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新型コロナワクチン接種後にたくさんの人が死亡しているのは、どう考えたら良いのか?

ワクチン接種後に亡くなった方の遺族12名が遺族会を結成して集団訴訟を予定しているとのこと。
私も4回目を準備しているところですが、多くの方が複数回ワクチンを接種していますが、こんなニュースを見てワクチンの安全性を懸念している人も少なくないと思います。
メディアも本件に関しては適当な説明が出来ておらず、不安は払拭されません。Twitter等のSNSを覗くと反ワクチン派の書き込みも多く、さらに不安は募ります。
本件について、どう考えたら良いか、素人ながら客観的な視点で書いてみたいと思います。

遺族会結成、集団訴訟の準備との報道

原因は何であれ、亡くなった方の遺族の気持ちには寄り添いたいと思います。お悔やみ申し上げます。

訴訟に関しては動向を注視したいですが、私個人の意見としては、因果関係を認定してもらうのはかなり難しいと思います。

新型コロナワクチン接種後死亡は1881件

既に、接種後死亡については1800件を超える報告がなされています。
リンク先の日刊ゲンダイの記事にもありますが、ワクチンと死亡との因果関係が否定できないものは0件であり、残りの全数は、因果関係が無い、あるいは情報が少なくて因果関係が評価できないものとなっています。

それってどうなっているの、と言うことでもう少し細かく見てみましょう。
次のリンクは厚労省のHPです。

こちらには、専門家会議の議事録や細かいデータも公開されています。
報告対象には、「ワクチン接種後には、接種と因果関係のない偶発的な事象も生じるが、因果関係が不明な場合も含めて、副反応を疑う事例として広く収集し、評価の対象としている。」としているので全ての死亡例が積み重なっています。

ワクチン接種後に生じる様々な事象について

各ワクチン毎に年齢、性別、死因等について細かく記載され、評価結果も記載されています。

これをざっと見ると、多くは心疾患やくも膜下出血など、心臓・脳血管等の循環器系疾患で亡くなっている人がほとんどです。
新型コロナウイルスには心筋炎等の副反応も知られているので、関係しているのでは?と疑念が湧きます。
厚労省では接種後死亡については、以下のようなQ&Aを公開しています。

分かりやすい説明ですが、「心筋炎等が死亡と関係しているのでは?」との疑念は完全には払拭出来ません。

新型コロナワクチン接種後に死因となる病気が多くなるか?

先程の厚労省のQ&Aのなかに、「接種が進んでいる米国では、ワクチン接種後の病気の発生率と、接種を行わなかった場合の予想される病気の自然発生率を比較するなどの評価が行われています。これらの調査の結果、米国CDCは2021年6月時点で「死亡事例とmRNAワクチン接種には明らかな因果関係がない」と評価しています」との記載があります。
本当か?をいくつかの公開されているデータから検証してみたいと思います。

報告された死因の多くは心疾患や脳血管障害、いわゆる突然死と認識されるものです。突然死はの中でも、心疾患は自然では、どのくらい起きているのでしょうか?

日本AED財団のHPよると、年間 7.9万人 の方が心臓突然死で亡くなっているとのこと。AEDがあれば救える命だったりするわけです。

いっぽう、これまでの総接種回数は327,967,999回(令和4年10月20日公表)とのことです。

わかっている数字から計算してみる

この数字と日本の人口(R4.1.1現在 1億2592万7902人)から、接種後(仮に3日間)に心臓突然死で亡くなる人数を計算してみます。要件を箇条書きにしてみました。

  • 新型コロナワクチン接種総数 327,967,999回(令和4年10月20日公表)

  • 1年あたりの心臓突然死の確率は 年間 79,000人 / 日本人口 1億2592万7902人 = 0.00062734309

  • 仮に3日以内だとすると 3(日) / 365(年)

これらを全部かけると、接種後3日間に、因果関係なくても突然死で亡くなる可能性のある人数が計算できます。

327,967,999 x 3/365 x 0.00062734309 = 1691.08321573

ということで、接種回数、3日間に心臓突然死で自然に亡くなる方は 1,700人程度計算されます。
3日じゃなくて2日だろ、とすれば2/3かけて1,127人となりますが、いずれにせよ、報告されている1,881人と数字的には大きな差は無い事がわかります。
それ以外の病気を全部積み上げるのは難しいですが、脳内出血3万2654人も足して同様に計算すると、2,390人となります(3日より短く計算しないとオーバーしてしまう)。

自然死と接種後死の人数は計算上変わらない

以上、計算上は、接種後3日以内に自然に突然亡くなる人数(心臓突然死と脳出血が死因のみ)は、新型コロナワクチンを接種して報告された死亡数と変わらない、という事が分かりました。

超過死亡はどうなっているのか?

なんだ、1881人死亡とかあったけど、何もしなくても亡くなってたりするんだ、と安堵しました。あくまで計算上の話なので、前提条件(特に捕捉期間を何日にするか)が変われば違う答えが出るし、そもそも全部報告されているわけじゃないだろう、医師が気が付かないところで死んでいるかも知れない、もっと長いスパンで副反応(後遺症)をとらえろ、という言葉を否定する事もできません。
ところで、反ワクチン派がtwitter等のSNSで、「新型コロナワクチンによる超過死亡者数の増加する」との主張もあります。これはどうなっているのでしょうか?
厚労省のHPに、本件の疑問に答えられそうな資料がありました。

2021年の全死亡超過死亡の発生と新型コロナワクチン接種数の関係

https://www.mhlw.go.jp/content/10601000/000900468.pdf

調査結果の考察として以下の指摘がありました。

  • 一般に、原因は結果に時間的に先行することが知られている(Bradford Hillの因果判定基準における「時間的関係性」)。

  •  一部の地域のサマリーだが、コロナ禍における超過死亡数の発生と、新型コロナワクチン接種数の間の時系列的な関係は説明が難しいと考えられる。

  • 現時点において、ワクチン接種が超過死亡の原因になるという学術的な検証を経た科学的根拠は他の国からも報告はない。

少なくとも日本においては関連性は低いと思われます。

マスコミやSNSに騙されないように一次情報を入手しよう

マスコミがある程度のリテラシーを持ち、謙虚に専門家の意見を聞いて判断すればあまり間違った情報が流れる事は無いのだけれど、特に新型コロナウイルス以降、マスコミやコメンテーターの質の低さが目につくようになってきています。
マスコミが駄目だからSNSを覗くと、有象無象、玉石混交の情報が溢れている。多くの人が言っているから合っている、とも判断出来ません。SNSは自分のスタンスやフォローしている人の考えに近いものが勝手にフィルターされてしまうからです。
政府や行政に不満を持っている人は多いと思います。しかし、政府や行政が意図的に誤った情報を流すことは少ないと思います。なぜなら、多方面から指摘され、叩かれ、国家賠償訴訟にも繋がるからです。もちろん絶対に間違わないことは無いので鵜呑みにする事は出来ませんが、後で検証出来るので間違えられない職業であるのは確かです。
信頼がおける順位としては、信頼できそうな専門家(弁護士や医師や人によるので肩書で判断するのは駄目)のSNSの発信、政府や行政(国のスタンダード)、マスメディア、一般SNSやブログ、という感じでしょうか。表題だけでなく、記事は隅々まで読む事をおすすめします。


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