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中日ドラゴンズが指名すべきドラフト候補はコレだ!!~大学生・社会人バッター・逸材紹介~

 皆さまこんにちは。パルムンク(@suwaharu07)と申します。
 先日は『高校生バッター・逸材紹介』と銘打った記事↓


 を投稿し、2021年のドラフト対象となる有力なバッターを紹介させていただきました。


 さて、最初に高校生ときたら、次にくるのは大学生、そして社会人でございます。高校生から3~6歳も年齢を増した分だけ「即戦力」となることを期待される立場のアマチュア選手ですが、現実はそう上手くいくものでもありません。『即戦力のバッター』というのは、100人以上が指名される1回のドラフト会議で1人か2人見つかれば運がいいと思えるくらいに希少なモノだからです。


 しかし、希少だからといって狙わなくていいものではありません。むしろ希少だからこそ、即戦力のバッターを獲得できた球団は大きなアドバンテージを得るものです。

 今年の中日ドラゴンズは以前にもまして得点力不足に悩まされており、スカウト陣は「即戦力のスラッガー」を狙っているそうです。実際に、具体的な選手名もちらほらと挙げられていて……と、いうところで――

中日ドラゴンズが指名すべきドラフト候補はコレだ!!

 と銘打って、大学生&社会人の強打者を紹介する記事がこちらになります。

 前回の「高校生バッター紹介記事」とは少し趣を変え、単純にホームランを打てる選手の中から、さらに的を絞ってドラフト指名有力となる強打者10人を紹介したいと思います!
 紹介する選手は、主戦のポジションを参照して「捕手→内野手→外野手」の順に掲載しています。ポジションごとに目次をつけましたので、気になるポジションの選手だけを見てみたい! という方はぜひご参考にしてください。
 それでは早速紹介に入ります!

・捕手紹介――成長株が続々登場!(岩本久重・久保田拓真)

 ※安田悠馬(やすだ・ゆうま)という捕手も紹介したかったのですが、1試合をトータルで見られる映像等が見つからなかったため、今回は泣く泣く省いております。


①岩本 久重(いわもと・ひさしげ)  181cm91kg 右・右 早稲田大学

note岩本


・特徴
 名門早稲田大学に所属する4番・キャッチャー・副キャプテン。六大学リーグが誇る強打者の1人がこの岩本です。捕手という難しいポジションを堅持しながら打率3割を3度記録し、ホームラン数でも現役の六大学生で5指に入る本数を重ねました。


 バッターとしては、オーソドックスなスタイルからの豪快なフルスイングに目を惹かれます。ボール球でもスタンドインする強引さと逆方向へホームランする巧みさを併せ持っており、攻撃的なスラッガーだと言えるでしょう。

 高校時代は意外にも(?)俊足を見せており、ハイレベルな環境で捕手以外のポジションでも打棒を発揮した経験があります。恵まれた体格に高い身体能力を有した即戦力スラッガーの候補としては十分な素質を持ち合わせているように思えます。

アピールポイント:パワーと頭脳が共存する攻撃力!


⓶久保田 拓真(くぼた・たくま)  183cm97kg 右・右 関西大学

note久保田


・特徴
 関西学生野球リーグ随一の強打者です。プロ注目の140キロ超え投手がわんさかいるハイレベルなリーグで、3試合連続ホームランという離れ業を見せて注目を浴びました。リーグ公式戦のホームランはその3本のみですが、年々長打を増やしていったポテンシャルには下級生から注目を浴びていたそうです。

 動作に派手さはなく、堅実で小さな動きから…それでいて、力強い打棒が唸ります。ガッチリとした体格を生かし、軸足に体重を残す打ち方フライを打つのに適した打撃フォームにも見えます。実際はライナー性が目立つ気もしますが、芯を多少外しても痛烈なヒットが出てくるあたり、バッティングそのものが非常にパワフルなのでしょう。

 捕手としても強烈な送球を武器に持ちますが、彼が打撃に集中すればどれほど打てるのかという楽しみが大きいですね。また、実はこの選手、津田学園の正捕手として三重県から甲子園に出場した経験も持っています。ドラゴンズのスカウトは彼を高評価しているのですが、もしかすると高校生時代から現在の活躍を期待していたのかもしれませんね。 

アピールポイント:大きな体に宿す無尽蔵のパワー!


・内野手紹介――地方リーグに逸材集結!(山城響・水野達稀)


①山城響(やましろ・ひびき)  180cm86kg 右・左 富士大学

note山城


・特徴
 山川、外崎(ともに西武)を輩出した富士大学の3番バッターです。公式戦200打席で9本のホームランという本塁打率は非凡なもので……時代が異なるので一概には比べられませんが、打席数をベースにすると長打力では山川さえ上回るほどの成績を残しています。


 バッターとして目を引くのは、踏み足をクン、クンと小刻みに動かすタイミングの取り方です。緩急に強そうな落ち着きを見せており、一見地味にも見えるスイングの振り出しからイメージ以上に強い打球を飛ばします。均整のとれた体格をしてながら、ユニフォームの下には屈強な下半身がうかがえることがその理由かもしれません。

 野手としてはセカンドを守ることが多いようですが、外野を守るときは本職さながらの守備を見せてくれたこともあります。下級生時はショートを守り…と、コンバートを繰り返した背景にはバッティングを生かす意図やライバルとの切磋琢磨があったのでしょう。いずれにしても、多くの可能性を秘めた野手であることは間違いありません。


アピールポイント:身体能力の高さに裏打ちされた打撃技術!


⓶水野達稀(みずの・たつき)  170cm71kg 右・左 JR四国

note水野


・特徴
 なんといっても、2大大会で21打数10安打・打率.476・ホームラン2本という圧倒的な打撃成績が自慢です。社会人トップレベルのピッチャーから長打を何本も打ち、21歳と若い年齢、ショートという難しいポジションをこなす守備力を備える水野に注目しているスカウトも少なくないはずです。
 

 彼の良いところは「打つべきときに長打が打てる」点でしょう。勇ましい踏み出しから小柄に似合わないフルスイングで、内角はスタンドまで、外角は三塁線へ痛烈なライナーを飛ばすアグレシッブさを有しています。僅差の場面や無走者で長打を放つ場面が目立ち、欲しいときにホームランを打てる勝負強さがありますね。

 走攻守にハイレベルな水野ですが、このところの公式戦では打も守も精彩を欠くようで…。打撃フォームもオープンスタンスからスタンダードな立ち方に変えたりと、よくも悪くもまだ完成形が見えない部分があります。安定したパフォーマンスを発揮できるかどうかの見極めが、水野の評価に大きく関わる予感がします。


アピールポイント:試合の流れを読み切る勝負強さ!


・外野手紹介――最もホットなポジション!
(正木智也・ブライト健太・梶原昂希・鵜飼航丞・猪田和希・向山基生)


①正木智也(まさき・ともや)  182cm87kg 右・右 慶應大学

note正木


・特徴
 今年の即戦力スラッガーでは一番に名の挙がる選手でしょう。コロナ禍で試合数が減った六大学リーグにおいて、彼だけが通算10本以上のホームランを打っています。全国区のピッチャー相手でも逆方向にホームランを打ち、日本選手権優勝・MVPに輝いたすばらしいバッターです。

 威風堂々の風格から足を上げ、振り下ろすと同時に強烈なスイングをぶつけていきます。タイミングの取り方がやや独特のため時折緩急にしてやられる打席もありますが、どのコースで捉えてもスタンドまで持っていくパワーは傑出したものを持っています。

 気掛かりな点をあえて挙げれば、内角の速い球、食い込んでくる球を長打にするシーンが目立たないことでしょうか。また、慶應大学出身の野手は守備に気を取られて本領発揮できないケースもよく見られるので「打つことだけを期待したバッターか、1試合トータルのプレイを想定した野手か」で評価を二分する選手かもしれません。

アピールポイント:ドラフト候補No1のホームラン経験値!


⓶ブライト健太(ぶらいと・けんた)  184cm84kg 右・右 上武大学

noteブライト


・特徴
 たった2か月で全国に名を轟かせたのがこの選手。ホームランに留まらず俊足によって二塁打三塁打を量産し、全国大会ではドラフト1位クラスのピッチャー・隅田(西日本工業大)から完璧なホームランを放つなど八面六臂の大活躍。MVPは正木に譲りましたが、春の大学球界で最高の輝きを示したのがブライトでした。

 オーソドックスな構えをしつつ、打ちに行く際は上半身をぐっと傾け…そして下半身の強烈な捻りを活かしてホームランを放ちます。特に、足を捻るスピードと柔らかさ…スラッガーの素質はこの選手がダントツのように思えます! 

 恵まれた体格、50m走タイム5秒9、遠投100mという高い身体能力も持ち合わせ、守備範囲も広くアピールしています。しかし、一方でケガに悩んだことから試合経験が非常に少なく、ペナントレースの長丁場を戦えるかという点で疑問の余地が残ります。打撃フォームが安定するか、プレー中にケガなどを負わないかどうかがプロで重要な分岐点になりそうです。

アピールポイント:溢れんばかりの力強さと逞しさ!


⓷梶原昂希(かじわら・こうき)  188cm83kg 右・左 神奈川大学

note梶原


・特徴
 ものすごい飛距離を持った選手です。今年のドラフト候補では、前回紹介した有薗や先ほどのブライトも上回って身体能力ならこの梶原がNo1だと思います。


 バッターとしては、どれだけ振り遅れても痛烈な打球を放つパワーが最大の魅力です。逆方向へのホームランも珍しくないというレベルで飛ばしますし、巨体が嘘のように思えるほど軽快な守備を見せ、ついつい見惚れるようなスローイングを武器にしています。今年、短期間ながら大活躍した五十幡(日本ハム)を更にパワフルにしたタイプだと思われます。

 その一方で、五十幡と比較するにはどうしても無視できない欠点もあります。というのはタイミングの取り方に難があり、緩急を問わずボールに振り遅れる姿が目立ち、内角球への反応は特に苦心している印象があります。素質はすばらしいものを持っていますし、選球眼が特別悪いようにも思えませんので…とにかく、打撃コーチとの巡り合わせが重要になる選手だと思います。

アピールポイント:全方向にド迫力のスピード感!


➃鵜飼航丞 (うかい・こうすけ)  182cm100kg 右・右 駒澤大学

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・特徴
 駒澤大学で4番に座り続けている強打者です。軽く振るようなスイングでバックスクリーンに放り込むパワーが話題となった選手でもあります。100㎏と重い体ですが走塁はなかなかのスピード感があり、いい意味で体重を感じさせません。


 すさまじいパワーの裏には、内角や低めの難しい球を外野へ運べるリストの強さが感じられます。払い打ちのような形でもレフト前へ運んだり、強引ながらも上手に肘を抜いてインコースを弾き返したり、見た目に似合わぬ(?)曲芸打ちを披露するシーンも見られます。恐らく、プロレベルの変化球も弾き返せるだけの力があると思われる選手です。

 そんな鵜飼ですが、リーグ戦の通算打率は2割台、三振率は3割台と芳しくない数字を記録してしまっています。ドラゴンズの米村スカウトが「研究熱心」「毎回フォームが変わる」と指摘しているのですが、難しいコースでもヒットにできる分、狙い球を絞り切れないのでしょうか。どうも、考えすぎた状態で打席に入っているのではないか、と推測できる場面が多く見られます。

 ここぞの場面で2ストライクのストレートを見逃し…あるいはボール球になるスライダーへ手を出してしまったり…また、逆に三振を嫌って明らかなボール球を打ちに行ってしまったり、という具合です。打席での落ち着き方や、一発でボールを仕留めるミート力に課題のあるバッターだと考えられます。もう一つ、野手として、守備について語るのはやめておきましょう。

アピールポイント:観客を驚かせる豪打と巧打!


⑤猪田和希(いのだ・かずき)  175cm90kg 右・右 JFE東日本

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・特徴
 個人的にイチオシしたいバッターがこの人。スッとバットを立てて構えるフォームの安定感は、打席を見ているだけでも期待感が湧いてきます。まだ22歳と若いのにも関わらず、公式戦で3試合4ホームランという社会人トップクラスの打棒を見せた実力を持っています。


 猪田はセンターからレフト方向に伸びる打球がとても魅力的です。強打者らしいフォームから上手くタイミングをとってフライ性の打球を飛ばし、凡打であってもいい角度をつけることが出来ています。ドラフト1位候補の廣畑(三菱自動車倉敷)からタイムリーを弾き返す反応力も持ち合わせており、二大大会常連の強豪チームで4番を張っているのは伊達でないと思わされます。

 高校時代は捕手として注目を浴び、社会人へ進んだ後も1年目から大舞台でホームランを放つなどして大きく期待されていました。チーム事情のため、ここ数か月でポジションが外野へ固定となり、打撃に集中できるようになったのが、スラッガーとして覚醒した一因かもしれません。


アピールポイント:左中間をとらえるミートセンスと打球スピード!


⑥向山基生(むこやま・もとき)  184cm82kg 右・右 NTT東日本

note向山

・特徴
 大学時代から三拍子に定評のあった強打者です。「野球エリート」のような経歴で活躍を続けていましたが、ここ1年でホームランバッターとしての特色を強めてきたように思えます。  ……去年のドラフトで指名されると思ってたのに…


 バッター向山はクローズに近い立ち方から、全身をボールへぶつけるように強いスイングを見せてくれます。構えの見た目は異なるものの、打撃のイメージはソフトバンクの松田選手に近いです。コースに関わらず様々な球を打ち返し、特にインコースのボールを飛ばすことにかけては高い能力を持っていると思われます。社会人のハイレベルな公式戦でも、打った瞬間それとわかるような当たりを放つほどの飛距離も持っています。


 と、こうした打棒を誇る向山なのですが、どうも調子に波があるのが欠点となるでしょうか。タイミングの取り方も選球眼も良いせいなのか、打てそうな球をムリヤリ打ちに行って凡退するシーンもしばしば。守備も安定している一方で脚力や送球がずば抜けているわけでもないので、安定した活躍を望まれる社会人の選手としてはアピールが心細く見えたのが去年指名漏れした理由かもしれません。


アピールポイント:ボールへと叩き付ける迫力のスイング!


終わりに


 いかがだったでしょうか? 今回紹介した選手ですが……特に大学生の選手はコロナ禍によってアピール機会が制限された選手ばかりで、ハイリスクな面も無視できないところでしょう。そんなわけで、今回はホームランの飛距離が凄い、またはプロ注目の実力派投手からホームランを打っている点を重視して、ホームランを打てる選手を紹介させていただきました。

 『中日ドラゴンズが指名すべき』という点に大きく当てはまるのは、世代交代がまだ進まない外野であったり、阿部の二番手が全く足りないセカンドといったあたりでしょうか。

 即戦力===スタメン級と1年目から勝負できるか? という観点で選手を見るのも、大学・社会人バッターのプレーを見る際には乙なものだと思います。大学・社会人ともなると守備や走塁が評価される要素も大きくなりますが、打撃に焦点を置いて気になる選手を再考することをコンセプトにした今回の記事は我ながら面白く書けたものとなりました。

 本文は以上となりますが、この記事が少しでも、皆さんにとってドラフトを楽しむ際の参考になってくれればいただければと思います。ご一読いただき、ありがとうございました!!


 選手成績等の引用元
・https://draftrepo.blog.fc2.com/ 

 選手画像等の引用元
岩本久重:http://wasedasports.com/

久保田拓真・山城響・水野達稀:https://hochi.news/
正木智也・ブライト健太:https://www.chunichi.co.jp/chuspo
梶原昂希:https://www.sanspo.com/
鵜飼航丞:https://www.nikkansports.com/
猪田和希・向山基生:https://mainichi.jp/

 本記事における成績データ・画像等は以上のサイト様より引用させていただきました。

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