スージー鈴木新刊『サブカルサラリーマンになろう』の「まえがき」無料公開
さて、スージー鈴木、怒涛の新刊ラッシュの最後を飾る『サブカルサラリーマンになろう』(東京ニュース通信社)が好評発売中です。
少し遅くなりましたが、恒例の「まえがき」無料公開です。少しでもご興味持たれた方は、ぜひお読みくださいませ。ミドル会社員だけでなく、若手社員や、もしかしたら新入社員、さらには広告業界志望の大学生にも参考になる1冊です。ぜひ。
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「会社員になっても、サブカルをあきらめない」――これが本書『サブカルサラリーマンになろう』の中心メッセージです。
私が勤めていた会社は、広告代理店だったせいか、私より音楽に詳しい人がたくさんいました。私なんかよりギターが上手い人もごまんと。若手社員だった頃は、そんな先輩の方々に「お前はロックを分かってない!」などと諭されたりしたものです。
でも、私は今、音楽について書いて、たまにテレビに出てギター弾いたりしている。そうしているとき、頭をよぎるのです――「なんであの人たちは、音楽をあきらめてしまったんだろう?」。
逆にいえば、私が少しだけ、彼らよりもあきらめの悪い性格だったのでしょう。だから、会社員になってもカルチャーを忘れられなかった。そして自己顕示欲も少しだけ強かったのでしょう。だから管理職になっても恥ずかしげもなく表現活動を続けられた。
結果として私は、55歳で早期退職して、フリーの評論家として活動して、音楽について書いたり・しゃべったりしている。成功しているかどうかは微妙だけれど、少なくとも、その選択が正解だったとは強く確信している――。
でも、時代は私の方へとすり寄ってきています。終身雇用が微妙になり、非正規雇用が増えて、勤務形態も自由になって、SNSがこれだけ普及して……。会社員でもカルチャーをあきらめる理由のない時代へ。堂々と表現活動できる時代へ。いや、会社からとがめられても、別アカウントとか作って、コソコソ表現できる時代へ。
先の中心メッセージを補足すると――「会社員をメインにしても、サブとしてのカルチャー生活をあきらめない。そして自ら表現していきたい。できれば、いずれはそれで食えたらいいな」。
そんな精神をもった会社員を本書では「サブカルサラリーマン」と呼びます(「マン」といいつつ、もちろん性別は問いません)。「サブカルサラリーマン」――略して「サブサラ」になりましょう。
私の約30年の会社員経験から生み出された、サブサラになるための格言をご紹介していきます。その数は108個。人間の煩悩の数と同じ!
時代的には少し前の広告業界で培われた経験がベースですが、現代の、それも広告から距離のある業界でも、先の精神に共感してくれる人ならば、必ず参考になるはずです。
本書を活かして、いっぱしのサブサラになってください。そしてさらに新しい格言を次から次へと、更新していってください。
さぁ、サブサラになりましょう。私よりも、もっと早く、上手く、そしてお気楽に!
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