東の天才と西の奇才

過去最高の大会と称されたキングオブコント2021の余韻も冷めやらない中、同時期に東京と大阪で豪華メンバーでのユニットコントライブが行われたのは運命なのかもしれない…

東京渋谷のヨシモト∞ホールで開催された東京夜光花と、大阪なんばのよしもと漫才劇場で開催されたアンチマリトッツォ~奴が来たら終わり〜がどちらも素晴らしいライブだったのでそれぞれの魅力を語らせてください!
どちらも配信が延長されていて今週末まで見ることが出来ます😊
軽くネタバレ含みますのでお気をつけてご覧ください💦

この2つのライブの共通点は脚本・演出がキングオブコントファイナリストのネタ書きであること、出演者がそれぞれの劇場所属の芸人で構成されていること、そしてオンライン配信が960円というお手軽価格であることの3点です。
このような共通点があるにも関わらずそれぞれの劇場の特色がハッキリと出ていて見比べるとその違いが面白かったです。
ここからはそれぞれのライブの魅力を掘り下げて紹介します。


東京夜光花

東京夜光花はやさしいズタイさんが脚本を執筆。舞台、リモート合わせて今回で3回目の開催。現地チケット即完の大人気ユニットコントライブです。
今回の出演者は全員無限大ホールレギュラーかつKOCファイナリスト、さらに今年のチャンピオンの空気階段までいてこのメンバーでのユニットコントってだけでワクワクします。

・演者の個性を最大限に活かすタイ

豪華なメンバーが揃っているもののそれぞれ個性が強いので組み合わさるとどうなるのかな…と思われる方もいるかもしれませんが、タイさんの脚本はその人にしか演じることの出来ないハマり役ばかり。普段から劇場で一緒にライブに出てるタイさんだからここまで演者の魅力を引き出した脚本が書けるのだなあと思います。
タイさんの脚本のキャラクターは本当に魅力的でかつ演者本人の人柄も引き出されて、ライブが終わる頃には出演者全員のことが大好きになってしまいます。この中で好きな芸人さん、知っている芸人さんが少ないなと感じている人ほど見て欲しいです!
個人的には1本目のコントの男性ブランコ浦井さん、6本目のコントの空気階段かたまりさんのキャラクターがお気に入り。
4本目はとある実験が行われたのですが、ネルソンズ岸さんのポジションが絶妙でめちゃくちゃ面白かったです!(ちなみに私はEの人間です。)

・綿密に計算された脚本

このライブのもうひとつの魅力はそれぞれのコントの世界が少しずつ繋がっていることです。
あのキャラクターとこのキャラクターはこういう関係性なのか!このアイテムはそういう意味だったのか!とコントを見ていくうちに新たな発見があり、また最初から見直したくなります。
90分という少し長めの公演ですがこういった仕掛けが各コントに散りばめられていることで一気に引き込まれてあっという間に時間が過ぎてしまいます。
さらに作中に登場したバンドやテーマパークのグッズの限定グッズが作成、販売されており、ライブも見終わった後もコントの世界の余韻に浸ることが出来ます。(終演後に発売されたとあるグッズは長蛇の列が出来るほど大人気に…!)

↑それぞれのグッズの概要欄までこだわっているのでぜひ覗いて見てください!


アンチマリトッツォ〜奴が来たら終わり〜

アンチマリトッツォはニッポンの社長辻さんが初めて挑戦した演劇?です。
全てはこのツイートから始まりました…

アンチマリトッツォはマンゲキでのノリから派生したライブで、少し事前知識があるとより楽しむことが出来ます。
令和喜多みな実河野さんを中心に始まったTwitter上のノリが色んな芸人さんやお客さんにも広がり、ライブにまで発展するなんて…!
こういったノリから派生してここまで盛り上がれるのはマンゲキならではだなあと。

↑こちらの動画を見ていただくとそのノリを掴めると思います!


・演者の新たな魅力を引き出す辻

アンチマリトッツォのメンバーは各賞レースのファイナリストや実力者は揃っているものの演劇となるとどのようなものになるのかそれだけでワクワクします。マユリカ中谷さん以外は演劇経験はないものの皆さん演技力が高いためお笑い抜きに引き込まれます。
中でも主演を務める令和喜多みな実河野さんは迫真の演技を始め歌やダンスまでそつなくこなす多才っぷり。
ヒロインのエルフはるさんは元々演技志望らしく周りから絶賛される熱演を披露。
個人的MVPは滝音さすけさん。普段のイメージとはかけ離れた悪役でその狂気に圧倒されました。辻さんも認める助演男優賞。

・隙のある脚本が考察を活性化させる…?

辻さんいわく元々全編演劇にする予定はなかったそうでリハーサルでは60分公演なのに33分しかなくて急遽付け足した部分も多いらしいです…笑
そのようなガバガバな脚本だからこそTwitter上では様々な考察が行われており一種のムーブメントになっています!
自分の心にツッコミを飼いながら見るとより楽しめるかも…?


おわりに

東京夜光花アンチマリトッツォは大きなくくりでいえばそれぞれの劇場所属芸人によるユニットコントライブなのですが、東西の芸人の違いというか指揮する人によってここまで異なる種類の笑いになるのかと。
豪華なメンバーを集めて上質なユニットコントライブを作り上げるタイさんは天才で、劇場でのノリを演劇という予想もつかない形でまとめあげる辻さんは奇才だなあと感じました。もしこのnoteを読んで気になった方は是非配信を見てみてください!
どちらかしか見てない人にもう片方の魅力が伝われば良いなあと思います。
おうちにいながら東西の劇場のお笑いを体験出来る大配信時代に感謝…!

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