注ぐというのは、酒よりは健康的だあ糖質と言う点では相当危険ではある。まぁそんな心配も一度これを試してしまうとどこかへ吹っ飛んでしまうだらう。それくらいにこの飲み方は強烈であり、最高であり、悪魔的である。

奇しくも今年はアイスボックスがコラボレーションの一環として吉岡忍、池田聡、中西圭三、伊秩弘将により本商品と同名の期間限定ユニット「ICE BOX」が結成され、同ユニットのシングル「冷たいキス」がCMに起用されて30周年となる。この再結成盤でない方(再結成盤は時の流れの残酷さを感じるがそれも一興)を聞きながら清涼感溢れるアイスボックス歌子を愉しむのも、なかなかいい夏の過ごし方ではないだろうか。

キスが冷たいよ 歌子と違うよ
ねぇ どうしたいの?

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