旧統一教会の宗教2世とTBSラジオと『ザ・カセットテープ・ミュージック』
旧統一教会の問題が起きてから、私の日々のメディア接触は大きく変わった。特に午後、日本テレビの『ミヤネ屋』を繰り返し録画設定にし、またラジオは、TBS『荻上チキ Session』の「メインセッション」が旧統一教会関連だったら、必ず最後まで聞く。
9月8日の放送は「シリーズ・宗教2世を考える~ジャーナリスト・鈴木エイトさんの取材報告」と題されていた。クルマで移動中だったので、久々にスマホではなく、カーラジオでオンエアを聞いた。
ゲストで登場したのが、旧統一教会2世の黒沼クロヲさん。聞いていると、黒沼氏から驚くような発言があった。
なんでもTBSラジオの『JUNK』や『Dig』、そして『Session』などを好んで聞いていて、もちろんそれらは、教義とぶつかるところはあったものの、それでも、宗教1世である親の目を盗んでTBSラジオを聞くことで、かなり救われたのだという。
そのあたりを語る箇所の番組音声。
●ポッドキャスト(23:23頃から)
●Radiko(頭出し済。聴取期限あり)
クルマで聞きながら、ちょっと感極まってしまった。この発言は、どれほどラジオ関係者を勇気付けることだろう。駐車場に駐めたクルマの中から、こういうツイートをした。
そして、がらっがらの映画館で、映画『チャーリー・イズ・マイ・ダーリン』を観て、帰宅して、マリーンズ戦をテレビ観戦していると、私のツイートに驚くようなリプライがかぶせられた。
何と、黒沼氏ご本人からのツイート。そして、あろうことか、私が出演していたBS12『ザ・カセットテープ・ミュージック』が、TBSラジオと「同じくらい救いになった」のだという。
私の返信。
話は以上なのだが、ラジオや(地上波ではない)テレビや、活字メディアに関わっていると、「こんなの、誰も聞いていないんじゃないか、誰も見ていないんじゃないか」と思うことがある。何度もある。
そして、そんなシニカルな姿勢や態度がクールだと思ったり、さらにはシニカルな思いから、自分のパフォーマンスのハードルを勝手に下げてしまう人がいる。
私自身についても、そんなことはなかったと断言することなど、到底できない。
いやいや。でもね、誰かが聞いている、見ている。それも切実な想いを持って、耳をそばだてて、目をこらして、じっと。
――と、そんなことを考えたのだ。
リリー・フランキー『東京タワー』の中の好きなフレーズ――。
「やっぱりあいつに書かせて・喋らせて正解だったわぁ」と言わせてやる。切実な想いを抱えている、あの人、あの人、あの人に向けて――以上、自戒をちょっとだけ込めて。
最後に宣伝。そんな『ザ・カセットテープ・ミュージック』のイベントを久々にやります。スージー鈴木の本拠地でもある会場(南青山BAROOM)は100席もない小さなところですので、特に会場チケットはお早めに(月曜12日の19時販売開始)。