パン屋ではおにぎりを売れ ~目的を達成するための考える技術~
もしあなたの近所のパン屋さんで「おにぎり始めました。」と張り紙が出されていたら、非常に興味が沸きませんか?
「パン屋なのに?」「米が違うのか?」「それとも具材?」と色んな考えが巡ると思います。そして「パン屋さんが作ったおにぎりって、どんなおにぎりなんだろう!」という期待も生まれます。
上記の様に発想次第で新たな魅力を生み出し、目的を達成するための思考法を書き記したこちらの本をレビューしていきます。
こちらは編集者の「柿内尚文」さんが出された書籍で、仕事・恋愛・人間関係・お金など、人生の様々な課題を解決するための「考える技術」をまとめたものになります。
こちらの書籍から僕なりに抽出したポイントを3つに絞ってご紹介します。
①「考える」とは?
そもそも「考える」とは何でしょう?
本書によると、「考える=『広げること』と『深めること』」であると述べられています。
『広げること』=”可能性を考える”ことで、つまり今まで存在しなかったものや新しい価値を生み出すことです。
『深めること』=”本質的価値を考える”ことで、物や価値の「そもそも」を考えることになります。
その具体例として「ほぼ日(にち)手帳」というのがあります。
この手帳は「LIFEのBOOK」と呼ばれており、手帳に何かを考えて書き込むことを繰り返していけば、いい事がたくさんある。それを突き詰めていけば手帳という枠組みを超え、その人の「LIFE」が書かれている、という事になります。
これを前述の『広げること』『深めること』に当てはめると
『広げること』=「手帳はスケジュールを書くもの」という可能性を、写真やチケットを貼る・カバーに文房具やアメやばんそうこうを入れる・図や漫画を描くなど広げた。
『深めること』=様々な使い方を提示することで、その人の「LIFE」を表すものにし、紙の手帳であることの価値が生まれた。
このように「広げる」と「深める」というのは考えることの基本になります。
②「考える技術」ずらす法
これは考えを「広める」分野になるのですが、すでにある商品やサービスに新しい風を吹かせたいときに有効な思考法です。
例えば、作業服の「ワークマン」もこの”ずらす法”を使って大人気になりました。もともと作業服メーカーとして地位を確立していましたが、作業服をスタイリッシュにする事により一般消費者が商品を購入していることに気づいたのです。
そして市場を作業服だけでなくアウトドアの分野に「ずらした」のです。しかしアウトドアの分野にも当然競合がいるわけですが、ワークマンは「安くて高機能」という市場を既存の商品から再発見しました。それにより新たなアウトドア商品を開発することなく、市場をずらすことで大人気となったのです。
当たり前になったものを、”ずらす法”で見直すと新しい価値が生まれる可能性があります。
③人の頭を使う
あなたが上司に「女子高生向けの商品を開発してくれ。」と言われたら、どの様に仕事を進めていくでしょうか。
本書ではこれに対する答えを「女子高生の動向に詳しい人に協力をあおぐ。」と述べられています。
簡単な答えと思われた方もいるかもしれませんが、しかしこんな当然の事が抜けている人も多いのです。
自分に知見や経験が無いのに一生懸命考えることは、カレー粉やスパイスが無いのにカレーを作ろうとしている様なものです。
まったく頭の中にインプットが無いときは難しく考えず、そのジャンルに詳しい人・経験がある人に聞いたりプロジェクトに巻き込んで参加してもらったり、人の頭を使えばいいのです。
今回は3つに絞りましたが、もちろん他にも様々な「考える技術」が載っていますので、気になった方はぜひ読んでみてください。
ではまた!
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