効果的なダッシュボードについて考える
こんにちは。Takayuki Suzukiです。
2回目の投稿となる今回は、意思決定や分析に効果的なダッシュボードについて考えてみたいと思います。
目次
・ダッシュボードとは
・ダッシュボードのメリット
・ダッシュボード構築のポイント
・効果的なグラフ作成のための参考図書・URL
ダッシュボードとは
ダッシュボードは、あらゆる情報を一目で把握できるように指標やデータが配置されたものです。掲載する情報はグラフとして表現される場合が多いですが、マトリクス表やコホートも必要に応じて載せたりします。
またダッシュボードを構築する上ではTableau / Google Data Studio / Redashなどのダッシュボード専用ツールを活用します。
(下図はGoogle Data Studioのサンプルダッシュボードです。)
ダッシュボードのメリット
問題や新たな気付きの早期発見につながる
ダッシュボードの各指標の数値変化を捉えることで、数値変化の背後にある要因特定を素早く行うことができます。
例えば、上図の上段中央の緑色の折れ線グラフ(Revenue)を見ると、9月25日の収益だけが、他日と比較して約3倍ほど増えています。左のSessionsのグラフと左下のProduct Adds to Cartのグラフでは9月25日に特別な変化は見られないので、特定の顧客が高単価商品を購入したことが要因ではないかという仮説が立てられます。
このようにダッシュボードを活用したアプローチで新たな問題や気付きを得ることができます。
レポーティングのための作業コストが下がる
レポーティングのためのデータの抽出・加工・集計・グラフ化という一連のプロセスはそこそこ時間のかかる作業にも関わらず、直接的な価値を生むものではありません(レポーティングの価値はあくまでデータから読み取られる事象とその要因の仮説、そして提案内容だからです)。
特に繰り返し確認が必要となるデータであればダッシュボード化するだけでこのプロセスを省略することができ、本来の価値を生む作業に集中できます。
ダッシュボード構築のポイント
「誰の」「何のための」を明確にする
まずはダッシュボードが対象とする人と目的を明確にします。
これによりダッシュボードに掲載すべきデータの種類や範囲を絞り込みます。
(例)
・「経営層」が「売上・コスト・キャッシュ等の財務状況をモニタリング」するため
・「ディレクター」が「ユーザーのプロダクトの利用状況をモニタリング」するため
・「エンジニア」が「サーバーインフラのヘルスチェック」するため
・「マーケター」が「集客施策の効果を計測」するため
掲載するグラフやデータの種類を限りなく減らす
”ダッシュボードあるある”ですが、掲載されるグラフやデータの種類が多くなれば多くなるほど、活用されなくなっていきます。
よって可能な限りグラフやデータを絞り込み、1ページあたり多くても10種類以下とするようにしておきます。
どうしても絞りきれない場合、グラフの分類毎にページを分けたり、Appendixのように必要とあれば参照するようなページを作成します。
比較対象の数値を配置する
数値は比較対象があることで差が生まれ、意味を持つことができます。
よって可能な限り、実績データと同時に比較対象となるデータも合わせて配置するようにします。下記は比較対象となる数値の例です。
(例)
・計画値との比較
・過去(昨日・先週・先月・昨年など)との比較
・ベースライン(予測値・しきい値)との比較
・カテゴリ(商品・ユーザー)での比較
各データの条件について説明書きを加える
ダッシュボードを参照する人が増えてくると、データの前提条件や成約条件を正しく理解しないまま捉えてしまう場合が起こりやすくなり、結果として誤った意思決定に繋がってしまうことになってしまうかもしれません。
よって、各データの条件について説明書きを加え、誰が見ても同じ理解を得られる状態にしておくことが大切です。
効果的なグラフ作成のための参考図書・URL
ダッシュボードをより効果的にするためには、わかりやすいグラフを作成することが重要になりますが、グラフ作成を行う上で参考になる書籍・記事を紹介しておきます。
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