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イー○ン・マ○クのせいで犯罪者になりかけた話

ある日、ツイッターのタイムラインに
とあるユーザーの「誕生日になりました!」という文字と共に
プロフ画面上に風船が飛んでいる画像付きのツイートが表示された。

至ってよくある光景だと思う。
毎日がエブリデイ、それはきっと誰かの誕生日。
「あら、めでたいわねぇ」なんて気持ちで、いいねとリプを送ろうとした。
しかし、同時にあることに気付く。

「この人、ずいぶんと久しぶりに見かけたなぁ」と。

その方は、共通の趣味でフォロー・フォロワー(以下「FF」)内となっていた方。
しかし、そこまで密にコンタクトをとる関係ではなかった。
片手で数えられる程度に満たない頻度ではあるが、
何度かリプで会話をしたことがあり、いいねもいただいていた記憶がある。
僕の記憶では、年齢は20歳前後で女性の方という印象。

体感では1年くらい、タイムラインで見かけていなかったのだが
もしかしたら受験や就活で忙しかったのかな?と考えた。
プロフに飛んで直近のツイートを見れば
合格や内定をもらったのでツイッター再開しました!的な投稿があるかも。
そんな、ささやかなセレブレイトがそこにあるやもしれぬと思い、
アイコンをタップして、その方のホーム画面へとジャンプ。

しかし、そこでとあることに気が付く。
FF内であれば表示されるはずの「フォローされています」の文字はなく、
更に、フォローボタンも「フォロー中」ではなく「フォローする」の状態。
直感的に「あ、ブロ解されたんだな」と悟った。

ここで、念のためにブロ解について解説すると、
普通にフォローを外すだけでは、自分のアカウントがまだ相手にフォローされている状態が継続されてしまう。
そこで、ブロックの手順を踏めば相手からのと自分のフォローも同時に外れるというのがツイッターでの仕様だ。
加えてその後、そのブロックを解除すれば最初からFFではなかった状態に戻る。
ブロックしてから解除する、だから「ブロ解」ということだ。

両者のそこに至るまでの経緯は様々であろうが、とにかく
相手にフォローされたままだと落ち着かない、という人が行う手順であろう
というのが僕の持つ「ブロ解」の印象だ。

SNSが繁栄を極める現代、なにかの拍子に
「この人、ちょっともう興味ないし今後も関わることないだろうな」
と考えて関係を断とうにも、表面上だけでも何事もなかったかのような穏便な形に落ち着けたい、と考えるのが人の気持ちというものだろう。

共通の趣味ではじまった繋がりも、時間が経てばその関係に多少なりとも変化は訪れるもの。
そんな人間交差点、ツイッターロードに立つ身としては
少々の寂しさを感じつつも「そんなこともあるか」くらいの気持ちでいた。
自分の普段のツイートが相手にとって無味乾燥だったのであろう。
むしろそこに対する、若干の申し訳無さ(と卑下た表現をするほどのものでもないが)すら感じていた。

だが、ここでひとつ疑問が残るだろう。
なぜFF外となっていた相手のツイートが自分のタイムラインに表示されたのだろう?と。

しかし、私には見当がついていた。
ツイッターのタイムラインを「おすすめ」のタブで閲覧している時の
話だが、
FF外のユーザーのツイートが表示される際には、そのツイートのすぐ上に
「AさんとBさんがいいねしました」的な文言が表示される。
この仮名の部分には、自分がフォローしているユーザー名が代入される。
「あなたがフォローしている人たちは、同じこのツイートにいいねをしましたよ。ご興味はおありでしょうか?」
というのが、定期的にタイムライン上にランダムに表示されるのだ。
しかし、ここ最近のツイッターの仕様変更により
この「いいねしました」の文字が表示されなくなったのだ。

  1. FF内だと思っていた相手からブロ解をされていた。

  2. そして、上記の仕様変更がなされた。

要約すると以下の通りになる。
私をブロ解はしたものの、私がフォローしていた別のユーザーはまだその方と繋がっており、
そのフォローしていたユーザーたちが、その方の誕生日ツイートにいいねをする。
結果、FF外になっていることに気付けない状態のまま、その誕生日ツイートが自分のタイムラインに浮上してきてしまったのだ。

危うい。非常に危うい状況に置かれていたのだと戦慄を覚えざるを得ない。
なぜなら相手の視点からすれば、興味をなくしてバイバイしたはずの人間から
何食わぬ顔でいいねと「おめでとう~~~!」なんていうノンキなリプライが飛んでくるのである。
女性という立場であることも鑑みれば、その方にしてみれば恐怖以外の何ものでもないであろう。

あと一歩のところで自分が、かなりえぐめのストーカー的な扱いを受けても不思議ではなかっただろう。
こんな些細な所に、下手をすればおロープ頂戴、ポリスメンのお世話になるかもしれないトラップが用意されているとは思ってもみなかった。
重ねて言うが、本当に危ないところであった……。

おのれイーロ○・マス○…。俺は絶対に、貴様の毒牙にはかからんぞ…!
今日も拳を握りしめ、私は細心の注意を払いながらツイッターを楽しく眺めているのであった。

みんなも気をつけてね…。